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陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

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全国巡回駐在員復活への一歩 6

 陽は浜中勝彦が何を考えているのか分からなかったが

「では、今回の駐在所の近隣で気になっていたところを回って戻ります」

 と告げた。


 浜中勝彦は鷹揚に頷いた。

「頼む」


 陽は敬礼をすると

「では、失礼いたしました」

 と立ち去った。


 浜中勝彦は陽が出て行くと

「この3件。全てお前の危惧は正しかった。そして見てこい……お前が手放した後の駐在所がどうなっているのかを」

 と呟いた。

「俺はお前の警察魂が動くのを待っている」


 無理やりでは動かないのだ。

 だから感じさせるのだ。


 陽は警察庁を出ると隣の警視庁へと向かい赤木勇介と落ち合うと山田百地のことで情報を貰った。

 赤木勇介は所轄からFAXで調書のコピーを送ってもらい

「これだ」

 と渡した。

「連絡をしてきたのは浜田警察署の刑事課捜査二係の松岡吉勝と言う警部だ」


 ……一応だが、簡単に調べておいた……

「お前が気にしてたからな」


 陽は差し出された身上書を見ると

「なるほど、それで山田巡査は?」

 と聞いた。

「供述は黙秘だが今もか?」


 赤木勇介は頷くと

「電話で聞いたら今もだそうだ」

 とだけ答えた。

「一応、浜田警察署の刑事課長からのものだから正式なものだ」


 陽はふっと笑うと

「そうか」

 と言い、ぱらぱらと見て

「これを見て安心した。山田巡査は殺していない。彼は気が弱いだけで殺しはしない。どちらかと言うと逃げるタイプだ」

 まあ褒められることではないが、と立ち上がった。

「それでも罪を犯さない強さだけは持っている」


 赤木勇介は腰を浮かせると

「いやいやいや、それより、何で殺しをしていないと判断できるんだ? 性格か? はずみってこともあるぞ? 防犯カメラにも映っているし灯台の壁から指紋の出ているんだぞ」

 と告げた。


 陽はそれに調書をカバンに入れながら

「それだろ、おかしいのは。ナイフの指紋だけを拭いたのが不自然なんだ」

 と告げた。


 赤木勇介は「え! それは……」と声を零して、警視庁舎の食堂の視線を集めると声を抑えた。

「確かにそう言われるとそうだが」


 陽は調書を見せると

「これを見ろ」

 と告げた。

「山田巡査の足跡は現場のあちらこちらに残っている。ゲソ痕から灯台の側面に指紋まで……なのにナイフだけ指紋を拭く変な冷静さが気になってな」


 赤木勇介は腕を組むと

「確かにな」

 と呟いた。


 陽は立ち上がり

「まあ、後はこの殺された女性を調べるしかなさそうだけどな」

 と告げて、手を振って食堂を後にした。


 桜田門から東京駅へ出ると新山口のホテルに予約を入れて新幹線で一旦は新山口へと向かった。島根と一口で言っても山田百地が勤めていた浜田警察署折居駐在所はかなり島根でも辺鄙な場所にある。


 それこそ新幹線で新山口まで出てそこから日本海側へ横断することになる。

 おおよそ行くだけで9時間弱かかるのだ。


 陽は東京駅から新幹線に乗って新山口へと向かい、どっぷり日が落ちて夜の8時過ぎに到着すると駅で夕食を終えてホテルへと向かった。


 新山口から米子行きの特急に乗るので駅近くのビジネスホテルで山陰の気になっていた駐在所をピックアップしたのである。山田百地の件が終わったら3、4カ所立ち寄って浜中勝彦二報告する必要があったからである。


 陽はチェックを終えると調書のコピーにじっくりと目を通した。


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