表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

赤蜻蛉

作者: きたさん

市民の暴動の鎮圧に向かっていた第2部隊が帰還したとの報告があった

新しい王に変わって1ヶ月、その革命的とも言える手腕は度々市民を混乱させていた

その鎮圧にあたっているのは我らADULOの精鋭部隊である第1•2部隊である

中でも第2部隊は市民からの信頼も厚く、隊長のリュミエール•T•エネミは日々市民の不満に全力で向かっていた

そんなリュミエールの帰還を心から待ち望んでいた人物が、知らせを受けて全力で廊下を駆けていた


「っリュミエール様ぁ!!」

鷲色の美しい髪を乱しながらも懸命に駆ける少女の名はラベェンデル•K•リーベ

第2部隊の新人隊士であり、No.2の実力者である

しかし、そんなラベェンデルは前回の鎮圧の際に暴動に興奮した市民の反抗により右腕を負傷していた

左腰に下げた太刀も利き腕が使えなければ意味も無い

仕方なく今回の鎮圧には参加出来なかったラベェンデルだったが、負傷した事よりも心から尊敬する隊長の背中を自分が守れない事の方が気に病んでいた

一刻も早く無事な姿をこの目で確かめたい


「(報告では隊長は今回も無傷だと言っていたけど……)」

辿り着いた門で息を整えていると、奥の城門がゆっくりと開いた


「「「「おかえりなさいませ!!リュミエール様!!」」」」

銀の鎧を纏わせた馬の列がゆっくりと城門をくぐる

その先頭に一際大きい防具に身を包んだ大馬に跨るサファイア色の髪の騎士がいた


「リュミエール様……」

騎士はそのまま城に入るかと思いきや、ラベェンデルに気がつくと後ろの兵士に耳打ちし、こちらに向かってくる


「ただいま、リーベ」


美しく笑うその人を見て、ラベェンデルは泣きたい気持ちになった

「(ああ、神様…)」

サファイア色の騎士が右の頬に手を添えた

この感触を一生、忘れないで置こうと決め、ゆっくり目を閉じた

耳に飾られたリボンのピアスが太陽の光でピンク色に煌めいた───



────齢戦開始まで半年────


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ