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第44話:風の迷宮と、試される絆。このドキドキ、もう隠せない!

風の巫女が仕掛けた「天空の迷宮」の本格的な攻略が始まり、そこで試されるのは瑠々ちゃんたちの知恵と勇気、そして何よりも仲間との絆の力…!

もちろん、「心の声」表記は一切使わずに、瑠々ちゃんの感情の機微、特に**「ツンデレな部分」「秋月先輩への募る恋心と、彼への絶対的な信頼感、そして不意打ちのドキドキ」「冬城くんへの複雑ながらも変化していく気持ちと、彼への新たな認識、そしてほんの少しの嫉妬(?)」を、地の文、行動、そして彼女自身の言葉を通して、これ以上ないほどに深く、そして読者が手に汗握り、思わず胸が熱くなるように描き出してみせるわね!

そして、「てんこ盛り」**の美少女描写(迷宮の中で輝きを増す瑠々ちゃんの姿!)、ラブコメ、ミステリー要素も、最高のバランスで融合させてみせるわ!


第44話:風の迷宮と、試される絆。このドキドキ、もう隠せない!


風の巫女の言葉と共に、私たちは出口の見えない巨大な石造りの迷宮の中に立たされていた。天高くそびえ立つ壁は、まるで私たちを永遠に閉じ込める檻のようだ。空は厚い灰色の雲に覆われ、太陽の光も届かず、ただ不気味な風の音だけが、迷宮の中を吹き抜けていく。その風は、時に私たちの進むべき道を塞ぐかのように激しく吹き荒れ、時にはまるで嘲笑うかのように、私たちの耳元で奇妙な囁き声を残していった。「お前たちに、この迷宮から出られるものか…お前たちの絆など、この風の前では脆く崩れ去るだろう…」と。


「きゃっ!な、何これ!?どこもかしこも同じような壁ばっかりで、全然どっちへ行けばいいのか分からないよぉ!それに、なんだかこの風、すごく冷たくて…怖いよぉ…瑠々ちゃん、どうしよう…」

緋和が、不安そうに私の腕にしがみついてくる。その小さな体は、恐怖と寒さで小刻みに震えていた。彼女の可愛らしい顔も、今は心なしか青ざめ、その大きな瞳には涙が滲んでいる。こんな状況でも、彼女の頭の上の星形のヘアピンだけは、健気にキラキラと輝いていた。その輝きが、まるで私たちの小さな希望のようだ。

「大丈夫よ、緋和。私が絶対に、ここから出してあげるから。それに、寒かったら、私のこの上着、半分貸してあげるわ。私たちは、親友でしょ?」

私は、緋和の手をぎゅっと握り返し、できるだけ力強い声で言った。そして、自分の着ていた旅装束の上着の片袖を、そっと緋和の肩にかけてあげた。でも、本当は私も、この先の見えない状況に、言いようのない不安を感じていた。私の手も、少しだけ震えているのが自分でも分かった。それでも、緋和の前では、しっかりしなくちゃ。

「…どうやら、ただの迷路ではないようだな。この風…そして、この壁の配置…何か法則性があるはずだ。だが、それが読めない限り、我々は永遠にここを彷徨うことになるだろう。そして、この風には…微かにだが、マガツモノの気配も混じっているようだ。油断はできんぞ。特に、お前のような“お荷物”はな、夏海瑠々」

冬城が、腕を組み、鋭い視線で周囲の壁を観察しながら、冷静に分析する。その銀髪が、迷宮の中を吹き抜ける風に揺れ、その隙間から覗く黒曜石のような瞳は、獲物を探す獣のように鋭く光っている。彼の横顔は、こんな状況でも、なぜか人を惹きつけるような、危険で、そして抗いがたい魅力を持っていた。マガツモノの気配…?まさか、こんな神聖な場所にまで…!?そして、最後の言葉は何よ!誰がお荷物ですって!?

「なっ…!誰がお荷物ですって!?あんただって、さっきから偉そうに見てるだけじゃない!少しは手伝ったらどうなのよ、このスカした銀髪男!」

私は、思わずカッとなって冬城に食ってかかった。この男は、本当に一言多いんだから!

「夏海さん、君の“星詠みの竪琴”の力で、何か道を見つけられないだろうか?風の巫女も、その音色が正しい道を示してくれると言っていたはずだ。君のその清らかな魂の音色なら、きっとこの迷宮の謎も解き明かせるはずだよ。僕は、君の力を信じている」

秋月先輩が、私と冬城の間に割って入るようにして、私に希望を託すように、優しい眼差しを向けてくれた。その瞳には、私への絶対的な信頼と、そしてほんの少しの…熱い期待が宿っている。先輩のその言葉と、握られた手の温もりが、私の心に勇気の灯を灯してくれる。

「…はい、先輩。私、やってみます!この竪琴の音色が、きっと私たちを導いてくれるはずですから!私のこの力、みんなのために使います!…冬城の役立たずなんかとは違うんだから!」

私は、胸に抱いた「星詠みの竪琴」を構え、深呼吸を一つした。そして、心を込めて、そっとその弦を爪弾く。その瞬間、私の髪がふわりと風に舞い、その白い肌は、迷宮の薄暗がりの中で、まるで内側から淡い光を放っているかのように見えたかもしれない。そして、最後の言葉は、もちろん冬城への当てつけだ。

ポロロロン…

竪琴から流れ出したのは、清らかで、そしてどこか懐かしい、風のような優しい音色だった。その音色は、迷宮の中を吹き抜ける不気味な風の音とは対照的に、私たちの心を穏やかにし、そして進むべき道を示唆するかのように、特定の方向へと微かに、しかし確かに響き渡っていく。それは、まるで暗闇の中で見つけた一筋の光明のようだ。

「…こっちだわ!この風の音…竪琴の音色が、こっちへ導いている気がする!みんな、ついてきて!私が、絶対にみんなをここから出してあげるんだから!」

私は、その微かな音の響きを頼りに、仲間たちを率いて迷宮の中を歩き始めた。私の黒髪が、竪琴の音色に合わせてふわりと舞い、その白い肌は、迷宮の薄暗がりの中で、まるで内側から光を放っているかのように見えたかもしれない。その真剣な横顔は、緋和だけでなく、秋月先輩や冬城の心をも強く惹きつけていた。


しかし、迷宮の道はそう簡単ではなかった。私たちの進む先々には、風の巫女が仕掛けた様々な罠や、風の精霊たちが作り出した幻影が待ち受けていた。時には、強風が吹き荒れる狭い通路を、身を屈めながら進まなければならなかったり、時には、目の前に深い亀裂が現れ、そこを飛び越えなければならなかったりした。

「きゃあああっ!瑠々ちゃん、危ない!足元、気をつけて!」

瑠々が、突風に煽られて足を踏み外し、深い亀裂へと落ちそうになった瞬間、秋月先輩が間一髪で彼女の腕を掴み、力強く引き上げた。その勢いで、瑠々の体は先輩の胸に強く抱きしめられる形になった。先輩の逞しい腕が、私の体をしっかりと支えてくれている。

「だ、大丈夫か、夏海さん!?しっかり僕に捕まって!もう絶対に離さないから!君のその…細い体が、風に飛ばされてしまいそうで、気が気じゃなかったんだ…!それに、君のその甘い匂いに、僕、ちょっとクラクラしそうだよ…」

先輩は、私を自分の胸に強く抱きしめ、その逞しい腕で私を風から守ってくれていた。その距離の近さと、彼の心臓の音が、私の心臓の音と重なり合う。彼の首筋から、汗と、そしてほんのり甘いような、男の人の匂いがして、私の顔がカッと熱くなる。そして、最後の言葉は何!?先輩、そんなことサラッと言わないでください!

「せ、先輩…ありがとうございます…!もう、大丈夫ですから…!その…先輩のせいで、ドキドキが止まらないんですけど…!それに、私、そんなにひ弱じゃありませんから!匂いなんてしません!」

顔を真っ赤にして身を捩ろうとする私に、先輩は「それは…僕も同じだよ、夏海さん。君が無事なら、それでいいんだ。でも、本当に…君のその華奢な肩を見ていると、守ってあげたくなるんだ。それに、君からは、いつもいい香りがするよ」と、私の耳元で囁いた。その声と、彼の熱い吐息に、私の体はまるで溶けてしまいそうだった。この人、本当に天然なのか、それとも確信犯なのか…!どっちにしても、心臓に悪すぎる!

そんな私たちを、少し離れた場所から、冬城が腕を組み、何か言いたげな、しかし結局何も言わずに、ただじっと見つめていた。その黒曜石のような瞳の奥に、ほんの僅かだけ、チリッとした嫉妬のような、そして何か諦めたような、あるいは…何かを決意したような複雑な光が宿っていたような気がしたのは、きっと私の気のせいだわ。でも、彼がふいと顔を背けた時の、その寂しげな横顔と、そして彼が私のために(絶対そうに違いない!)倒してくれたはずの、通路の隅に転がっている小さなマガツモノの残骸が、なぜか私の胸に焼き付いて離れなかった。この男、本当に分かりにくいんだから!でも、もしかして、ちょっとだけ…私のこと、気にかけてくれてる…?いやいや、そんなわけないわよね!


迷宮の奥深く、私たちはついに風の巫女が待つという祭壇へとたどり着いた。そこは、風が作り出した巨大な水晶の洞窟のようで、壁一面がキラキラと輝き、天井からは鍾乳石のように氷柱が垂れ下がり、幻想的で、そしてどこか神聖な光景が広がっていた。その美しさは、これまでの苦労を忘れさせてくれるほどだ。

しかし、祭壇の前には、三つの異なる道が伸びており、それぞれが異なる風の色――穏やかな翠色の風がそよぐ道、激しい琥珀色の風が渦巻く道、そして全てを凍てつかせるような白銀色の風が吹き荒れる道――を纏い、その先の試練の過酷さを物語っているようだった。

『…よくぞここまで来た、星影の巫女よ。そして、その仲間たち。だが、本当の試練はこれからじゃ。この三つの道は、それぞれお前たちの“心”を試すもの。知恵の風、勇気の風、そして…愛の風。お前たちは、それぞれの試練を乗り越え、真実の道を見つけ出さねばならぬ。もし、道を見誤れば…お前たちは永遠にこの迷宮から出ることは叶わぬだろう。そして、お前たちの絆も、ここで試されることになる。さあ、選ぶがいい。お前たちが進むべき道を』

風の巫女の声が、洞窟全体に厳かに響き渡る。その声には、私たちを試すような響きと、そしてほんの少しだけ…期待するような響きが含まれているように感じられた。

「心の試練…ですって…?一体、どんな試練が待っているというの…?それに、道が三つもあるなんて…」

私は、ゴクリと唾をのんだ。その美しい水晶の洞窟は、同時に私たちの心を映し出す鏡のようでもあり、逃げ場のない圧迫感を感じさせた。

「大丈夫だよ、夏海さん。僕たちがついている。どんな試練だって、みんなで力を合わせれば、きっと乗り越えられるさ。君のその美しい瞳が、真実の道を見つけ出すと信じているから。僕は、君の選んだ道を、最後まで一緒に歩むよ」

秋月先輩が、私の肩を優しく叩いて励ましてくれる。その言葉と、彼の揺るぎない信頼が、私の心に勇気を与えてくれる。

「…フン、面白い。やってやろうじゃないか。俺の知恵と力で、こんな子供騙しの試練、一瞬でクリアしてやる。夏海瑠々、お前もせいぜい足を引っ張るなよ。だが…もし本当に危険な時は、俺が守ってやる。お前のその…泣きそうな顔は、見ていてどうにも落ち着かんからな」

冬城もまた、不敵な笑みを浮かべていた。その瞳には、新たな挑戦への高揚感が宿っている。そして、最後の言葉は、いつになくストレートで、私の心臓をドキリとさせた。この男、たまにものすごく不意打ちを仕掛けてくるんだから!しかも、私の顔、そんなに泣きそうに見えるの!?

「瑠々ちゃん、私も頑張るよ!瑠々ちゃんのためなら、どんな怖いことだってへっちゃらなんだから!それに、瑠々ちゃんの美少女っぷりを、もっと風の巫女様に見せつけてやろうよ!こんな可愛い子をいじめるなんて、許せないんだから!」

緋和も、いつもの太陽みたいな笑顔で、私の手をぎゅっと握りしめてくれた。その純粋な応援が、私の最後の不安を吹き飛ばしてくれた。


私たちは、それぞれの覚悟を胸に、三つの道へと分かれて進むことを決意した。

秋月先輩は、その冷静な判断力と知識を活かすべく、「知恵の風」の道へ。その背中は、頼もしく、そしてどこか悲壮な決意を秘めているように見えた。

冬城は、その圧倒的な戦闘能力と精神力で、「勇気の風」の道へ。その瞳は、燃えるような闘志を宿していた。

そして私は…緋和と共に、一番困難かもしれないけれど、そして一番大切な何かが見つかるかもしれない、「愛の風」の道へ。その道は、まるで私の心の奥底を映し出すかのように、温かく、そしてどこか切ない風が吹き抜けていた。その風は、私に問いかけてくる。「お前の本当の愛は、どこにあるのか」と。「お前が本当に守りたいものは、何なのか」と。

私の胸のドキドキは、もう隠しようもなかった。この試練の先に、一体何が待ち受けているのだろうか。そして、私たちは、本当にこの迷宮を突破し、風の神器を手に入れることができるのだろうか…?私のこの手は、誰の手を求めるのだろうか…?そして、私のこの想いは、一体どこへ向かうのだろうか…?

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