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人生はそんなに上手くいかないし何が本当の幸せなのかは分かりにくい。そんな話。

作者: 古徳 なつき

あるところに口数の少ない小さな女の子がおりました。

女の子は自分が思っていることを上手く人に話せません。


お隣の家には女の子と反対におしゃべりな男の子。

こちらは喋り出すと止まりません。

話さなくて良いないしょ話でさえ全部話してしまいます。


正反対の二人は大きくなってやがて結婚して可愛い子どもも沢山できました。


母親になった女の子と

父親になった男の子は

たいそう真面目だったのでそれぞれ家事に子育てに仕事にと励みました。

子どもたちも少しの病気や怪我やありましたが

すくすくと大きくなっていきました。


ある日のことです。二人にとある大金が手に入りました。

父親になった男の子は

「あなたが大変真面目で信心深いからだ」

と言い

母親になった女の子は

「あなたが真面目に一生懸命働くから幸運に恵まれたのです」

と言いました。


二人はまた家事に仕事に育児にと励みます。

子どもたちはすくすくと大きくなり巣立って行きました。



ある日のことです。

女の子は起き上がれなくなりました。

男の子は嘆き悲しみ一生懸命看病します。

子どもたちも駆けつけました。


女の子はポロポロ涙を流します。

男の子は女の子の病を治してくれるお医者さんを探しました。

病気にはお金が掛かります。

そして男の子は大金が全部なくなっていることに気がつきました。


「ごめんなさいあのお金は全部使ってしまいました」

「どうして?」

だって淋しかったんですもの、女の子は一言呟き息を引き取りました。

残された男の子はおいおい泣きました。

子どもたちもポロポロと涙をこぼし、泣きました。


やがて女の子の小さな葬式が行われ

来る人来る人彼女の死を嘆き悲しみ

良い人だったと泣きました。

それを聞いて男の子と子どもたちはもっともっと泣きました。


彼女の墓には花が絶えることなく

男の子と子どもたちは来る日も来る日も女の子の話しをして

末永く仲良く暮らしたそうです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 大金を何に使ったのか気になりますね 謎のまま終わらせる事に意味があるのでしょうか? 恵まれ無い人たちの為に寄附したのか あるいは、、、 やっぱり気になりますね
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