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時間は

「ーー……、(あの、国……)」


私の、住んでいたあの国はーー



少しだけでも記憶を取り戻そうと、彼女は、自分の国の事を、国の成り立ちの事を、思い出していた。




彼女の住んでいた国は、魔導具や魔導機の生産が盛んな場所だった。


始まりは、居場所を無くした数人の魔導師や絡繰り師による集落のようなものだったらしい。


時の魔法を操る魔女と、対象を閉じ込める魔法しか使えない子供と、強力な力を持つ亜人という理由で何処にも行けなかった世界で唯一の竜人、酷い労働環境から逃げ出した鬼人達、それから、解放活動を行ったお陰で指名手配された、1人の絡繰り技師の魔女。


しばらく時が経てば、捜索の手はそこら中から伸びてくる。


しかし、絡繰り技師の魔女は、強大な力を持っていた。


魔女の作った絡繰人形達は、彼女以外の魔法は効かず、何も命じなくても勝手に動き出す。


魔法攻撃が主流だった当時では、魔女の作り出す人形兵達は、みんなの強力な盾となった。


一度、国からの追っ手(絶対勢力)を退かせた衝撃は、瞬く間に広がり、国の事をよく思っていない者や同じ境遇の者達が集まってくる様になった。


そこに住む者たちは、仲間を増やそうと、ものづくりが出来る者を集めたり、「色々な道具や材料がある」「見たこともないような魔道具がある」などの噂を流したりした。


やがて、「面白い物が作れる」「魔道具の研究が出来る」と、初めと少し違う噂が広がったが、ものづくりが好きな者達が集まり、集落から村、村から町、そして。



誰かが言った。


「ここを、魔法道具の国にしよう」


と。



いつのまにか、一つの国となっていた。






「……、」


草原を抜けた彼女は足を止めた。



目下に大きな街が見えたのだ。

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