表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/14

第4話 せや! お風呂屋さんゴッコしよう!

「お、お、おっ☆い、デッカ!」


 わたしは叫んだ。声がうわずった。


 ヒーラさんが、わたしの前に立ってる。至近距離。視界を埋め尽くすのは、クソエロいスイカ。ぱつぱつ。今にもはじけそう。


 てか、ブラしてないのか? 乳☆の形が浮いてる。完全に浮いてる。シルエットくっきり。これって犯罪じゃね?


「どうしたの? ダンジョンちゃん わたしの顔に何かついてる?」

 ヒーラさんにっこり笑顔。


 ぷるん、ぷるん♡


 ヒーラさんが歩くたび、あの二つのスイカが揺れに揺れる。左右独立して。物理法則ガン無視で。


 今日のヒーラさんの格好は、これまたエロかった。


 黒いオフショルダーのブラウス。肩から二の腕が丸見え。鎖骨が綺麗。胸元ざっくり。谷間ばっちり。ありがたや~で拝めちゃう設計。


 大人っぽい。色気ムンムン。くっそ、まぶしいぜ。


「今日も暑いわねえ」

 ヒーラさんは、扇子でぱたぱた。わざとらしく、スカートの裾をぴらぴら。


「——は?」


 Tバック。Tバックが見えた。黒レースのTバックが、見え隠れ。


(絶対狙ってるよね)


「あら? ダンジョンちゃん、わたしのお尻に何かついてる?」

「い、いえ! 何でも!」


(クソ女が。計算ずくじゃねーか。男を手玉に取るテク、完璧に身につけやがって。許っせん!)



 ♢ ♢ ♢



「じゃあ、ダンジョンちゃん、家のことよろしくね~」


 ご主人様は、手をひらひら振って、ヒーラさんと腕を組んで出かけて行った。二人で農園デートか。いいな。


 わたし? ザ・留守番。ザ・家政婦。


 くっそ何を喋ってるんだろう、あの二人。


(羨ましくないぞー! 羨ましくないぞー!)


 わたしは指をくわえて、二人の背中をじーっと見つめた。


 ご主人様ってば、今やヒーラさんにしか目がないじゃん。わたしのことはそっちのけか?


(こうなりゃ、【地獄耳 Lv.16】!)


 わたしはスキルを発動。耳をぴくぴく。集中。


 二人の会話、盗み聞き。


 ほとんど聞こえない。風の音に紛れる。けど、少しだけ——


「ねえ、ボーケンくん、あのメイドの代わりにわたしが永久就職してあげようか?」


 ——ぬわにぃいいい!!


 わたしは首になるのか!!


(おい、ご主人様! なんか反論しろよ! なんだ? わたしの日頃の行いが良くないせいか? ちっとも反論しないじゃないか。おい、鼻を伸ばすな!)


 いやいや、何を動揺してるんだ。


(別に首になるなんて、後腐れなくていいじゃないか)


 わたしは胸を撫で下ろす。


(どーせ、今日でアイツ(←ご主人様)は死ぬんだ。首にするならするで自由にしやがれ)



 ♢ ♢ ♢



 ——二時間後。


 二人が土まみれになって農園から帰って来た。キャベツの箱を抱えてる。


「ご主人様~♡」


 わたしは風呂場からご主人様を呼んだ。とびっきりの笑顔。満面。八重歯もちらり。


「お風呂がわきました~。どうぞ入ってください~」

「おお、気が利くね!」


 うひひ。今日こそお色気の術で、サクッと命を頂戴するぜ。


 スケベな椅子。ローション。マット。全部、魔道具通販で取り寄せた。お風呂屋さんごっこ。気持ちよくなって、気が緩んでる間に、ご主人様に落雷を浴びせて始末しよう。完璧。




「どーしたの、ダンジョンちゃん!」


 ご主人様がタオルを巻いて入って来た。

 わたしは、あられもない姿でお出迎え。


 どや? エッチやろ?


 泡まみれ。髪をアップにして、うなじ全開。胸元から太ももまでぜんぶ丸見え。


「それじゃ、洗って差し上げますので、座ってください~」

「え、あ……。でも」

「だめですよ、わたしは彼女ではなくメイドなんですから、仕事をさせてくださいって言ってるんですよ~」

「だめだよ、だめだよ!」


 ご主人様の腕を無理やり掴んで、椅子に座らせる。


 わたしはおっ☆いを背中に当てながら、洗ってあげる。


 ぷにぷに。むにむに。これくらいはサービスだ。


 マットに寝かせて、キスキス。


 それじゃ、いよいよ本番と……


「わわわ、もう十分だから」


 ご主人様は赤面。耳まで真っ赤。


(くそ、あと少しだったのに!)


「実はさ、今日、ヒーラから説教食らったんだ」


 え? 説教?

 わたしはぽかんと口を開けた。


「いくらダンジョンちゃんが可愛いからって、下品な関係になったら承知しないからって」


 ご主人様は下を向く。


「それを聞いてすごい反省したんだ。たしかに僕の日頃の行いは、ダンジョンちゃんを傷つけていたかもしれないなって。ダメだったなって。本当にごめんね、ダンジョンちゃん。もうエッチなことはしないからね」


(うえええええええーーー!!)


 まさかの、謝罪!!


 もうお色気作戦が通じないってことか!? そこは獣であれよ! 性欲爆発させろよ!


「でもでも、ヒーラさんは彼女なんでしょ?」

「違うよ。ヒーラはいとこだよ。お前は女耐性がないから、免疫力を付けてやるって、エロい格好してただけなんだ」


 なんだ……。そういうことか。


 わたしは全身の力が抜ける。


「ごめん」なんて言われたら、殺しにくいじゃんか……。


 でもこれは、ご主人様がわたしのことを大切に思ってくれている証。


「うふふふ」


 なんだか安心した。


 わたしはスキップで風呂場を後にする。


「わかりました。それじゃ、あとはご主人様だけでごゆっくりと」


 しばらく、暗殺はお預けかな……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ