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陽と月  作者: 如月いさみ
陽と月

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35/112

第四話 家路の曲が流れる時 1

モバイルやネットが流行り出してから増えだしたのは組織だった詐欺や押し入りであった。

主犯格は海外で指示を出すだけで闇サイトなどの呼び込みで釣り上げられた下っ端が実行を行うという手口が増えていた。

 

 特に高校生や大学生が夏休みに入るとその件数は鰻登りになる。

 若者がそういう犯罪に手を染めることが多発するからである。

 

 軽い気持ちで個人情報を提供して脅される。

 金が欲しくて欲望に突き動かされて。

 理由は様々だが大抵は出来心で深みに嵌って犯罪者になるのだ。

 

 梅雨が明けて7月に入ると眩しい太陽が日中の気温をグングンと押し上げた。

 外で歩いているだけで汗だくである。

 

 鷹司陽は姉の日和と同居しながら6畳半ある自室で眠りながらガーガーといびきをかきながら眠っていた。

 

 学生が夏休みなどに入ってくると犯罪組織の動きも激しくなる。それだけ組織だった事件が多発してくる。

 その緊急連絡や張り込み、裏取りなどでそれこそ24時間越えの日もある。

 基本的に夜勤はないが、実際は早朝から深夜まで張り込みなどあるあるなので夜勤はないが繋がってしまえば24時間越えである。

 昨日は港で大きな薬取引があると密告があり前日の報告書を書き終えたその足で張りに行ったのだ。そして、一網打尽にしてその書類作成をして朝7時に漸く帰宅して現在に至る。

 

 つまり、爆睡状態であった。

 

 日和は朝食を用意して冷蔵庫に入れ鍵を閉めると家を出た。

 陽は曜日時間関係なくだが、日和は極々普通の勤め人なので平日の8時になれば家を出て職場に向かう規則正しい生活を送っている。

 

 陽が目を覚ましたのは太陽がかなり登った正午近く。

 姉の日和が用意した朝食を昼食と兼用で食べたのである。

 

 緊急連絡もないのんびりとした公休を過ごせそうで

「もう一寝入りして置くかなぁ」

 と陽がぼやいた瞬間に、それを切り裂くように携帯が着信を知らせた。


 緊急連絡……事件の発生であった。

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