表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/130

全国巡回駐在員復活への一歩 9

 陽はレジデント浜田と言う少し高い茶色のマンションに徒歩5分ほどして辿り着くと管理人に声をかけて手帳を見せると

「ここにスナック『パール』のママがいると思うが」

 と告げた。


 管理人は驚いて

「え、ええ」

 と答え

「まだ何か?」

 と聞いた。


 陽は笑むと

「ここには刑事が? どんな刑事が来たかは」

 と聞いた。


 管理人は頷いて

「えーっと、名前は知りませんけどね。そのまま登って行ったので」

 と告げた。


 陽は目を細めると

「その時の防犯カメラの映像はありますか?」

 と聞いた。


 管理人は驚いて

「は? ……はあ」

 と言うと防犯カメラの映像を見せた。


 陽は目を細めると

「映像を貰っても良いですか?」

 とUSBメモリを渡した。


 管理人は頷くと

「どうぞ」

 とデータをUSBメモリに落として返した。


 陽はその後、管理人からスナックのママの竜崎希江子を訪ねた。

 竜崎希江子は扉を開けると

「あら、聴取なら終わったわよ? 今回の犯人は珠里のお得意さんで良く店に来ていたわよ。松岡警部さんにもう話しているわよ」

 と告げた。


 陽は手帳に書きかけて携帯を出すと録音にして

「まあ、録音するので申し訳ありませんが再度お答えください」

 と言い

「今回の犯人って言うのは?」

 と聞いた。


 竜崎希江子は少し考えながら

「え……名前は……忘れたわよ」

 と呟いた。

「とにかく、珠里のお得意さんでもう全部話しているわ」


 陽は頷いて

「その彼女のお得意さんの犯人が店に来ていた日とか頻度とかは?」

 と聞いた。


 彼女は視線を動かしながら

「そうね、一週間前の水曜日には来たかしら? 週に2、3度来ていたわね」

 と答えた。


 陽は「なるほど」と言い

「もう一度お聞きしますが、犯人は被害者の原口珠里さんのお得意さんだったんですね?」

 と聞いた。


 彼女は息を吐き出すと

「そうよ、週に2、3度通っていて何か仲が拗れたんでしょ? 珠里は男癖が悪かったからね」

 と告げた。


 陽は笑むと

「名前は憶えていないと」

 と告げた。


 彼女は腕を組むと

「そうよ!」

 と怒った。


 陽は息を吐き出すと

「ありがとうございました」

 と言い

「これで今犯人として捕まっている人物が冤罪であることがはっきりしました」

 と告げた。


 竜崎希江子は目を見開くと

「どういう意味!? 珠里と仲が拗れて殺したってことでしょ!?」

 と告げた。


 陽は冷静に

「それほど入れ込んで通っている男性を店のママである貴方が把握していないのがおかしいだろ。まあどっちにしても店の防犯カメラで本当に通っていたか分かるからな」

 と告げた。


 彼女は慌てて

「残っていないわよ!」

 と叫ぶように怒鳴った。


 陽は彼女をじっと見つめ

「何故?」

 と返した。

「何故、故意に消す必要があったんだ? 普通ならそれこそ証拠になる映像だ。残しているだろ?」


 彼女は視線を逸らせて

「松岡警部がもう調べているんだから……あんた、刑事仲間ならわかっているんでしょ?」

 と告げた。


 陽は冷静に

「貴方は松岡警部の方とかなり仲がいいみたいだが」

 と手帳を出して

「残念だが俺は『警察庁だ』」

 と言い

「県警を統括する警察庁から調査に来ている。松岡警部に疑惑があれば彼を調べることもする」

 と告げた。


 竜崎希江子は驚くと

「ちょ、ちょっと待って! わ、私じゃないわよ! 言い出したのは向こうなんだから!!」

 と怒鳴った。

「珠里が……珠里が脅してくるから……100万で我慢してればいいものを……松岡が上手くやってやるって言ってくれたのよ! まさか殺すなんて思いもしないじゃない!!」


 陽は息を吐き出すと浜田警察署浜田駅前交番に電話を入れた。

「友田巡査か、直ぐにレジデント浜田に来てくれ。スナック『パール』のママである竜崎希江子が自白した。確保を頼む」

 

 竜崎希江子は叫ぶように

「私は殺してなんて言ってないわ!! 勝手に殺したのは松岡よ! 本当に知らなかったのよ!」

 と告げた。


 陽は冷静に

「それをちゃんと言ってればよかったのに」

 と言い

「まあ、今からでも遅くないから言うんだな。共犯じゃないってな」

 と告げた。


 そして、浜田警察署署長の石田公男に電話を入れると事情を話して

「先ず松岡警部の確保をお願いします。それから彼女を引き渡したらそちらに向かうので山田巡査を取り調べ室に待機させておいてください。すみませんが、彼が無罪であることはまだ言わないでください」

 と告げた。


 石田公男は驚いたものの

「わかりました!」

 と敬礼して直ぐに刑事課長の金田聡に内線を入れて指示を出した。


 金田聡は驚いたものの強行犯係長の水谷雄二を呼び

「直ぐに松岡を確保しろ。スナック『パール』の竜崎希江子が松岡と共謀したことを自白した」

 と告げた。

「それから今留置所にいる山田巡査は何も言わずに取調室で待たせておくように……今から全国巡回駐在員の鷹司警部がやってくる」


 それに水谷雄二は息を飲み込み

「あの、鷹司警部が」

 と言い敬礼をすると

「直ぐに」

 と指示を飛ばし自らも駆け出した。


 陽は駆け付けた友田健也に竜崎希江子を引き渡して浜田警察署の場所を聞くと向かった。


 そして、一階で待っていた署長の石田公男に挨拶すると

「山田巡査は?」

 と聞いた。


 石田公男は頷いて

「取り調べ室の方で待たせています。本人には松岡警部の逮捕は知らせていません」

 と告げた。


 陽は歩きながら頷きUSBメモリを渡し携帯を聞かせた。

 石田公男は深く息を吐き出し

「申し訳ありません」

 と告げた。

「必ず物証を見つけます」


 陽は頷いた。

「相手は精通している刑事課の警部だ。大変だと思うが宜しくお願いする」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ