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伝わらない想い  作者: ミサ
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5 モデル『唯香』 としてのスタート

「最近……結唯ちゃん、何だか生き生きしてるわね? 仕事が楽しいって感じ」

 ある日、愛華さんが嬉しそうに私に訊ねた。

「はい、すごく楽しいです」

「そう…良かった。一時は辞めるんじゃないかって心配してたの」

「ごめんなさい、愛華さん。でも、今はそんな事思ってません。寧ろもっといろんなお仕事してみたいんです」

 そう愛華さんに答えた私に、彼女は考えながらこう切り出した。

「結唯ちゃん、それなら……雑誌のモデル…してみない?」

「雑誌ですか?」

「そう、読者層がティーンのファッション雑誌。今、新しいモデルを探してるの。良かったら……」

「やらせて下さい! お願いします」

 意気込んで言う私に圧倒されたのか、愛華さんは目を瞠った。 

「分かったわ。編集者の方には私から話してみる。一応、審査はあると思うから覚悟はしててね」

「はい、ありがとうございます」

「でも、本当にどうしたの? 結唯ちゃん、急にやる気が出たわね。何かあった?」

 不思議そうに愛華さんは首を傾げた。

「いえ…ただ、千沙さんに早く追いつきたくて」

「千沙?」

「はい、一緒のステージに立ちたいんです」

 私の言葉に愛華さんは嬉しそうに微笑んだ。



「結唯ちゃん! 決まったわ」

 数日後、事務所へ行くと愛華さんが嬉しそうに私に言った。

「本当ですか?」

 自信が無かった私はその知らせに驚いた。

「えぇ、貴女と他に3人が決定したそうよ」

「良かった……」

 少しずつ……千沙さんに近づいている様で嬉しかった。

「で……その3人なんだけど…」

「はい?」

「1人は真帆、彼女は読者モデル出身。そして残り2人は男の子で瑛は小さな頃からモデルをしているから、ある意味大先輩ね。そしてもう1人はリョウ……」

「遼祐君ですか?」

 愛華さんは頷いた。

「何か、勝手に応募したみたいで、連絡がきて初めて知ったの。結唯ちゃん、平気? 遼祐と一緒で」

 心配そうな愛華さんに、私は頷いた。

「はい、大丈夫ですよ。遼祐君、この前謝ってくれましたから。今は普通に話しますよ」

 私の言葉に愛華さんは驚いた様に、目を丸くした。

「遼祐が謝ったの? あの子が?」

「はい? 何か」

「いや……あの俺様な奴が謝るなんて……ふーん」

 そう呟くと、愛華さんは私を見て何故かほほ笑んだ。

 何だろう? その笑みが凄く意味深な感じがする。

「じゃ、結唯ちゃん。来週、雑誌の打ち合わせとモデルの顔合わせがあるから」

「はい、わかりました」

「でね……結唯ちゃんのモデルの時の名前なんだけど」

「名前……ですか?」

「そう、唯香ってどう?」

 唯香……結唯子よりも何かモデルっぽい?

「いいですね! 唯香」

 私がそう答えると、愛華さんがにっこりとほほ笑んだ。

「それじゃ、これからはモデルの『唯香』ね! それじゃ、頑張って、唯香」

「はい、頑張ります」

 それが私の本格的なモデルとしてのスタートだった。


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