表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

熱く、熱く。

「…………!」


山積みにされた古い本の中に、見覚えのあった本があった。



「『小さな夢の御伽噺』」



その本は、リクラリカの図書塔では、何故だか禁止図書に混ざっていた一冊の絵本だった。


とても美しい装飾と、鮮やかなイラストがとても興味をそそった物だったが、魔法か何かで封じ込められて読むことが出来なかった本だった。



「お、それで良いのか? 結構大きめの本だが」


そう聞く古本屋に「それでいい」と頷くと、


「じゃあ丁寧に紙袋に入れて持ち運びしやすくしてやるよ」


そう言い、丁重にラッピングしてくれた。


ついでに、『二冊もいい本買ってくれたお礼だ』と、最新物の大陸の地図も入れてくれた。(注意:無料で配られているやつ。つまり結局古本屋は損していない)





気が付くと、もう黄昏時になっていた。


思ったよりも此処は、時が経つのが早いように感じられた。




この街の図書施設は、一日中開放してあるらしかったので、再びそこへ戻った。




とりあえず、リクラリカがどの辺りに位置するのか、地図を広げて確認する事にした。


ーーだが。



「…あれ、」


無かった。 何処にも。



『リクラリカ』の名を持つ国は、地図上の何処にも存在しなかった。



「(どうして?)」


少女は図書館中の地図を取り出し、自身の国が載っている地図を探した。



「……あった…」


ようやく、リクラリカの載った地図を見つけた。その時はもう既に、外が薄明るくなっていたが、少女は気にしていなかった。



見つけた、自国が記載された地図。


それは、何十年以上も昔の地図だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ