表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陽と月  作者: 如月いさみ
全国巡回駐在員

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/123

全国巡回駐在員復活への一歩 1

『鷹司警部、警察機構を支えているのは機械ではない。人間だ。人間は弱い。間違えることもある。だからこそ警察機構の根底を支えるには全国巡回駐在員が必要だと俺は思っている』


 警察官は人なのだ。

 間違えることもある。

 それを未然に防ぐ。不幸が広がる前に止める。

 そう言うシステムの一つが全国巡回駐在員の役割である。


 だが、その人間がいま……不在で2年が過ぎ去ったということである。


 東京の警察庁にある長官執務室に呼び出されて鷹司陽は浜中勝彦第73代警察庁長官に告げられた。


 陽は視線を伏せると

「でも、俺は」

 と言うと

「申し訳ありません」

 と敬礼をすると立ち去った。


 浜中勝彦はその背中を見送り大きく息を吐き出した。

「確かに階級や金で動くような奴だったら俺も引き留めないが……ったく頑固一徹で島の駐在員をやり続ける奴だからこそ手放すわけにはいかねぇんだよ」

 

 鷹司陽と言う人間は全国巡回駐在員という特別駐在員を立てて初めてその任についた警察官である。

 8年間、その成果は素晴らしいものがあった。


 しかし、その成果の裏で犠牲になったのは彼の妻で、そして、生まれることが出来なかった子供であった。


 2年前にすっぱりとその任を退き、再び島の駐在員として働いている。


 浜中勝彦は息を吐き出して執務室の机の上にある電話に手を乗せた。

「あーそうですか、で済ませるような人間なら俺は警察庁長官になんてなれてねぇんだよ」

 そう言って

「俺は国民を社会を……この国を守る警察機構を正常に動かすためなら鬼にもなれる」

 と呟いて受話器を持ち上げた。


 同じ時。

 黒い雲が空を駆け抜け海沿いの集落を越えた人の寄り付かない灯台の裏手で警察官の制服を着た青年が足を震わせながら一人の男を見つめていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ