蛇の道
正面に座る和明が置かれるカップをゆっくりと傾けた。
長期による長い話。思えば、和明がこうも真剣に独りで話しているところなどなかった。まぁ、今となってはその記憶すら曖昧で不確かなのだが‥。
「ふーっ。」
乾いた喉を潤すと一息。長い息を吐き出し、彼は後ろへもたれ掛かった。
「警察の話によると火事の原因は誘爆によるものだそうだ。一つの機械が爆発を起こし、それでその横。その横ってな。」
語る和明の声は寂しそうで、それでいて悔しそうな表情も混じっている。そう俺には見えた。
「警察は始め。誘爆を起こした起爆の原因は工場そのものの老朽によるもの。それとその工場内で製造されていたと思われる爆弾によるものと決定づけていた。まぁ、そこで言う爆弾。それは勿論、お前‥。優一が作っていた物ではなく、当時作られていた物‥。少なくとも警察はそう言っていたよ。」
何か物を挟んだ言い方だ。それが表情に出ていたのだろう。和明は後ろに下げていた背中を正し、机に頬杖を附く。
「そうだ。俺は違うと思う。それで物事が上手く進んでいたから何も言わなかったが俺はその起爆を引き起こしたであろう爆弾。それはお前‥。優一が作ったものだと考えている。」
「‥っ。」
そうだ。話の内容を聞くからにそうでなくてはおかしい。当時の俺の頭の良し、悪しなど知らない。だが、それでも俺は作ってしまった。それで何らかの形でソレを落としたか何かして爆発させた。
「‥自業自得だな。」
呟いた言葉は果たして声になっていたであろうか?それほどまでに小さく。くぐもった声だと自分でも思った。
「‥悪いな。優一。」
何故か和明は俺に謝る。今まで黙っていたこと。それとも騙していたこと。あの時、俺を一人でいさせたこと。謝罪の言葉の意味は何となくだが理解できた。が、その言葉に疑念を感じた。
「‥悪いも何も悪いのは俺だ。」
ボソリ。呟くような声音しか出せなかった。なんというか今は他人と話をしたいと思えなかったのだ。
それほどまでに語られた言葉が急すぎて。それほどまでに語られた言葉が衝撃すぎて。それほどまでに自分の事が心底嫌いになって。
「‥母さんと父さんは死んだんだな」
シン。と静まり返った席上にやはりドンよりとた声を呟かせる。何故そんな事を訊いたのかは分からない。だが、和明の話で一にダメージを受けたのがソレだった。
「‥あぁ。」
ゆっくりと和明の首が縦に動いた。
冗談や嘘でそんな事は言えない。ましてや和明という人物。そういう事は絶対に有り得ない。
が。ソレだけは嘘であって欲しかった。
「‥そうか。」
短く、小さく。俺も頷いた。今更、どうもできないし、反省。後悔したってしょうがない。
そんなの誰よりも俺自身、判っていた。
思えば不思議だったんだ。幼い頃。俺は何故だか祖父母の家にいた。一度だけ不思議に思い、祖父母に両親の事を訊ねた事があった。だが、両親は仕事が忙しいからと言いくるめられたような記憶がある。
まぁ、それはいい。よくはないだろうが納得はできたから。
だが、それからというもの俺は両親にただ一度も会っていないし、声も聞いていない。手紙さえ無し。たまに来る親戚も祖父母もその話題を露骨に避けていた節がある。
分かっていた。気付いていた。その筈なのだ。
だから、その事を和明から伝えられた直後、驚きはしたが動揺はしなかった。心の奥底で俺はそうだと思っていたのだろう。ただ、俺はその事実を認めたくなかっただけなのだ。
「‥じゃぁ、仕送りは?今、毎月のように送られる仕送りは誰がしてくれているんだ?おじいちゃん。おばあちゃん。二人はもういない‥」
和明にそんな事を聞いても仕方ないと思いつつもそんな事を訪ねている自分がいた。そして、まず始めにお金の事を気にする自分。そんな自分に呆れを通り越して絶望する。
「あぁ。それは国からだ。本来、書類書いたり、やら何やらしなきゃならねぇらしいがお前にその事実を気付かせないためにもそういうのは無しにしてもらった。それは役所の方も了承済みだ。」
「‥なるほど」
「・・・・・・。」
何か言いたげな顔ではあるが和明は何も言わない。普段、おちゃらけている奴でもさすがにこの雰囲気は苦手らしい。
いや、コイツがおちゃらけていたのは全て俺の為だったのだ。和明だけが全てを知っていたから。だから。気遣ってくれていたのだ。いい友人を持ったものだ。
心の底からそう思った。
と、思うと同時、涙が頬を蔦っていた。
「‥無理もねぇか。」
「あ‥いや‥」
何を思って和明がそう言ったのかは知らない。第一、俺自身も分からないでいた。この涙が何を意味するのか?
自分の精神は色んな意味でグチャグチャだった。
「‥うん。」
「え?」
柔らかな。そして温かな感触が手に伝わった。
何が?
そう思い、そこに顔を向けるとそこには何故か涙を流している桜木の姿があった。
そういえばコイツもここにいたんだったな?完全に忘れていた。
「‥僕も知っているよ。自分のせいで大切な人を喪った悲しみ。ゆうちゃんはソレを二回も味わったんだ。僕の比じゃない‥。でも、自分を責めないで。‥ゆうちゃんには僕と同じになって欲しくない。」
「‥あ、あ‥あぁ。」
二回‥?
そういえば自分は両親を亡くしてから数年後。また一人、大切な人を自らの手で失くしたのだ。頭が混乱していて過去が。記憶が。渦を巻くように廻っている。
自分は‥。
「‥あれ?」
「おい、優一!」
急に目眩がして視界がぐらついた。そんな俺を見越してか和明が大きな声を上げた。
だが、彼のそんな声は自分には届いていない。
自分はどうした?殺人鬼?犯罪者?爆弾を作った?両親を‥。好きだった人を‥。殺した。殺した。殺した。殺した。殺した‥
自分が分からない。自分は何だ?俺はそこまでして生きていたいのか?分からない。分からない。分からない‥
「‥あぁ。もう、何でもいいや。」
‥疲れた。
そう、崩壊した精神のせいと言い訳しながら何もかもから脱力。逃亡しようとした時。店内をもどよめかせる怒声とも思える声音が響き渡った。
「優一!!」
その声の主が一瞬、分からなかった。俺をそう呼ぶのはここでは目前の和明だけだ。だが、その彼も肩をビクつかせ、驚いた表情を見せている。
訳が分からないまま。それでもその主は俺に言葉を掛ける。
「‥君は僕のヒーローだよ。昔は‥。過去の君は正直、かっちゃんの話を聞いても上手く思い出せない。けど、川で溺れていたあの時、助けてくれたのは紛れもなく君じゃないか?今すぐソレを乗り越えてとは言わない。どうしても嫌だったら乗り越えなくてもいいんだ。僕も人の事を言えないしね。けど‐」
なおも涙を流すその人物は俺の机に乗せていた両手をギュッと握り締め直し、優しく。強くこう言う。
「逃げちゃ駄目だよ。」
「…ぁ」
反論しようとした。こんな過去。こんな自分。なおも続く人生。お前に何が分かる!お前なんかよりも俺の方がよっぽど‥。
そう言葉にしようとした。
だが、それでもそれを言葉に出すことはなかった。
見える顔が。桜木雲雀という人物の表情がそれほどまでに穏やかで、神々しかった。といえば大袈裟だ。だが、それでも何故か心の奥がじんわり。温かく感じた。
「あ‥あっ‥あぁ‥」
気付けば俺は机上。顔を伏せ、声を漏らしていた。そこにまた温かな感触が頭上に乗った。
その手に何を思ったのか?何を感じたのか?そんな事は自分でも分からなかった。
ただ、その手で俺のありとあらゆる感情のブレーキとなるものは外れた。
「あぁーーーーーーーーーー。」
ここがどこだか?目前に人がいる。そんな事、考えもしない。本能がままに感情をさらけ出す。叫ぶように泣き声を反響させる。
途中。何事かとウエイトレスさんが席に駆けつけてきたが二人が何かを言って立ち去らせた。
その日、俺は全てを知った。
それでどうするか?そんな事はまだ整理できない。自分が何であるかさえ分からなくなっていた。
窓外で嵐のように降り落ちる雨と同様、感情を落とす。それはやはり逃げの表しなのだろうと思う。桜木にはそう言われたけど。やはり、喪ったモノは大きくて。知った事実も計り知れないものだった。
立ち直り、これから先、何食わぬ顔で生きていける日がくるかどうかも曖昧だ。
‥ただ、それでも。
生きる事はしようと思った。大切なモノ。まだ、俺にはそれがあった。‥また作ってしまったのだから。
忘れ去られた蛇の道は急遽、目の前に現れ、俺の道を足の踏み場もないほどに崩した。そして、その先にあるモノすら謎である。吉か凶か。神のみぞ知る終着点。
少しばかり近付けたと思った青春の花道はそんな期待すら思わせない、最低最悪な真っ暗な道へと変わってしまった。
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「落ち着いたか?」
まずはじめに届いたのはそんな聞き慣れた優しい声音。気を利かせてくれてか、コーヒーのおかわりまでしてくれていた。
「‥あぁ。」
差し出してくれた温かなコーヒーカップを受け取り、それをチビリ。喉に通した。
「まぁ、以上が俺の知っている範囲でのお前の事だ。時期がくれば話すつもりだったし、話さないつもりでもいた。‥そうなると分かっていたからな。」
「‥あぁ。」
来店し、頼んだ料理を口にしていた時とは打って変わって和明の表情。声音は暗い。和明とて、本当はあのままの関係であった方を望んでいたのだ。騙そうが何だろうが知らなくてもいい真実というのは必ず存在する。
「‥気にするな。すっきりしたのは確かだし、桜木が俺の事を覚えていなかった。俺が桜木の事を覚えていなかった。その件に関しての問題は解決したわけだし。」
「‥あ、あぁ。」
頷く彼だがやはり、その顔はいつものものではない。
「そ、そうだよ。僕も納得したし。小学校の頃、僕はゆうちゃんとあまり関わっていなかった。それに性格もほぼ別人だったから気付けなかった。覚えていなかった。そうでしょう?」
「あ、あぁ。だろうな。」
やはり、上の空。和明は責任感が強い男だったのだ。そんな事実を改めて知った。そんな責任など彼が背負うべきものではないのにだ。
「‥あ、あのな。」
冷静とは言えないが大分、落ち着いた。感情を余すことなくさらけ出したからだろう。本来の俺なら絶対にしないことをした。それに恥すら感じていないのはやはり異常とも思えたが今はいい。
そんなことより、和明にそんな様子を見せられてはまた胸に感じるものができてしまう。自分のせいで友人に迷惑を掛けた。そして未だそれは継続しているという罪悪感。それがひしひしと胸にくる。
と、そう顔を歪め始めた時。
「お待たせしました。こちらフルーツパフェになります。」
「おぉー。待ってました。」
これまで心ここにあらずといった状態の和明は餌を投げられた魚のように飛び起きた。
「か‥かずあき?」
そんな彼が謎すぎて引き吊った笑みで言葉を伝える。
「ん?どした?お前も食べたかったか?まぁ、疲れた時は甘い物が一番だかんな。」
いつも通り。明るく、馬鹿っぽいキャラの彼は切られたリンゴだろうか?を口に咥えながらそう答える。
「まさか?かっちゃん‥長話して疲れてただけ?」
同じく同じ事を思ったと思われる桜木が呆れたような声を出した。
「んにゃ?そうだが?」
彼は何をそんな?と、言いたそうな顔できょとんとした表情を俺達二人へ見せる。だから、俺は。桜木もだろう。いい意味で調子が狂った。暗く、どんよりとした雰囲気が軽いものとなる。
「んだよ。少しだけ心配しただろ?ったくよぉ。」
「そうだよ。かっちゃん。」
俺と桜木は共に口を尖らせる。そこに来店時に流れていた微妙な感じはなかった。
和明がどこまで計算していたのかはそれこそ本人に聞かなければ分からないが、凄い奴だと素直に尊敬している自分がいた。
それと同時。やはりコイツは良い奴だと改めて嬉しく思えた。
「それより、始めにも言った。英智の件に関してはノープランだ。協力はするが俺では大した力にはなれねぇだろう。」
「そんなことは‥」
桜木が言い掛けた言葉を手で制止、和明は首を振るう。
「事は警察でも手を焼くほどの事件になっている。ましてやアイツは嘘かほんとかはさて置き、人を自らの意思で殺している。昔のアイツはそんな事は絶対にするような奴ではなかった。なのに‥。」
苦しそうな表情の元、和明は奥歯を噛み締める。
「アイツは昔のアイツとは絶対に違う。正直、怖い。だが、優一。」
「?」
「あの時、俺はお前を見捨てるような事をした。今度はそうはしたくねぇ。だから、俺から頼む。手を貸してくれ。」
表情は真剣そのもの。パフェを食べる動作も止め、手を差し出す彼の心境は理解できた。
それでもその手を安々と握れない。今の俺は少なくとも揺らいでいた。精神がズタボロの自分に。英智‥。他人の事に構っていられる余裕は無いと思えたから。
「駄目だよ。」
そんな俺の心を見透かし、桜木がゆっくりとした動作で首を横に振った。彼の言う意味。きっと彼はここで逃げては後悔する。また喪うと、そう言っているのだ。
「‥分かった。」
正直、不安だ。説得できる自信なんて一パーセントもない。一度、失敗している事実もある。それでも俺に選択肢などなかった。
「ありがとう。」
にへら。
笑う和明の顔を直視できなかった。
と、そんな時。タイミングがいいのか悪いのか。ズボンのポケットに入れていた携帯が激しく振動した。
「‥あっ。悪い。」
断りの言葉を一つ入れ、俺はズボンに忍ばせていた携帯電話を取り出す。
んだ。メールか。
メールならば別段、急ぎの用事でもあるまい。そう思い、和明の方へ顔を向かい直そうとした。
が、さっきの話の続きもしたいとは思えない。大したモノではないと予想しながらも端末画面をタップしてメールを開いた。
「ん?見たことないアドレスだな?」
迷惑メールだろうか?
との思いを内に呟かせ、開いた文面に目を通す。
『桜木家の地下室に来たるべし。』
「‥なんだこれ?」
思わず声を出していた。
「ん?どうしたの?」
そんな声を拾った桜木が不審に思ったのだろう。体を前に突き出す形で俺の携帯画面を覗き込んできた。
「うおっ!いきなりなんだ?プライバシーの侵害だぞ!」
「あっ‥ごめん。」
「あー。冗談だ。冗談。俺の携帯にそんなやましいものはねぇし、価値あるものもねぇよ。」
ショボンと俯く桜木にすかさずフォローの言葉を入れてやる。実際、悪いのは桜木なんですけど、この光景をみれば悪いのは俺と勘違いされそうだ。
「‥うん。で、なんだったの?」
「うんってお前‥。」
まぁ、俺がそう言ったのだから別にいいんですがね。もうちょっと、言葉が欲しかった。
「そんなことないよ~。」
みたいな言葉が正直、欲しかった。
「まぁ、話が終わりってんなら桜木?お前の家に行く用事ができた。」
「ん?」
首を傾げる桜木。だが、俺とて何も知らされていないのだ。説明などできない。
「あ?あぁー。話は以上だな。そういうことなら桜木さんはお前が送ってってやれ。あっ、変な気だけは起こすなよ?友人に犯罪者二人とかマジで笑えないからな。」
「起こすか。そんな気‥」
ったく。どいつもこいつも。 俺にそんな趣味はねぇよ。
「はは。俺はもう少しここにいるわ。実は学校で出された課題。まだやってねぇんだよ。ここでやってくわ。」
「お、おぉ。」
そう言って和明はショルダーバックの中身から一式。教科書やら筆記用具やらを机上に広げ出した。そんな物を持ってきていたとは‥。
始め、料理に集中していたのと。桜木に目を奪われていたのとで気付かなかった。
「まぁ、じゃぁ。頑張れよ。」
「おうっ。俺の力が必要になったらいつでも呼んでくれ。課題そっちのけで飛んでいく。」
「‥いや。そう言われると呼びづらいんだが‥。」
というやり取りも短く済ませ、俺と桜木は会計を済ませ、店を出た。迷惑を掛けたのと今までのお礼ということで全額。俺がここは持った。残り数週間。また節約の日々が続くと思うと辛い。
外の天候は勢いこそ弱めていたがまだ上空から雨粒が降り落ちていた。
傘が二つ。問題は解決されたとは言え桜木と歩く道中はやはり気まずい。会話という会話は無く、地面に打つ雨音だけが耳に煩かった。
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カツンッ。カツンッ。
「何で一般家庭に地下室なんてあんだよ‥。」
周りは幾数もある豆電球の光が足場を照らす。鉄の階段は今で何段目か?なんの為かはさて知らず、無駄に長い。
「はぁ~。ったく。なんなんだ?」
桜木家に着くが否。待っていたのは桜木百合。百合ちゃんであった。そして何でか百合ちゃんの頬は膨らんでいた。歓迎してくれている様子ではないのは一目瞭然。
「あぁーっ。言いたい事は沢山あるけど取り敢えず、早く下に下りなさい!」
「は?いや、何が‥」
「いいから早く行けぇぇぇぇぇー。」
というわけでこの通りである。何が楽しくて幼女から叱責され、一人で他人の地下室へ向かわねばならんのか?
と愚痴愚痴ボヤいているうちに終着が見えた。
「また扉も凄いな‥」
見えた扉はこれまた鉄。そしてでかい。開けるのに力足りるか?
何となく二の腕を触ってみるがここには俺一人しかいない。それにこのまま上に帰ったら百合ちゃんに何を言われるか?
「はぁ~。」
仕方なく俺はその重圧で固そうな鉄扉に手を置いた。
ギギィィィ‥
そんなお約束とも思える音が周りの壁に反響する。そしてやはり重い。
「はぁ‥はぁ。もう少し運動するか‥」
たかが扉を開けただけ。それだけで息を切らしている自分が情けない。
と、そんな膝に手を当て、息を整える自分へ聞いたことのある声が届いた。
「百合お嬢様に聞いておらんのか?声を掛けてくれれば開けたというのに。まぁ、ロックは掛けておらんかったからの。力を加えれば開くのじゃが‥。」
「あっ‥」
顔を上げ、見るその人物を俺は知っていた。髪は白。着る服も白。身長は低く、子供と大差ない。そんな女性を俺は知っていた。
「まぁ、何はともあれようこそ我がラボへ。歓迎こそしないが幾つか話をさせてくれ。新戸優一君?」
振り向かれたその顔は忘れることない。‥いや、つい数ヶ月前に思い出したと言うべきだ。俺の目にはあの時の女性。もう二度と会うこともないと思ってた命の恩人。その人物の姿が白々しく映っていた。
諸事情により、投稿が遅れます。お気に入り登録している方は本当に申し訳ございません。




