data.7 男の正体
一週間後 俺は圭を連れて自分の世界に来ていた
圭「もう大丈夫なんだよね? 無理してない?」
浮葉「大丈夫だって! もう熱もないんだから」
圭「ならいいけどさ...これ僕も行く必要ある?」
浮葉「もちろん あるよ あいつのおかげで助かったと言っても過言じゃねぇからな」
ま、それだけが理由じゃねぇが...
浮葉「ほら、行くぞ」
圭「う、うん」
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浮葉「よいしょっと 相変わらずきめぇな…」
圭「うわ ほんとに別のところ来れた...って、何ここ...気持ち悪...」
まぁ、俺でも嫌な空気を感じるんだ 人間からしたらきついよなぁ
浮葉「おい! タール! 来てやったぞ!」
タール「ったく なにが来てやったぞだ 上から目線すぎじゃないかのう?」
浮葉「んなことどうでもいいだろ」
圭「...え~っと 誰?」
浮葉「あ、そうだった こいつがお前の危機を教えてくれた奴だ」
タール「初めまして プログラム族のタールと申す 以後、お見知りおきを」
圭「えっと...よろしくお願いします」
浮葉「って! そんなことより素性! 全部吐くって言ったよな!?」
タール「落ち着け 教えてやるわい」
...ほんとか? こいつどこからどう見ても怪しいんだよな...
タール「安心しろ 貴殿らの敵ではない」
!? また...!
タール「さて、改めて自己紹介をしよう 儂の名は『タール・メディカ』 メディカ家の元家主にして、防衛軍の治療分野の元隊長であり...お前の親父である『根十見 修造』の元親友だ」
浮葉「...は? なにが...え?」
なんだ...防衛軍? メディカ? 何を言って...それに、俺の親父って...
タール「混乱しておるな それもそのはず なんせこの情報はあそこの世界に行かぬとわからぬからな」
圭「...あなたは一体...何者なんですか? なぜこんなところに...」
浮葉「そうだぜ そもそも元家主って...そんな奴がどうして...」
タール「それについては少し昔話をすることになるが...良いか?」
浮葉・圭「もちろん!」
タール「その心意気良し いいだろう 教えてやる 貴殿が生まれた世界のこと、儂のこと、そしてあやつのことを 心して聞くがよい」