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昼間に狂ったのは殺戮者

作者: 皇帝の宿命

狂気シリーズ第三弾…見ないと口に…。

『狂乱宗教』で、巫女がガトリング砲で殉教者達を一掃し終えた後、一人の男に任が与えられた。













〜アメジスト国領土『第三十八自治区』〜


第三十八自治区で轟音が響き渡る、その轟音は途絶えることがない。


第852師団の戦車部隊からの連絡が次々と途絶え、最終的には海にいる旗艦から煙が上がり、撃沈された。


この時、残っていたのは第852師団所属第24戦車中隊と同じく第852師団所属第36歩兵大隊だった。


両方とも損害は軽微だった…他の部隊もそうだ。しかし、今は違う…味方部隊との連絡は途絶え、海では次々と水柱や爆音が聞こえる。こちらには、ほとんどの戦力はない…味方艦隊は全滅しかけているだろう。

負けは認めるが…


「敵の顔を見れないで負けれるか!」


意気込んだのは、第24戦車中隊の中隊長のオリマー中尉だった。

オリマー中尉は根っからの軍人気質でアメジスト国に忠誠を誓っている軍人である。理由はもう一つあるのだ、アメジスト国は世界最強の軍事力を持つ世界屈指の軍事国家で負けは認めたくない…だがしかし部下の命も大事だ。


オリマー中尉は一緒にいる第36歩兵大隊の大隊長のジェルマン少佐に今味方艦隊を攻撃している敵を見に行き、可能であれば撃破したいと連絡を入れた。ジェルマン少佐は二つ返事で答えてくれた。


こうして、第24戦車中隊と第36歩兵大隊は第852師団艦隊に援護に向った。


その頃、第852師団艦隊は劣勢に追い込まれていた。旗艦は潰され、味方の駆逐艦、空母、強行揚陸艦、護衛艦が次々と何者かの攻撃により沈んで逝く。当初は旗艦を沈められるという奇襲を受け、指揮系統が混乱したが第7623番駆逐艦『フロスト』艦長ハガリア少将の懸命な指揮により、指揮系統を立て直したが状況は変わらず沈められるばかりだった。

数隻の艦は攻撃がくる場所に砲撃などをしたが、敵の攻撃は止む事なく、逆にやられた。いくら、敵を探ろうとしても見つからない。

戦車や砲台などは一切見当たらず、ただ見えない敵に恐怖するばかりだ。

そして、先程まで艦隊の指揮をしていた第7623番艦『フロスト』が等々撃沈された。

近くにいた最後の一隻である護衛艦の乗組員が山手に光るモノが見えた気がすると艦長に知らせる。艦長は双眼鏡を持ち、山手を覗き絶句したのを見たが次に見たのが艦長の頭が吹き飛ぶ瞬間だった。


乗組員達は何が起きたのか分からないまま、敵の攻撃に耐えられなくなった艦ともに沈んだ。


最後の一隻が沈むと同時にオリマー中尉率いる戦車中隊と装甲車やバイクに乗って来た歩兵大隊が現場についた。


「最後の一隻…撃沈を確認、味方艦隊全滅を確認」


オリマー中尉が乗る戦車に乗っている通信兵が顔を絶望に染めながら言った。


全員が絶望している時でさえ、敵は容赦なかった。オリマー中尉車の隣りにいた戦車が突如爆散し、近くにいた歩兵も死亡した。狙撃…頭の中でその言葉浮かび上がる、敵が何処から狙撃をしている。


「全車後退しろ、歩兵隊にも伝えろ!」


後退しようとしたら、敵の攻撃目標が戦車隊から走って逃げてる歩兵へと変わる。多分撃っている弾は対戦車ライフルの弾だろう。哀れにも撃たれた兵士は無残にも体や頭が吹き飛んだ、中には足だけを撃たれ仲間を助けようとしたら、助ける前に目の前で頭が吹き飛ぶ様を見た瞬間にそれをみた兵士の頭を吹き飛ばされるなど、敵は冷酷無比に様々な方法で歩兵達を殺していた。


だが、まるで飽きたと言うように攻撃目標を戦車に変えた。さすがに黙って攻撃を受ける訳にもいかなく、戦車やロケット装備装甲車はお礼とばかりに次々と弾を撃つ。


爆炎が上がり、砂塵が渦巻く…と同時に敵の攻撃がぴったりと止んだ。誰もが殺ったかと安堵した瞬間…歩兵達の間に何かが通り過ぎるとオリマー中尉の戦車に風穴が空き爆散した。



砂塵の中から人影がゆっくりとゆっくりと確実に迫る…狂喜と共に。


「みィ〜つけた♪」


死ぬのは誰だい?

殺されるのは誰だい?

殺されたい奴はいるかい?

いるなら、いるなら…こっちにおいで。


不気味な歌声が人影から聞こえてくる、一人の兵士が手に持った軽機関銃の引き金を弾いた。銃弾は人影に向かって飛んだが、弾が人影に当たることはなかった。人影は一瞬で兵士の目と鼻の先に現れ、その姿を現した。黒い髪、黒っぽい茶色の目、黄色い肌…それは東洋でよく見掛ける…どこにもいそうな青年だった。ただ、狂喜の笑みを除いては。


軽機関銃を放った兵士は唖然していた…こいつは先程まで数メートル先の砂塵の中にいた、自分はそれに向かい引き金を弾いた。

東洋人の動きがスローモーションで少し少しづつ動くのが見える、握り拳を作ったのも見えた…。

突如現れた敵に驚くのは歩兵隊の副隊長だった、そして一人の兵士が敵の攻撃で頭が吹き飛ぶ瞬間を見た。



一人殺して〜二人殺す♪

二人殺して〜三人殺す♪

三人殺しては〜四人殺そう♪

何人殺す?後何人殺そうか?百人?千人?、まだまだ殺したいな♪


一人の東洋系の青年が何かの山の上に乗って、上機嫌に歌っていた。身体中を真っ赤に染め、誰かの頭をボールのように蹴りながら狂っていた…身体の一部分がない屍の山の上で狂い歌っていた。


殺そ、殺そ、殺そ!何人も殺そう!!

皆殺しだ…女も子供も老人も皆皆皆殺し〜♪


その青年の顔は少年の顔のように純粋無垢だったが、青年は確実に狂っている。狂喜の笑みを浮かべながら、紐引いたりしていた。紐の先には手榴弾がついたままのピンが結んであった。


手榴弾はガクガクと怯え泣いている生き残された兵士達の口の中で黒く輝いていた。彼らは思っているだろう、殺された方がマシだった…けど死にたくないと思っていただろう。

青年は飽きたと言い、紐を引っ張ろうとする…兵士達は必死に命乞いをするが残酷な青年には届かぬ声。

青年は紐を引っ張るのをやめるかのように見せ、兵士が安堵の溜め息を吐いた瞬間に紐を引っ張り、手榴弾のピンを抜いた。すると手榴弾は当たり前だが爆発し、頭が無残にも吹き飛ばされた。青年は笑った…狂喜に満ちる世界で笑った、楽しすぎて笑った。笑った笑った笑った笑った笑った笑った笑った笑った、狂った世界を狂った自分を笑った。


〜完〜

ごめんなさい。本当にごめんなさい。

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