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これだから、優等生ってやつは!

リンは、内容問わずに真面目です。

 巣立ちから、冒険者ギルドで登録が出来たまでは順調だった。

 ランクは「G」からで最高が「A」で、それ以上の連中を一纏めに「S」に認定されるから、大抵の冒険者の最終目標は「A」になる。

 さて、ランク「G」は登録した村や町等で雑用が主な仕事で、真面目にやれば直ぐに階級が上がる、俺も直ぐに上がって「F」になる。

 ランク「F」は雑用と町等から外に出ての薬草採取で、このランクも真面目にやれば直ぐに階級が上がり、ランク「E」でやっと討伐が出来る。

 勿論、外に出た時にモンスターに襲われれば討伐しても構わないが、冒険者ギルドのランク査定には影響を与えられない。

 まあ、買い取りには応じるから只働きにはならないのが救いだな。

 ……問題は、此処からだった。

 幾ら探しても、弱いモンスターの「ホーンラビット」や「ボア」や「ゴブリン」が見付からなかった。

 探知系を使ってみたら、半径200m以内に1匹も居ない上に絶賛逃走中(にげるがかち)という状態だ。

 逃げずに居るのは、オーガ以上。

 ……勘弁してくれ。

 道理で、道中に雑魚モンスターが襲って来ない筈だ。

 ずっと、「真面目」に「順調」にランクが上がっている新人の俺が、ホーンラビットやゴブリンを討伐せずに、オーガ以上を討伐したら怪しまれるだろうが!

 理由や原因が分からない為に、森の中での移動速度は異常に速いが心情的には他の新人同様に一生懸命にしているという不自然な事になった。

 オーガぐらいなら瞬殺なのにな。

 お陰で他の新人が帰る頃まで俺も動きまくり、疲労した状態で冒険者ギルドに行くもんだから、他の冒険者からは「新人、頑張っているな。」になっている。

 これはこれで「偽装」にはなっていたけどな。

 ソロの場合だと、ランク的にはオーガは「C」ランクからが推奨されるから大変だったよ。

 故郷で討伐したモンスターは全て最低でも「B」ランク以上な為に売れないし、異空間収納には全て売った場合の合計金額が日本円で「億」超えなのにな~。

 結局、他の新人と同じペースになる為に、「D」ランクになれたのは、現在から4ヶ月前になる。

 その直後、リンと出会う訳だが。

 このリンも奴隷として俺に従いますと言いながら、直ぐには俺の指示や命令に従わなかった。

 例えば、こんな感じだったよ。


「とりあえず、リンの服を買いに行こうか。」

「いえ、必要ありません。奴隷には過ぎた配慮です。」

「リンだってそんなボロは嫌だろう?」

「私は奴隷です。ご主人様であるゼロ様が気にする必要はありません。」

「いや、俺が困るから買う。これは命令な!」

「……はい。ゼロ様に従います。」


 この時に、ある程度の衣類や日用品を揃えたなぁ。

 でも、値段を聞いてリンは戻そうとするし。

 他にも……


「リン、お腹空いたから食事にしよう。」

「はい。」

「……リン。何故、俺の後ろに立つ?」

「ゼロ様。私の食事は今日の寝る前か明日の朝にパンの1つでも頂けたらそれで充分です。」

「俺は1人だけで食べるつもりは無いからな。」

「分かりました。」

「……それで、何故、俺の足下で正座?」

「ゼロ様の温情で食堂の奴隷食を頂けるので。」


 因みに「奴隷食」とは、その食堂で廃棄する予定の食材をどろどろに煮込んだだけのモノで、宿屋の料理担当が奴隷に理解があれば、多少の味付けをしている。

 余った奴隷食は、基本的に孤児院(・・・)に寄付されるが、そんなんでも孤児院は受け入れるのだから、世知辛いよな。


「……リン。」

「はい。」

「リンは読み書き出来るか?」

「はい。」

「ならば、命令だ。椅子に普通(・・)に座り、俺と同じ価格の物かそれ以上の価格の物を自分で選ぶ様に。」

「ゼロ様。奴隷という者は……」

「リン、命令だ。」

「……はい。」


 リンがこういう態度と考えだから、当然、宿屋では……


「リン。宿屋に帰る。」

「はい。」

「宿屋に到着したけど、同じ部屋でも良いか?」

「そんなのは駄目です。」

「そうだよなぁ。でも、流石に2部屋取るのは、ちょっとキツいんだよなぁ。」

「いえ。私は宿の馬屋で充分です。」

「……リン。」

「はい。」

「2人部屋に変更する。拒否権は無い!」

「……畏まりました。」


 勿論、部屋には浴室が無いから、お湯で身体を拭くのだが、此処でもリンが奴隷としての「口答え」をする。


「ゼロ様。何処に行かれますか?」

「先にリンが身体を拭きなよ。外で待っているから。」

「ゼロ様。奴隷という……」

「リン、命令。」

「はい。……畏まりました。」


 そんなんだから、後は寝るだけになったら、説教と言うか説得を始めた。


「リンは、奴隷としての教育はきちんと施されている様だな。」

「はい。生き残るには必要な事でしたので。」

「それなら、当然、ご主人様の命令に従うという事も学んでいるよな?」

「はい。」

「次に奴隷に対して『犯罪行為をやれ。』等の禁止事項以外の命令に従うという事も学んでいるよな?」

「はい。」

「最後に、禁止事項に抵触しない場合は、奴隷としての教育内容とご主人様の命令は、どちらが『上位』だ?」

「ご主人様の命令が『上位』です。」

「では、リンに命令する。」

「はい。」

「俺が『命令』を出さない限り、リンの立場は俺の仲間として考え、行動する様に。」

「ゼロ様。それでは奴隷……」

「リン。忘れたのか?」

「……はい。ゼロ様の『命令』に従います。」

「では、リンに質問だ。リンはこの部屋の何処で寝るべきだと思う?」

「はい。それは床……」

「んん!?」

「いえ。ゼロ様が使わないもう1つのベッドです。」

「正解。」

「……ゼロ様。」

「生き残る為に覚えた事から逸脱(いつだつ)するだろうけど、これが俺の考えだから、受け入れて欲しい。」

「分かりました。」

「リン。言葉使いももっと楽にすれば良いよ。」

「こればかりは、ゼロ様のお願いでも従えません。」

「……分かったよ。リンの自由にすれば良いよ。」

「はい。ありがとうございます。」


 この後、軽い雑談して就寝した。

 ……途中、爆弾を投下されたけど。

 因みに爆弾とは、リンは奴隷としての性教育を受けておらず、そして、今までに性経験は無いらしい。

 ……いや、俺からは聞いて無いからな。



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