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第5話【強面の巨漢と厳しい罰】

「ちょっとユフィーリア、気絶なんて聞いてないんだけど!?」


「鼻血が止まらないのですが、これ大丈夫なんですか?」


「大丈夫じゃないね、このままだと出血多量で問題児は仲良く冥府行きだよ!! だって従僕サーヴァント契約を結んでいるからね!!」



 エドワードとアイゼルネは、マグマの上に浮かぶ檻に閉じ込められた状態で放置されていた。


 檻はグローリアの手によって動かされていたのだが、今ではすっかり大人しくなってしまっている。それでもマグマの上に浮かんでいるのは、まだ彼の制御下から外れていないのだろう。制御下から外れていれば瞬く間にマグマへ沈められてしまう。何の抵抗も出来ずに骨まで溶かされるのがオチだ。

 揺さぶられない状況であれば逃げ出すことは可能である。浮かぶ檻から飛び降りればマグマなど簡単に飛び越えることが出来るだろう。エドワードの剛腕なら鉄格子を歪めることなど容易い。


 頑丈な鉄格子に手をかけるエドワードだが、



「わあ!?」


「きゃッ♪」



 鉄格子を掴んだ手を掠めるように、騎士槍ランスの穂先が突き出される。


 騎士槍を握っていたのは、同じ用務員のハルアだ。琥珀色の双眸で檻に閉じ込められたエドワードとアイゼルネを見上げており、見慣れた狂気的な笑みを浮かべている。

 罰を受けるユフィーリア、エドワード、アイゼルネの3人やユフィーリアのお仕置きに専念するショウとは違ってまだ何も加担していない人物である。エドワードとアイゼルネが学院長の手によって揺さぶられている時でも、彼は助けることすらせずに檻を見つめていただけだ。


 エドワードはハルアを睨みつけると、



「ハルちゃん、何すんのぉ!?」


「酷いわヨ♪」



 アイゼルネも揃ってハルアを責めるが、彼は「ダメだよ!!」と口にしただけだった。



「エドとアイゼもちゃんと反省しようね!!」



 そう言うが早か、ハルアは持っていた騎士槍を振り上げる。

 何をするかと思えば、槍の穂先でエドワードとアイゼルネが閉じ込められた檻をガンガンと叩き始めたのだ。金属がぶん殴られる耳障りな音が響き渡り、殴られた衝撃で僅かに檻が振動する。


 いっそ左右に揺さぶられる方がまだマシだったと言える恐怖心が襲いかかってくる。味方だとこれ以上なく心強いが、暴走機関車野郎と名高い彼が敵に回ると怖すぎる。



「いやああああああああ止めてハルちゃあああああああああんんん!?」


「勘弁しテ♪」


「ちゃんと反省して!!」



 ガンガンと檻を叩かれ続けるエドワードとアイゼルネは、あまりの恐怖心から情けなく悲鳴を上げるのだった。



 ――こうして問題児の酔っ払い共には厳しい罰が与えられた。

《登場人物》


【エドワード】脱走を図ろうとしたら暴走機関車野郎に襲撃されて逃げ出せなかった。この頭のネジがぶっ飛んだ野郎だけは逆鱗に触れないでおこうと心に決めた。

【アイゼルネ】ハルアを怒らせることなんてないからガンガン檻を叩かれて涙目。もう記憶をなくすまで酔うのは懲り懲り。

【ハルア】まだ刑罰執行中なのに逃げ出そうとするのはよくないよね!

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