data.4 理から外れたモノ
圭「はぁ...はぁ...はぁ...」
集合場所に来たはいいけど... いつもなら賑わってるはずなのに誰一人としていない いくら何でも駅前に誰もいないなんてことあるか?
圭「ともかく、あんさんとゆきさんを探さないと!」
???「そこの君」
圭「!? はい?」
女の人? てか、人いたんだ... 気づかなかった
???「浮葉っていう人知ってる? 知ってたらどこにいるか教えてほしいんだけど」
圭「浮葉? 知ってますけど...」
???「あら、ほんと? じゃあ、どこにいるか教えてくれない? 少し用事があってね」
圭「...一つ聞いてもいいですか?」
???「なに?」
圭「あなたの名前を教えてくれません?」
???「...」
なんかまずいこと聞いたかな? 名前がコンプレックスだったら申し訳ないな...
シュンッ
そんなことを思っていると女性は平手打ちをしようとしてきた
バッ
危機一髪でそれをよけれたが、避けて下がったはずなのに距離が変わっていなかった
圭「な、なにがどうなって」
???「フフフ あなた、さっきの二人よりは筋がいいわね」
あの二人ってことは...
圭「あんた あの二人に何をした!?」
???「なに まだ殺しちゃいないわよ ちょっと別の場所に行ってもらってるだけよ」
別の場所? 一瞬でそんなことできるってことは...
圭「やっぱり、あんたバグ族か!」
???「あら? 知っていたの? あの子の入れ知恵かしら ええ、ご名答」
和嘩「私はバグ族の根十見 和嘩 名前からわかる通り浮葉の姉よ さて、さっきの浮葉のところへ連れてくって話だけど...」
ダンッダンッ
和嘩「あら、危ないじゃない 銃なんて出して」
圭「マジで?」
銃弾当たったよな? じゃあなんで...
圭「...そういうことか」
和嘩「何か気づいた? まぁ、人間の貴方じゃ気づくことにも限界があるでしょうけど」
圭「あんたの能力は【別の空間に人や物を転送する】だろ?」
和嘩「...へぇ、よくわかったじゃない で? それがわかったからどうするの?」
そうなんだよなぁ あの感じ俺には触れないといけない そうすると銃を持ってる俺のが有利なんだけど...さっきみたいに自身の周りの空間を別空間に送り続けられると攻撃が通らないんだよな しかも空間を削ってその分引き寄せられるから逃げることもできないし...
シュンッ
圭「うわ!」
和嘩「フフフ 考える時間は終わりよ 鬼ごっこの始まりとしましょうか」
圭「やば...」
そうして地獄の鬼ごっこが始まった
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圭「クソッ」
あれから十数分 既に危機的状況に追い込まれていた
和嘩「あら? もう終わり? もう少し逃げ回ってほしかったのだけど まぁ、同族やプログラム族でもここまで逃げれるのは稀だからね 人間にしては充分よくやったわ」
圭「はっはっ そりゃどうも」
一応切り札はあるけど...時間的に一発しか込めれなかったから外したら終わりだ タイミングを見定めないと
和嘩「ま、私も用があるし そろそろ終わりにしましょうか」
そういって和嘩は手を伸ばしてきた
ズドンッ
その大きな音とともに和嘩の胸を銀の銃弾が貫いた
和嘩「...それは?」
圭「昔調査に行った民家で使ったものだよ 祈りの籠められた弾丸だ もしかしたらと思ったけど 効果は絶大みたいだね?」
ただ、倒れないってことは...死んでないってことだ
圭「あと一歩届かなかったか」
和嘩「...久々にヒヤッとしたわ でも、だからこそ生かしておけないわね」
やっぱり...そうだよな
圭「ごめん 浮葉」
和嘩「それじゃあ、さようなら」
そう和嘩が言って手を伸ばすと同時に周囲の景色が真っ白になった
和嘩「な⁉ 動け...ない」
なにがどうなって? 和嘩の動きが止まってるし、ここは...
浮葉「ほんとにあいつの言ったとおりだったか」
圭・和嘩「浮葉!?」
圭「さて、覚悟はいいか? クソ野郎」