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陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

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全国巡回駐在員復活への一歩 3

 浜中勝彦は明るい太陽が照り付ける離島の空港に降り立ち目を細めた。

「いや~、中々良い島だな」


 そう言って、空港の出入り口の道路で待っていた車を眼に静かに頭を下げた。


 眉山旅館の女将で鷹司陽の妻である鷹司千代は車から降り立つと深く頭を下げた。

「ようこそ、鷹司千代です。夫がお世話になっております」


 浜中勝彦は敬礼をすると

「初めまして、こちらこそ今日はご足労願い申し訳ありません」

 と告げた。


 千代は浜中勝彦を乗せると島の中でも余り人の来ない海岸沿いの展望台に車を止めて

「ここなら鷹司も今日は来ないと思います」

 と告げた。


 浜中勝彦は笑みを浮かべると

「ありがとうございます」

 と答え

「貴方にとって俺は鬼のような男だと思います」

 と告げた。

「鬼になりついでに……鷹司を警察機構にいただきたい」


 千代は笑みを浮かべると

「私は、警察官である鷹司と結婚したことを恨んだことも後悔したこともありません」

 と告げた。

「あの子が生まれることが出来なかったのは鷹司のせいではなかったし……私が至らなかったせいだと思っています。あの人は『違う』とずっと言ってくれてますけど」


 千代は浜中勝彦を見て

「鷹司はあの坂口さんの島へ行ってから……いえ、きっとその前からだと思いますけどよくこれを見ていました」

 と一枚の紙を見せた。


 浜中勝彦はそれを手にすると目を見開いた。

「これは……鷹司が気になると、将来問題を起こすかもしれないと危惧していると報告してきた駐在所の一覧では」


 千代は頷いて

「男の人って……使命だとか仕事だとか……そう言うもので色んなものを捨ててしまえるんですね」

 と言い

「けれど、そう言う使命を胸に持つ人たちにこの社会がある意味支えられていることも私は鷹司を見て感じています」

 給料やお金では変えられないくらいのことをしていただいていると思っています、と告げた。


 ……あの人は使命バカだと思いますけど、私への愛に疑惑を持ったことは一度もありません……

「それが私の自慢です」


 千代は深く頭を下げて

「鷹司を宜しくお願いします」

 と告げた。


 浜中勝彦は涙を落とすと深く頭を下げて

「本当に……ありがとうございます。感謝いたします」

 と告げた。


 千代は微笑み

「今度は休暇でお越しください」

 ここはとてもいい島ですよ、と言い、浜中勝彦を車で空港に送ると折り返しで東京へ向かう飛行機に乗り込むのを見送った。


 二人が極秘で合っている時、鷹司陽の元に一本の電話が入った。

 赤木勇介からであった。


 警察庁生活安全局の方へ『全国巡回駐在員』について島根県警の浜田警察署から確認の連絡が入ったのである。


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