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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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39/112

第四話 家路の曲が流れる時 5

 時間で消えるチャットの可能性を考慮していたので画面を陽の携帯で撮っておいたので問題はない。

 

 携帯の着信の応答は早かった。

 恐らく本人も状況が分かって姉の身を案じたのだろう。

 

 清香は直ぐに弟に

「清人、今直ぐに会いたいんだけどどこにいるの?」

 と聞いた。

 

 弟の佐藤清人は

「姉ちゃん、無事か?」

 と返した。

 

 清香は笑むと

「私は大丈夫。貴方の落とした携帯を拾った人が警察へ届けてくれたらしくて警察の方が私と貴方と伯父さんの保護をしてくれるって。貴方が犯行前に逃げたと思われるからそれほどの罪にはならないとも言ってくれているわ」

 と告げた。

 

 清人は頷きながら

「家の近くの公園に隠れていて」

 と告げた。

 

 清香は頷くと

「三角公園ね。迎えに行くから絶対に動かないで」

 と言うと携帯を切った。

 

 それを聞いた勇介と陽は立ち上がると彼女を連れて佐藤家の近くにある小さな公園へと向かった。

 

 ブランコとタコの形をした滑り台と二つだけしかない公園であった。そのタコの形をした滑り台は胴体部分にトンネルがありそこに隠れることが出来るようになっているのだ。

 

 迎えに行った陽はそこで青年を見つけて

「佐藤清人くんだな」

 と声をかけた。

 

 清人は頷いて頭を下げた。

「すみません」

 

 陽は頷いて

「大丈夫だ」

 と答え

「あと佐藤清治さんだけだな」

 と呟いた。

 

 早急に手が打てたことで三人を保護し、佐藤清人から事情を聞くことが出来た。

 携帯で割の良いアルバイトを探していると1時間1万円で成功報酬10万の募集があったので応募したという事であった。

 

 しかし、履歴書データを書き込むと数日後に落とした携帯が届き、密告したり犯行に参加しなかったら家族を害すると例のチャットが送られてきたのである。

 

 住所も家族構成も知られており、逃げ出すわけにも行かずに現場へ行ったが怖くなって家の前から逃げ出したのである。

 他にも3人ほどいて、現場で直接連絡をしていたのは中年の男性一人だけだったという事であった。

 

 陽と勇介は携帯が送られてきた送り状を提出してもらい、参加した3人の容貌や分かることを聞き出した。

 

 2人については本名で話をしていたので割り出しが出来たので緊急手配をして保護し、残り1人については偽名で恐らく指示役であり見張り役だと思われた。

 

 2人も同じように割の良いアルバイトということで反対に脅されて犯行に及んだという事だが、乗り込んだのは良いが怖くなって金目の物を手に逃げ出して家族には家に帰らないように言い自身もホテルで身を潜めていたという事であった。

 

 3人の証言と早急な手配で羽田から国外逃亡しようとしていた指示役の男を搭乗口で確保しこの事件に関しては一段落ついた。

 

 また被害に遭った住人に関しては不幸中の幸いで人的な被害はなく盗まれたモノも2人が直ぐに返したことで物的被害も最小限で済んだということであった。


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