決心 8
牧野剛二はチラチラと陽のいる方を見ながら
「その、もう辞めてくれませんかね。貴方に渡す金は、な、無いです」
と告げた。
青年は目を細めると魚を並べる台を蹴り
「は!? あんたさ、分かってる? 俺があんたらが口裏合わせて前の警察官を追い出したって言えば反論できないだろ? 黙っててやるから口止め料渡しな。今月は負けが込んじまって金が足りねぇんだよ」
と告げた。
牧野剛二は震えながらチラチラと陽の方を見て
「その、もう言ってもらっても……」
と告げた。
青年は視線に気付いて姿を見せた陽を見ると
「何だ、お前。もしかして用心棒? 言っておくがな、警察官を襲ったら逮捕するぜ?」
と告げた。
陽は息を吐き出すと
「逮捕されるのは君の方だろ。それは立派な恐喝罪だ」
と告げた。
青年は笑うと
「言っておくが警察に言っても無駄だからな。俺の親父は香川県警の重役だからな」
と告げた。
陽は冷静に
「名前は? 本当に香川県警の上層部にいるのか?」
と聞いた。
青年は顔を歪めると台を蹴って
「うっせーな! きさま弁護士か? 言っておくが俺の親父は香川県警の高松北警察署署長だぞ!」
と告げた。
陽は腕を組むと
「高松北警察署の署長と言えば里村警視だったな。彼に息子はいなかったはずだ」
手帳を見せろ! と強い口調で告げた。
青年は目を見開くと
「な、何でそれを」
と呟いた。
陽は一歩踏み出し警察手帳を見せた。
「俺が警察官だからだ」
青年は視線を動かして慌てて踵を返しかけた。が、陽は腕を掴むと押し倒して手錠をした。
「恐喝で逮捕する」
そして、動けないように後ろ手にもう一方の手にも手錠をすると録画していた携帯を止めて高松北警察署に電話を入れた。
「高松北警察署の里村署長ですね、お久しぶりです。鷹司です」




