7 再挑戦
◆俊Side
プハーッ
「すげえリアリティ。」
息をするのも忘れ魅入られたかのように戦闘シーンを観ていた俊は、ドキドキとした胸の鼓動を抑えるように深く息をする。
スーハースーハースーハーフ〜。
「取り敢えず全員怪我も無さそうだし良かったな、しかし観てるだけでこの臨場感を感じられるのはやばいなこのアプリ。」
戦争映画顔負けだ。
「水魔法は思ったよりは弱かった感じかな、一気に3発撃てるのはいいけど、水の攻撃ってまぁそんなもんなのか?他の魔法を覚えるのか分からないけど、次に期待かなぁ」
むしろ★★狼の獣人と★★剣士、★★ハンターの3人の強さが目立った、えっと名前は
「バロン、ジュリオ、アンネか、コイツラを主軸にするのが良さそうだな、Skillもあるし優秀だ。」
まだ名前さえ《《まとも》》に覚えてなかった俊は改めて主軸3人の名前を覚える。
「てかチュートリアルなのに難易度高くないか?敵とか一気にすげえ出てきたし、コイツラみたいに適切な動きしないとこれ簡単に全滅するんじゃないの?」
そうレベル2のチュートリアルダンジョンなのに一撃まともに食らえば死ぬようなホブがわんさか出てきて下手すれば囲まれるという状況なのに、チュートリアルダンジョンだというのだ、そして死んだら光の粒子となりその英霊とはおさらば。
「これは慎重に行動しないとダメっぽいね、コイツラを生かすのも殺すのも俺次第みたいな感じがヤバいね。」
実際に息をしてる様にも見える英霊達の動き回る姿を見て、俊は多少なりとも責任感を持った、責任感を持ってゲームするなんて今迄一度も無い、無かったがコイツラを殺してしまうのはなんだかダメな気がした。
「合成とかあまりしない方がいいな、レベルアップも殆ど無かったし。」
7人使ってレベルが1しか上がらないのはコスは悪いし、何か他の使い道があるかも知れない、あとガチャが高くて英霊がどれだけ増やせるかも分からない。単純に数は力ということもあるので、余っ程何かがないと合成するのはやめようと思う。
「ウーンそれじゃもう一度チュートリアルダンジョンレベル2を再挑戦するかな。」
先程の3人を主軸に盾役とヒーラーを連れてもう一度行こうと左下のメニューを開く。
メニューには矢印と共にレベル3ダンジョン解放と書かれており、念の為タップする,
[チュートリアルダンジョン]
レベル3・人数制限0/5と書かれている。
【マスター次はレベル3ダンジョンにパーティーを派遣しましょう。】
女神ディアーナがそう提案してくる、いや無理だろ、レベルが1から2に上がっただけで相当キツそうだったぞ?ここはもう一度レベル2ダンジョンだなと思い、主軸の3人をタップする、バロンをタップし、ジュリオをタップした時にそれは起こる。
[この英霊は疲労度が蓄積しています。]
「はっ?疲労度?2回戦闘に出したら溜まったのか?」
試しにアンネをタップする。
[この英霊は疲労度が蓄積しています。]
スタミナみたいなもんか、そう言えばゲーム全般に良くあるスタミナの項目が無いが、こういった形で出てくるのか…。
バロンと水魔術師、拳闘士は行ける感じだから3度目がだめなのか、それとも頻度なのかは分からない。
「これは分かりにくいからマイナス評価だなぁ。」
タップすれば分かるが、逆を言えばタップしないと分からないまぁ実際先程まで修練場に居た2人が宿泊施設に居るのだから疲れているのだろう。
「そうすると、バロン、水魔術師、拳闘士、盾役、ヒーラーは…。ウーンあいつ使ってみるか?Skill大声とか書いてあったアイツ何だっけ?」
待機場に居るそいつをタップする。
★★ベン・コナー 演説家 発動可能Skill大声
「そうそうコイツ、ベン・コナーSkill大声ね…。意味わかんね。」
一抹の不安を感じた俊が取った行動は
[チュートリアルダンジョン]
レベル1・人数制限0/5
【英霊達が移動ポータルに着きました。】
「まぁ実質4人でも平気だろヒーラー何もしてなかったし。それじゃ行ってこーい!」