第二話 別れの曲が流れる時 4
警察官が慌ててその男性の腕に手錠をかけ、田口は手帳を見せ女性を見ると
「中を確認させていただいて構いませんか?」
と聞いた。
女性は両脇に警察官がいるので戸惑いながら頷いた。
田口はケースの解除番号を聞いて開けた。
が、中からは布ばかりが溢れるように落ちた。
警察官は慌てて布を全て拾い集めた。
が、ただの布であった。
布だけしか入っていなかったのである。
だが。
と、萬田も田口も考えていた。
下着でもなく。
服でもない。
ただの布と言うのが怪し過ぎる。
しかし、中には他に何もない。
手錠された男性は慌てて
「あー、それ私の荷物です。水崎です」
と笑って答え
「いやいや、泥棒扱いされたと慌ててすみません。商品を作るのに大量の端切れが必要だったんですよ」
と告げた。
陽も勇介も顔を見合わせた。
薬物でも出てくるのかと思ったからである。
女性はほっとして
「私、頼まれただけだから。急にこの人が知らない振りするから」
と答えた。
田口は息を吐き出すとケースをコンコンと数か所叩き、一か所で目を細めるとカッターを手にケースの中から繰り抜くように走らせた。
そのケースの外と中蓋の間から白い粉が入った袋が落ちたのである。
女性は驚いて声を上げた。




