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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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第一話 英雄の曲が流れる時 5

 大講堂の正面に立っていたのは浜中勝彦警察庁長官となるみ礼二警察庁次長であった。

 講堂の扉は閉じられ、窓も閉められたまま、周辺には警察官が警備についていた。

 

 常にない物々しさであった。

 

 流石にざわめきが起きかけたが、浜中警察庁長官の一言で静寂が広がった。

 陽も一瞬何が起きたのか分からずチラリと同じ気持ちだったのか陽に視線を向けた勇介と視線を交わしたが直ぐに前を向いた。

 

 浜中勝彦はマイクを前に

「緊急のことであるが今から諸君たちに実地訓練をお願いすることになった」

 と告げた。

「本日の9時25分に羽田空港にオーストラリアから到着した飛行機に要人が乗っていたことが判明した。その人物は南太平洋群島の一角にあるエルバドロス島のエルバドロス王国の第一王子シェール・フォン・エバンス殿である。お忍びという事だが……今エルバドロス島の近海にレアメタルが産出するという事で多国間紛争の可能性がある国である」


 日本ではあまり聞かれることのない名前だが、オーストラリアの東側に広がる群島の中の小さな島である。

 近隣にはフィジーやトンゴなどがあり、その無名のエルバドロス島が突然有名になったのはレアメタルの産出であった。


レアメタルは様々な産業で利用される貴重鉱石なので各国が狙っているということである。


 つまり、その国の王子に何かあればレアメタル争奪戦が理由と因縁を付けられて国家紛争に巻き込まれる恐れがあるということなのだ。


 浜中勝彦の言葉で静寂が静寂を深め

「それぞれ警察庁の指揮下で行動をして王子を保護し警護についてもらいたい」

 と重々しく告げられた言葉に更に静寂が広がった。

 

 陽は「まじか」と心で呟きつつも他の面々に倣って敬礼をした。

 

 500人の新人機動隊員を12個の小隊に分けて直ぐにそれぞれの指揮者の元で東京都内に散らばった。

 

 陽と勇介は同じ小隊で警察庁指揮下第3小隊神津警部の元で東京都の中でも荒川区の方面を探索することになった。

 

 直ぐに全員に荒川区の地図が渡され、詳細を説明された。

 それぞれ2人一組。

 お忍びという事で身を守るSPもいない事を考慮して特別に防弾チョッキは着るものの見た目は私服と言う形になったのである。

 

 本当に特例の特例であった。

 

 2人はトランシーバーをそれぞれ服の下に隠し、車で荒川区の南千住駅と隅田川の間を担当することになった。

 ただその区間はJRやメトロの車庫、また都立の汐入公園があり住居や観光するところが少ないので探索は他の場所よりは楽であった。


 人通りがあまりないということだ。

 その為、探索が終わると他の地域の応援に行くという前提があった。

 

 南千住駅のロータリーに入ると一旦北へ向かって東西に横断しながら南に降りて行く形で車を走らせた。

 隅田川手前はメトロの車庫がありその外周を東に走ると団地群が見えた。

 都営の荒川団地である。

 そのまま進むと隅田川に添ってマンションや住宅が並ぶ区画に入る。

 そして、東側の川沿いに突き当たると折り返して西へと戻っていく。

 

「一戸建てに、一戸建てに、マンションかぁ」

 陽が呟くように様々な住居が区画に添って乱立している。

 

 運転は赤木勇介が行い陽は見る専門であった。

 

 極々普通の住宅街の光景が広がり意外と長閑な空気が流れている。

「まあ、だよなぁ~、ただの住宅街だよな。問題なし!」

 と陽が思った瞬間に住宅街にある瑞光橋公園と言う小さな公園に数人の怪しい人影が屯しているのが目に入った。

 

 目付きが鋭く険しい顔をした人間が4人くらい集まっている。


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