浄財を奮発しなさいよ。
イベントが主人公の前に回り込んだ。
主人公はイベントからは逃げれない。
婚約披露宴も無事に終わり、結局、もう2日領主館のお世話になったので、お礼にと、4人の稽古をつけた。
4人はもう少し実績を積めば、雇用の上下関係に縛られるが、以前の様に一緒に居られるらしい。
まあ、頑張れ。
後、エレザード夫人とのちょっとしたお願いは、カヌアールさんとこのギールカ商会と繋がりを持って欲しいとお願いした。
後、現金のお礼「金貨10枚」も貰ったよ。
それから、以前使った宿屋は何故か満杯で違う宿屋を探したんだが、運命の悪戯か神々の遊戯に巻き込まれたのか、ティア達が泊まっている宿屋しか無かった。
真剣に武具が出来るまで、違う所に行こうかと考えたのだが、心が移動を拒否した。
結局、キサラの「バレなきゃいいのよ。」を言い訳にして、この宿屋にした。
朝食、夕食は部屋に持って来て貰い、ティア達との接触を避け、時間一杯、東西南北の森で狩りをした。
ある日に、俺はふと思った。
マジで女神が俺の運命を弄ったんじゃないかと。
……俺は一か八か、神殿に行く事にした。
因みに、街以上が神殿で、町以下が教会になる。
(まあ、大聖女は居ないだろう。)
(そうなのか、ゼロ。)
(ああ、今、学園都市には大聖女ティリスが居るし、馬車で2日程度の距離に大聖女ティマが居るからな。)
(だから、大丈夫という事か。)
(そうだ。ただ、もし、これから行く神殿で聖女が居て出会ったら大変だけどな。)
(ゼロ。オレに散々、フラグが~、と言いながら、ゼロもフラグを立てていないか?)
(はっ!? そうだった。)
(どうする?)
(早口で適当な事を言って捲し上げて、脅迫紛いの言い方で聖女の間に案内して貰い、手紙を渡す。)
(無理するな~。)
(んな事、言っても、聖女達から見れば、俺は侯爵級以上の悪魔だぞ。)
(……そうだったな。)
ライオスと念話している間に神殿に到着した。
俺達は神殿に入ると列が1つ出来ていた。
何の列かを聞いてみると、聖女様からの癒しや治療を求める人達の列らしい。
つまり、神殿には聖女が居るが動けない訳だ。
計画通り!
いえ、嘘です、ごめんなさい。
黒いノートに俺の名前を書かないで~!
(ゼロ。遊んでないで、此処に来た理由は何だ?)
ラノベとかだと、神殿とか教会に行けば女神様に会えるんだよなぁ。
「ゼロ様、何故、危険を侵してまで神殿に?」
「学園都市を出てから、彼女達との出会いが重なっているだろ?」
「……はい。」
「もしかしたら、女神様が俺の運命を弄っているじゃないかと、聞きに来たんだ。」
「……確かに。」
「でも、ゼロ。だからといって、神殿に来たから女神に会える訳ないじゃん。」
「分かっている。物は試しだ。」
リンとキサラは俺の考えに呆れながらも付いて来てくれた。
神殿で、作法に倣い祈りを捧げると、高速エレベーターに乗った様な浮遊感を味わうと、気がつけば白い空間に居た。
「うわ!? 本当に来れた!」
「テンプレって言うんでしょうから、本題を言うわ。」
「何か、酷い!」
「冤罪。そして、貴方の運命は貴方の物です。貴方の思うがままに生きなさい。」
「……はぁ!?」
「……以上よ。浄財を奮発しなさいよ。」
「最後の言葉で台無しだ!」
この後、意識を一瞬失うと、リンが俺を揺さぶっていた。
「ゼロ様、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫だ。」
「良かったです。」
「女神からのご要望だ。浄財を渡したら逃げるぞ。」
「はい。」
「分かったわ。」
俺は若い女神官に金貨1枚のお布施を渡して、さっさと神殿から脱出した。
若い女神官はお布施の内容が金貨1枚だと知り、人生経験が少ない所為か半分パニックになっていたが、「何も望んでいないので失礼します。」と言って逃げた。
……が、若い女神官は真面目な顔で神殿騎士を3名引き連れて向かって来ている。
結局、こうなるのかよ!
「待ってくださ~い! そこの人達~!」
急な運動に因る疲労からか、女性として見せてはいけない顔をして口から虹を流している若い女神官と、汗一粒すら流す事なく涼しい顔で俺達を見ている神殿騎士達が俺達に追い付いた。
「……ち、ちょっ、ちょっと待っ、てく、だ、さい。」
「それでは、彼女の息が整うまで私達が説明しましょう。」
「……はあ。」
「真摯な気持ちでお祈りをした後、浄財を金貨1枚も出したそうで。ちょうど休憩中の聖女様にお話した所、直接会って感謝の言葉を伝えたいそうです。」
復活した若い女神官が最後の決め台詞を言った。
「来て頂きますね?」
「……はい。」
「それでは行きましょう。」
「ちょっとお願いが有るのですが、良いでしょうか?」
「何でしょうか?」
「聖女の間で聖女様にお会いしたいのです。」
「何故、聖女の間の事を?」
「以前、他の聖女様に個人的に面識を持った時に教えて頂いたのです。それで、無理でしょうか?」
「……無理では無いですが、聖女様にお伺いしなければなりません。」
「お願いします。」
「分かりました。私が先行して確認を取りましょう。」
「ありがとうございます。」
お礼を言うと爽やかな笑顔で神殿騎士の1人が先に神殿に向かった。
「それで個人的に面識を持った聖女様はどなたですか?」
「学園都市の聖女リリー様です。」
「まあぁ。聖女リリー様と云えば、大聖女候補としても有名な方ですし、神殿に居る女性が憧れている聖女様の1人なんですよ!」
「そうなのですか。」
暫く話しながら向かって行くと、神殿入り口で先程の神殿騎士が待っていた。
「聖女リディア様が聖女の間でお会いになるそうです。」
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