小話 後日談
─後日─
「お疲れ様です、『闇鍋パーティー』さん! 素晴らしい活躍でしたね!」
「そう言ってくれるのは有り難いが、闇鍋パーティーは余分だ」
「もう拭えませんねこれ。業績とか個人名よりも有名になってませんか?」
受付嬢さんにまで、蔑称が浸透してきてしまった。彼女にからしては尊称扱いなのだろうが……。
「で、特別枠の報酬とかあるよな? 私らは危険を冒してまで地雷を設置したんだぞ? 割に合う報酬がないんだったら、勿論訴訟するからな」
「お前訴訟大好きだな」
「え……と、ギルドマスターも仰っていたように、過去の不祥事を帳消しにする代わりなので……報酬には含まれませんよ」
「はい訴訟」
「黙ろうかアイシャ」
どこまでも強欲というか、傲慢というか……彼女は恥を知らないのか。
受付に集るのをやめ、集会所でご飯を食べることに。
「よっしゃ相棒、打ち上げと行こうか!」
「昨日もやったけどな?」
「まあいいじゃないですか、こういう贅沢三昧だって、時には必要ですよ!」
「そうだけど……今回、報酬金ゼロだからな? そこだけは踏まえて欲しいんだが……」
そう、報酬金は一ジルもない。今回の迎撃戦は、命懸けのボランティアみたいなもんだ。報酬は達成感、ということ。
通りすがりの業務員さんに注文をし、雑談に戻る。
「にしても……なんでドラゴンが現れたんだ? 実在すること自体に驚いたんだけどさ。アイシャ、なんか分かる?」
「後輩、流石の私でもドラゴンは専門外だぞ? 人前に現れるこよなんて異例だし、何処を住み家としてるのかすら白紙のまんま。真相はドラゴンのみぞ知るってね」
料理が運ばれてきた。この業務員さんは一人で四皿持ってきた。お盆無しで。凄い。
「……? っつーことはよ、オレらがドラゴンって奴を討伐したら、全世界から賞賛されるってことか!」
「全世界から批判されるわバカタレ。ドラゴンは生きた化石っていう説もあるし、絶滅危惧種っていう説もある。研究ならまだしも、討伐したらどうなるかわかったもんじゃない」
「アイシャが……野蛮じゃないだと……?」
「張り倒すぞ後輩」
一文喋ると、料理を口に運ぶ。それを繰り返しているだけで楽しい。
「……そういえば、店主さんの気分はまだ優れないのですか? あれから顔色が悪いのですが……」
「あのエルフはな、最愛の兵器を亡くしたんだと。あんなに大事なのに床下に保管してる所とか、戦線に持ってくることに疑問を感じるが」
「てことは、体調不良ではないのですね。一安心です」
『大地』を退けたことは無かったかのような集会所内。相も変わらず騒がしい集会所内。
そんな集会所にいるだけで、気分が高揚してくる。
─集会所本部─
「……なんだってゲイル? 外来種に新種?」
「ケイルです。今まで潜んでいたのか、『大地』が大海へ帰った後に外来種や未確認生物の情報が相次ぐようになりました」
「そうか……いやでも、たったそれだけのことで外来種とか新種とかって、現れるもんなの?」
「それが不明瞭な点です。これから調査が進むようですが」
「……なあゲ」
「ケイル」
「ケイルよ。『闇鍋パーティー』はご存知かね?」
「はい。凡才のロイン、冷徹のアイシャ、多才のセリス、鬼人のロンゴが結成するパーティーですね」
「その通り。……彼らに任せてみないかね? 彼らを未知の世界に送り出すと、面白いことが起こりそうだ」
これにて第一部、完結です。
第二部は書き溜めをしてから投稿し、再連載させます。
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