表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/14

第6話 「この柔らかさ、触ってみてください♡」

 プリン♡ プリン♡


 朝。わたしはパンティー一丁で鏡の前をうろうろしていた。


 今日は狩りの日。


 動きやすい服装にしなければ。


 最近トマトとか、野菜ばっかりだったからな。ご主人様もお肉がほしいのだ。


(——しっかし、最近、腹が出てきたか?)


 パンティーをずらそうとして途中でやめ、半ケツ状態のまま、鏡の前でポーズを決める。白い肌。ピンク色の乳☆。いつも通りの曲線。


「気のせいか」


 わたしは狩用のシャツを手に取る。袖を通す。ボタンを留める。ズボンをはこうとして、


(ホイッ! ホイッ!)


 ジャンプして、なんとかズボンをはこうとするけど、


(——尻がデカすぎて入らない!(ガーン))


「くっ、お気にだったのに!」


 わたしは別のズボンをはいて、ベルトをきゅっと締めた。



 ♢ ♢ ♢



「じゃあ、モンスターハントに行こうか」


 ご主人様はにっこり笑顔。


「レッツゴー!」


 二人で森へ出向いた。




 一時間後。


 わたしたちは森の奥深くにいた。


 ご主人様は聖剣を構えて、モンスターを探している。わたしは後ろをついていく。


 ざくざくと草を踏みしめる音。鳥のさえずり。木漏れ日。


 ヒュン!


 木々の間に、モンスターの影が見え、ご主人様が弓を使って仕留めた。剣でとどめをさす。


「やったね! 今夜は豪華なステーキが食べられそうだよ!」


「はい! わたしが腕によりをかけて作ります~♡」




 そのとき——


「そこの冒険者さん~」


 突然、怪しいローブを着たNPCっぽいおじさんが現われた。彼のバッグには薬瓶がずらり。


「森の薬屋でございます~。冒険者様、何かお探しで?」


 わたしは——ピンときた。


 薬瓶の一つ。ピンク色の液体。ラベルには『媚薬』と書いてある。


(これだ!)


 わたしは小声で薬屋のおじさんに耳打ち。


「あのう、コレってどんな効果なんですか?」


「お客さん、お目が高いね。それは悪用厳禁の惚れ薬ですよ。100万はくだらない逸品ですがね、お客さんには安く提供させていただきやすよ。これを使えば、どんな堅物でもトロットロのメロッメロでっさ」


「買います」


 即決。


 わたしは財布から小銭を出して、媚薬をゲット。


(ふふふ。これをご主人様の料理に混ぜて、わたしに夢中にさせて、油断したところを殺せば完璧!)



 ♢ ♢ ♢



 それから、


 わたしたちは屋敷に帰って、さっそく調理開始。


 ジュージュー。お肉を焼く。いい匂い。香ばしい。


(よし、ここで惚れ薬を……)


 わたしは小瓶を取り出し、ワイン代わりにお肉へちょろり。


 ピンク色の液体が肉に染み込んでいく。


(これでご主人様はわたしにメロメロ。隙を突いて毒ナイフでズブリ。楽勝!)


 わたしはニヤニヤ。


「それじゃ、味見っと……」


 ——ぱくっ。


 わたしは、お肉を一口。


 もぐもぐ。ゴクッ。


「——あ」


 遅かった。次の瞬間、視界がぐらり。身体が熱い。心臓がドキドキ。息が荒い。



「ダンジョンちゃん、大丈夫?」


 ご主人様が心配そうに近づいてくる。


 ——その瞬間、


 わたしの目はハート。


「ご主人様……かっこいい! ご主人さまあああ♡」


 わたしはご主人様に飛びつく。


 抱きしめる。密着する。


「うわっ!? ダンジョンちゃん!?」


「ご主人様~♡ 大好き~♡ チュッチュッ♡」


 わたしはご主人様の首に腕を回し、顔を埋める。


(そうだ! この間使ったローション、まだ残ってたはず!)


 棚からローションのボトルを取り出す。


 とろりと手のひらに出して、胸に塗りたくる。てかてか光る。お尻にも。ぬるぬる。つるつる。触り心地が劇的に変わる。


「お待たせしました~♡」


 わたしはご主人様の前に立つ。


 シャツのボタンを一つ、二つ、外す。デカメロンがこんにちは。


「だ、ダンジョンちゃん!?」


「見てください、ご主人様~♡」


 わたしは自分の胸に両手を当てて、柔らかさを強調するように揉む。ローションの効果で艶めかしく光っている。


 むにゅ、むにゅ。


 左右に揺らす。上下に揺らす。重みを感じさせる動き。


「こんなに柔らかいんですよ~♡」


「ちょ、ちょっと……」


 ご主人様は顔を背ける。耳まで真っ赤。


「あら、恥ずかしいんですか?」


 わたしはご主人様の腕を掴んで、ぐいっと引き寄せる。


「ほら、触ってみてください~♡」


「だ、ダメだよ!」


「ダメじゃないですよ~♡」


 わたしはご主人様をソファーに押し倒す。


 どさっ。


 馬乗り。お尻を押し付ける。ローションの滑らかな感触。


「ねえねえ、ご主人様~♡」


 わたしはうるうるの瞳。上目遣い。


「生意気メイドをわからせてください~♡」


「だめだよ、だめだよ!」


 ご主人様は必死に抵抗。


「お願いします~♡ お願いします~♡」


 涙目。懇願。両手を合わせて、拝む。


 胸が揺れる。視線を奪う動き。


「わたし、ご主人様のこと、本当に……」


「……わかったよ」


 ご主人様が折れた。


「ご主人様~♡ 大好き~♡」


 もう一度抱きつく。頬をすりすり。ローションが肌を滑る。


「じゃあ、いれますね~♡ えい♡」



 ——バンッ!


 扉が開いた。


 褐色の肌。赤い目。アホ毛ぴょこん。


 西のダンジョンちゃんだった。


「うわっはっはっはー! 勝負しに来てやったぞ、ありがたく思え! 今日こそワシが勝つ ……って、うええええええええ!?」


 固まった。


「お、お主ら何しとるんじゃああ! 破廉恥ぃぃいいいい!!!!(ボカッ!)」



 ♢ ♢ ♢



 ——それから数時間後。


 わたしはベッドに寝かされていた。


 頭が痛い。身体がだるい。


「目が覚めたか」


 西のダンジョンちゃんが、ベッドの横に座っていた。腕を組んで、呆れた顔。


「お主はほんとうにアホでドジじゃのう」


「……何があったの?」


「覚えておらんのか? お主、惚れ薬を自分で飲んで、ご主人様に『生意気メイドをわからせてください♡』って腰を振っておったんじゃぞ」


「うえぇぇええええええええ!?」


 わたしは叫んだ。顔から火が出る。わたしは枕に顔を埋める。


「忘れろ! 今すぐ忘れろ!」


 わたしは西のダンジョンちゃんをぽかぽか叩く。


「まったく、こんなヤツが、ワシの宝物を盗めるほどしたたかとは思えんのう」


「だまれええええ!」



 くっそう! 次こそは!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ