表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

美術館に行っただけなのに

儒烏風亭らでん氏の二次創作です


 平日、閉館間際の美術館。


 人もまばらでゆったりした時間の中で見る絵画が僕は好きだ。


 夕日のオレンジが廊下を照らすと、ますます幻想的に絵画も彫刻も僕に訴えかけてくる。

 泣きそうになりながら絵画と会話していると、小さな階段から人が降りてきた。


 一般の人は使えない階段なので関係者だろうか? と思って見ていると、

 金髪で背が高く彫りの深い顔の老人……と言うには失礼だろう、どう見ても外人のジェントルマンがふらふらと僕に向かってきた。


 彼はお腹に手を当てながら、ぜぃぜいと荒い息で僕の目の前に立ち、


「なぜ、儒烏風亭らでんに頼まなかったのか?」


 そう言うと彼は僕に全体重を預けて倒れ込んだ。


「らでんちゃん? ……ってちょっと! 大丈夫ですか?」


 僕の問いに彼は薄く笑って目を閉じた。


「どうかしましたか?」

 異変を感じた警備員が声をかけながら近づいてきた。


「この人が急に倒れて……」

 彼を支えながら警備員に手を振った。


「あんた! その手は?」

 警備員は僕の手のひらを指差し、素っ頓狂な声を上げた。


 ふと自分の手を見て驚いた


「え?」


 血で真っ赤に染まっていた。


「うぉぉぉ〜!」

 警備員は僕に向かって突進し、ラグビーのタックルのように、低い体勢からブチかまされた僕は数メートル吹っ飛んだ。


 目から火花が散るって言うけど、マジだったんだ……と思いながら意識が飛んでいった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ