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魔力を少しずつ解放しただけ。

初日から呼び出しくらう主人公。

「………………」

 こうして、最初の授業が済んだのだが、何故、学園長に引き続きクラーチェ先生からも圧迫面接(おもたいくうき)を受けなければならないんだ?


「時間もそれほど有るという訳ではないので単刀直入に聞きたいのですが。」

「何をでしょうか?」

「ゼロさん。貴方は誰に槍を教わりましたか?」

「……」


 誰にと言われたら母親のセレシアだが、バカ正直に答える訳にはいかないしなぁ。


「何故、そんな事を?」

「ゼロさんの槍捌きは、私の親友に似ているからです。」

「因みに、その親友とは?」

「セレシア=フォン=ウィンザードよ。結婚して辺境伯領に居るわ。」

「残念ながら、その様な方との面識は有りませんし、そもそも、冒険者にそういう事を聞くのはマナー違反ですよ。」

「それは分かっているわ。でも、セレシアの息子が伝染病で亡くなってなければ、ゼロさんと同じ年で、私が教える筈だったのよ。そんな中で、彼女を思い出させる貴方が現れたから仕方ないわ。」

「そうですか。しかし、そのセレシアという方とは繋がりはありません。」

「……そうよね。ごめんなさい。つまらない事に時間を取らせて。」

「いえ。別に良いです。」

「ゼロさん。今日の仕事は終了です。明日も今日と同じ時間に来てください。」

「分かった。」

「それと、この後、学園内を移動するのは自由ですが、問題を起こさない様にお願いします。」

「分かりました。」

「以上です。」

「クラーチェ先生、失礼します。」


 何とか躱しきったー!


(大変だな。)

(まあな。この学園に来る事になって、その可能性も考えていたからな。)

(そうか。じゃあ、()も頑張れよ。)


「フェリシア様の使いで参りました。ご同行をお願いいたします。」

「分かった。」


 ライオスと念話で話していたら、誰か来たなと思ったら、フェリシアの使いだった。

 ……待っていたのかな?


 案内された場所は、流石は貴族が通う学園。

 宝飾品をきちんと揃えた豪華なサロンに通された。


「お待ちしておりましたわ、講師ゼロ様。」

「お待たせしました。」

「ヒイロ様は紅茶でよろしいかしら?」

「ええ。紅茶で……」

「……やはり。」


 うわぁー!

 こんな初歩にヤられたー!

 案内した人がまだ部屋に居るから油断したわー!


「流石にそれなりに変わってはおりますが、私は命の恩人の顔を忘れる様な薄情者ではありませんわ。勿論、そこに居る人物は私専属の侍女ですから、お父様からの勅命でなければ漏らしたりしませんわ。」

「全く。俺の顔を見ていた時間なんて、合計で1時間にも満たないのにな。」

「王族ならば、人の名前と顔を覚えるのは当然ですわよ。特に親友の婚約者なればね。」

「負けたよ。何が知りたい?」

「全てを!」


 とりあえず、当たり障りのない様に説明した。

 出現した悪魔を命からがらに倒したが、一瞬の油断から呪いを受け、それが原因で悪魔を引き寄せ、ティアや家族を巻き込む可能性が有る為に病死扱いにした、と。

 それと、あの時の友人2人には俺の事を秘密にして欲しいとお願いして了承を貰った。


「それで、何故、この学園の講師に? それに後ろのお二人に反応が無いという事はご存じなのですね?」

「ああ。リンやキサラは承知の上で付いて来てくれている。」

「それで、何故、この学園に?」


 俺は大聖女ティリスと聖女リリーの証明書を渡す。


「コレは、何ですの?」

「読めば分かるよ。」


 証明書を読んだフェリシアは、王族の仮面を剥いで、青くなり冷や汗を流した。

 証明書を返して貰い、それを仕舞い、右腕の包帯を外して見せる。


「この呪いの証は思った以上に強力みたいで、聖女以上には分かるらしい。」


 俺は右腕に包帯を巻く。


「そして、此処の学園長は過去に何をしていた?」

「……そういう事でしたの。」

「どうも、聖女以上には、コレは脅威みたいで、一悶着有ったが誤解は解けたけど……」

「学園長に勧誘されたと。」

「そういう事。」

「今までのを聞いた以上は更に重要度が増した質問がありますわ。」

「何でしょうか?」

「シンティアは知ってますの?」

「教える訳が無いだろう!」

「でも……」

「悪魔に命が狙われる人生を大切で好きな子に歩け、と?」

「それは……」

「理解したなら、他言無用でお願いします。勿論、その親友にもね、第3王女フェリシア殿下。」

「……分かりましたわ。」


 何とか纏まったわー!


「話は終わった様ですね。それでは退じ……」

「待ちなさい。まだ話はありますわ。」

「どんな事でしょうか?」

「此方の方はオマケみたいなモノですが、私個人としては無視出来ない内容ですわ。」

「それは?」

「先程の模擬戦についてですわ!」

「あー。」

「なんですの、あの手抜きに、手加減は!」

「まあ、教える側だし、華を持たせようかと。」

「納得出来ませんわ!」

「しかしですね……」

「しかしもかかしもありませんわ!」

「……はあ。分かりました。」

「それでは……」

「まあ、待ってください。」

「なんですの?」

「これからある事をしますから、立っていられたら、其方の要望を可能な限り叶えますが、その逆なら、諦めてください。」

「……分かりましたわ。」

「それでは……」


 俺は魔力漏れとかを封じる結界を張る。

 コレをしないと大事になるからなぁ。

 そして、抑え込んでいた魔力を少しずつ解放していく。


「くっ……」


 結構、頑張っているな。

 更に解放していく。


「……無理ですわ。」


 はい、終了~。

 フェリシアは、頑張った所為(せい)か、顔は紅潮して、大量の汗を流し、肩で息をしているが、絵面的には、彼女の家族には見せられない感じになっている。

 そして、御御足(おみあし)が露出しているが、奥の秘匿された布地は見えない。


「……なんて、凄まじい『威圧』ですの。」

「いや。コレは『威圧』じゃなくて、単純に魔力を少しずつ解放しただけ。」

「……え?」


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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