いけなかった。
「魔導機……(確か、それは……)」
「ねぇ、魔女様。 魔道具ってなんでこんなに効果が短いのかなぁ」
守りの魔道具を眺めて子供は絡繰りの魔女に問う。
「それは術が表面にしか掛かっていないからだね」
機械人形を作る魔女は答える。
「じゃあ、術を中に閉じ込めちゃうのはどう?」
「それも無理だな。 道具そのものが生み出したものでなけりゃ、時間と共に薄まっていくよ」
その答えに、子供は項垂れる。だが、ふと顔を上げ、
「それなら、時の魔女様に魔法が解けない様にして貰うのはどうかなぁ」
そう問うた。
「…ふむ、やってみる価値はあるか」
これが魔導機の原型となるものの誕生だった。
ーーそう、習った。
時の魔女と、閉じ込める魔法の子供と、絡繰りの魔女。
この3人が生み出した、半永久的に動く持続型魔道具は世界は衝撃を受けた。『効果が長く続く魔道具』は、需要が高まった。
だが、この方法ではあの3人でしか、持続型魔道具が作れない。一気に需要が高まっていく中、作る方法がそれだけでは、供給が追いつかない上に、魔法の使い過ぎで3人が死んでしまうかもしれない。
街の人々は一生懸命、『3人の為に、持続型魔道具に変わるものを作ろう』と研究を重ね、それはとうとう完成したのだ。
魔法石の力を利用した、半永久機関。
『魔導機』が。
「…(良かった、色々思い出せてきたみたい。)」
目を開く。 この記憶は、勿論、私自身のものではなく、リクラリカの図書塔に有った記憶装置型魔導機『メモリアル』の中にあったものだ。
『図書塔』は、文字通り大きな塔が丸ごと図書館になっている建物のことで、国中の本が置いてある、唯一の場所だった。それは国の特性から、技術系の本が多かったがそれでも興味深い本が山のようにあり、あの国に居た頃は毎日のように通い、貪るようにそれらを読んでいた。
あそこの本は、殆ど読み尽くしていたので、この街の図書施設の新しい本達が、真新しく目に映った。