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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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62/111

誘拐 2

 なるみ礼二は軽い苛立ちを覚えながら自身に与えられた執務室で携帯をかけていた。

 これまで島へ駐在員として送り、その後に取り立てて昇進させていた所謂共犯者となる警察官にである。


 その一人が組織犯罪対策部組織犯罪対策第二課の大河内貞夫であった。

 島でのことにソタイが関わっていると分かった以上は内部の人間から仕掛けるのが良いと判断したからである。


 なるみは大河内に

「それで、等々力の動きはどうだ? 島へこれ以上テコ入れされたら全てがバレてしまう可能性がある。そうなれば俺もお前たちも共倒れだ」

 と告げた。

 大河内は組織犯罪対策五課のフロアに目を向けながら

「……それがソタイの中では五課以外は蚊帳の外だ。箝口令だけは敷かれているが……部長も向こうに行ったままで話は流れてこない」

 と応えた。


 なるみは息を吐き出すと

「同部署だ、調べて報告してくれ。誰と誰が中心か」

 と告げた。


 大河内は「わかった」と携帯を切ると立ち上がり足を踏み出した。

その時、陽は月から連絡を受けて勇介と等々力に滝口渉が車に当てられてUSBを奪われたことを報告していた。


等々力はそれを聞くと

「そうか」

 と言い、近付いてくる大河内を目にすると二人の言葉を手で止めて

「その件は分かった。お前たちは報告書を作っておいてくれ」

 と指示をすると大河内に目を向けた。

「どうした?」


 大河内がこの部署に配属される以前にあの島の駐在をしていることは以前に赤木勇介に言われて調べた時に分かっていた。

 他にもその人間は科捜研や警視庁の捜査二課にもいた。

 全員彼の息がかかっていると考えてよいと、等々力は警戒をしていたのである。

 そのこともあって、島へ行ったことが無い人間の集まりである五課中心で他の課については箝口令のみにしていたのである。


 大河内は等々力に笑みを見せると

「いや、最近は五課ばかりでね。何か難しい事件なら二課も協力した方が良いかと」

 と告げた。

 等々力は笑むと

「それは問題ないし、二課には二課の管轄もある。先ずは自身のやるべきことを優先してもらいたい」

 と切り返えした。


 大河内は息を吐き出すと肩を動かし

「わかりました」

 とチラリと五課の面々を見た。


 動きが怪しくなったのは新人の二人……赤木勇介と鷹司陽が来てからである。

 それは分かっている。

 だが、二人が中心に動きているのかはわからないのだ。


 その視線を等々力は黙って追うと

「大河内、そう言えば、この一年の間に大阪、福岡、名古屋と順々に事務所内へ被害者を呼び出して先物取引を持ち掛けてとんずらしている詐欺の方はどうなっている?」

 と聞いた。

 大河内はそれに視線を一瞬動かして

「それは、その三件の事務所フロアの契約状態と契約をした人間の似顔絵を作り追いかけています。どの地域も大都市の上にオフィス街の側に高級住宅街がある土地ということで同じような土地でいないかと思ってそういう会社が作られていないかも調べています」

 と報告した。


 等々力は腕を組んで

「なるほど」

 と言い

「後、全国の不動産屋に注意を促しておく方が良いな」

 と告げた。

「手配を頼む」


 大河内は敬礼すると立ち去った。

 一枚も二枚も上である。


 大河内は椅子に座ると息を吐き出し、なるみに電話を入れた。

「探ろうと思いましたが、等々力部長の方が上ですね。下手に動くとこちらが怪しまれるので何かわかりましたら連絡しますよ」


 なるみは顔を顰めたものの

「わかった」

 と答え、携帯を切った。

「使えん奴だな」


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