決心 4
更に
『今から確認し犯罪が行われていたことが分かりましたら所轄に報告して捜査一係の出動を願います。ただし嘘だった場合は偽証罪として皆さんを連行いたします!』
と厳しい口調で告げたのである。
全員が腰を引いたのは言うまでもなかった。
『警察は公権を実行できる機関です。それは皆さんの生活の安全の為で私用で使ってはならない権力です。もし皆さんがここに駐在所必要なしと思われたのならそう所轄に報告してください。その代わり、ここで何があっても駆けつける時間は今までの比ではありません』
……警察だからと何をしても許されるものではありません……
以来、パタリと文句を所轄に電話することは無くなったのである。
ただ地区ごとの喧嘩や訴えは色々あるようである。
それでも小宮郁夫も慣れたようで
「のらりくらり付き合ってます」
と告げたのである。
陽は笑むと立ち上がり
「小宮巡査のその笑顔を見て安心した。今回は後二か所行くところがあるからな」
と告げた。
小宮郁夫はそれに
「でも、また来てください。あの人たちも先みたいに忘れてエスカレートする時もあるので」
と肩を竦めた。
陽はそれに笑みを返すだけで言葉を発することはできなかった。喉元まで
「わかった」
と言いたかったのだ。
だが。
だが。
陽は手を振ると笑顔で手を大きく振る小宮郁夫を肩越しに見ながら長門峡の駅へと向かった。
太陽は南天に差し掛かり正午が近いことを教えていた。




