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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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13年前の真実 3

 陽はベッドの縁に座り

「それで」

 と聞いた。

 

 月は陽の机の椅子に座り鞄からUSBメモリを出して渡した。

「これを正木治人から貰ったものだ。あともう一人滝口という記者も13年前の情報を持ってると言っていた。それも受け取ろうと考えている。俺も父さんと母さんの死について調べることにした」

 

 陽は月を見た。


 月は陽を見つめ返し

「持明院の父は母さんの兄さんだったんだ。きっと父は何時か俺が両親の死について調べようと思った時に大きな権力の邪魔が入ると思って色々なVIPや要人にパイプを作ってくれたんだ」

 と告げた。

「俺は今まで父さんの……本当の気持ちが分かってなかった」

 

 陽は立ち上がると月を抱き締めた。

「わかったじゃん。ちゃんと辿り着いたじゃん。俺も力になる。絶対に突き止めよう」

 

 そう言って真っ直ぐ月を見つめた。

 月は笑むと頷いた。

 

 USBメモリには計画書と幾つかの写真が入っていた。

 それをパソコンで見て陽は目を見開いた。

「この男……正木治人を襲撃することを指示したヤクの売人と話をしていた男の似顔絵に似てる」

 

 月はそれに

「この男はマサキリゾート開発株式会社の長原と組んで島の乗っ取りを考えていたジャパンルート土地開発株式会社の高溝だ」

 と告げた。

 

 陽は腕を組むと

「ヤクの売人……マサキリゾート開発株式会社とジャパンルート土地開発株式会社と島の買い占め計画」

 と呟き、写真の1枚を指差し

「これ、天海礼華だ。刑事部捜査一課に入ったプロファイリングのプロの警部補」

 と告げた。

「彼女と隣に立って笑顔で話している男性」

 

 月は見て

「この人も警察関係者?」

 と聞いた。

 

 陽は腕を組むと

「俺、部内の人とかはよく覚えているけど警察庁長官の顔すらも薄っすら」

 とバツが悪そうにつぶやいた。

「でも、赤木ならもし警察の人間なら分かるはずだ」

 

 そう言って携帯を手にすると電話を入れた。

 赤木勇介は弁当を食べようとしていたところであった。

 

 独身ワンルームマンションの自室の小さなテーブルの上に弁当を置いてである。

「……今から飯って時に鷹司かよ」

 

 だが、陽の何処か鋭い感覚に一目置いているのである。

 勇介は携帯を手にすると

「今から飯だが……それを差し置いても話があるなら話せ」

 と告げた。

 

 陽は笑って

「あ、悪い。あのな」

 と話を始めた。

 

 始めるんかい! と勇介は心で突っ込んだ。

 陽はそう言うところが鈍感だった。


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