第三話 時計の曲が流れる時 8
陽は「いや」と言うと
「凄く落ち着いてるから、もしかして何かだろうな~って事が分かっていたのかなぁって」
と告げた。
菜摘は目を見開くと静かに微笑み
「田胡さんとの事件には関りのないことです」
と言い
「ご苦労様です」
と告げると頭を下げた。
陽も勇介も萬田も松城家を後にした。
そこに捜査一課の刑事がいて死角から軽く手を振った。
三人は彼らと合流して情報を交換したのである。
捜査一課は既に松城剛志のアリバイを調べており
「ああ、沖縄に行っているのは事実だ。宿泊ホテルの方も調べている。夜の7時から夕食をとって8時くらいまでレストランで歓談していたそうだ。朝も8時30分には朝食バイキングに姿を見せている」
と告げた。
それに勇介が
「しかし、その時間なら羽田と那覇の最終便と始発便を利用すれば」
と告げた。
それに一課の刑事は手帳を見ながら
「ああ、だが乗客名簿には彼の名前もなかったし空港警察の方でカメラを確認したがいなかった」
と告げた。
萬田は一課の刑事に
「今、後援事務所と家に行っていた」
と言い、先程の話を伝えた。
一課の刑事は腕を組むと
「そうか。確かにそこの宝来公園で見つかれば最初に疑われるだろうからな。そんなことはしないだろう」
と言い
「取り敢えず、我々も話を聞いてくる」
と立ち去った。
三人は立ち去り駐車場に止めていた車に乗り込んだ。
時刻はもう昼である。
萬田は息を吐き出すと
「良い店を知っている。午後戦の前に食っていくか」
と告げた。
陽と勇介は同時に
「「午後戦?」」
と聞いた。
萬田は笑いながら車を走らせ
「午後から田胡の家にいく。家族からも話を聞かないとな」
と告げた。
陽は「なるほど」と呟いた。
萬田はハンドルを切りながら
「飯屋に寄るから少し遠回りになるが問題ないだろう」
と告げた。
陽は頷きながら
「それで何屋ですか?」
と聞いた。
萬田は胸を張って
「そば屋だ」
と答えた。
……。
……。
陽は冷静に
「あ、はい」
と答えた。
「ピザ屋とか洋食とか和食とかとか思った」
萬田は笑って
「駆け込みに食える店でないとな。だが味は保証する」
と答えた。
勇介は笑って
「俺は蕎麦好きなのでかまいません」
と言い
「まあ、多少時間が前後しても聞き込みですからね。早く食べて向かえば遠回りをしても問題なしってことですね」
と呟いた。




