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2 ダンジョン派遣

 女神ディアーナの提案通り矢印に従ってメニューからダンジョンの項目を押した。


[チュートリアルダンジョン]


 ここだな、タップするとレベル1ダンジョン人数制限0/5と書かれている。


 神殿から待機場に移っている先程召喚されたメンツが各々座ったり話をしたり、動いている。


 5人か…。★★の4人とまだマシそうな★木こりがいたな、コイツラで良いだろう。


 俊がタップした英霊達は女神ディアーナに呼ばれたように付いて行く、英霊達は先程消された男を見て警戒しているのか、女神には逆らわない様子だ。


 ダンジョン前には扉が開いていて、中はさながらワープゲートのようだ。


【英霊達が移動ポータルに着きました。】


 成る程、移動ポータルと言うのかこれは。


「それじゃ行ってこーい!」


 派遣スタートと書かれた場所をタップすると移動ポータルに乗った英霊達が飲まれたように消えていく、NowLoadingの文字が出て画面が切り替わる、ここからはAUTOバトルになるようだ。


 ◆ 英霊Side


「あのクソ女神はいねーな?」


 ★★ジュリオ・ロイスターが辺りを見渡し口に出した。


「シッ何処で聞いてるか分からないわよ」


 ★★アンネ・リュースがそう言ってジュリオを窘める(たしなめる)


「あぁ迂闊だった、すまない、まずは自己紹介をしよう、俺はジュリオ・ロイスター、剣士だ。」


「アンネ・リュース、ハンターをやっているわ。」


 ガシャガシャと音がして男が近付く。


「★★ギレン・エドガー、重騎士をしている、ここは一体何なのだ?」


「私もホスピタルで治療していた筈だったのに、★★ベラ・ハイネルン、ヒーラーよ。」


「おらは★マーク・ランチュート、ただの木こりだべ、なんだべかここは?ダンジョンって森?ヤバそうな所だべ…。」


「皆下の名前で呼ばせてもらうが、いいな?」


 ジュリオがそう言って皆を見渡すと誰も文句は無いようだ。


「済まないが取り敢えず俺が指揮を執るぞ」


「ええいいわよ、ただ私自身の安全を最優先するけど。」


 アンネがそう言いながら弓を片手に、矢を取り出し撃った先には、緑色した子供のような姿が見えた。


【ゴブリンレベル2 ▽1体】

「ギャヒッ」


 一声出して倒れたそいつを尻目にギレンが


「我も従うが、身の安全は最優先だ。」


 と盾を構える。


 ベラが頷いて杖を持つ。


「なんだべかぁ、あの緑の奴は」


 マークはオドオドしながらも斧を握っている。


 タタン、トン、ザッ 


 アンネが目の前の木の上に素早く登り、目を細めた。


「2.3.4、敵と思われるさっきの奴等が4体近付いてくるわ、各自臨戦態勢を!」


「ギレンは前に出ずヒーラーのベラを守ってくれ、俺は前に出る、マークは無理をせず目の前に敵が来たら倒せ!アンネは上から援護してくれ!」


 本当にここはダンジョンなのか?移動ポータルとやらに乗って飛ばされた先はマークが言った通り広い森のように見えるが、迫ってくる緑の敵を前にジュリオは考えを止めた。


【ゴブリンレベル2 ▽4体】


「来るぞ!」


 ジュリオが突進しゴブリンに斬りかかるとアンネが隣にいたもう1体に矢を放つ、ほぼ同時に剣と矢に当たったゴブリン2体は苦しそうな声を出して倒れた。残った2体のゴブリンはギレンの盾に阻まれている。後ろからマークが斧で1体の頭をかち割り、ジュリオがギレンに弾かれた最後のゴブリンを横薙ぎした。


「ギョヘッ」


 おかしな声を出して最後のゴブリンが倒れる。アンネの矢に撃たれ苦しんでいるゴブリンにトドメを刺すと、全て始末出来たようだ。先程からやたら視線を感じる、視線の出どころが分からない、敵意や殺気は無さそうだが何だか不愉快だ。


 目の前に矢印が出てきた、この先を行けってことか?進む方向を示唆しているのだろう、ソレに従い俺達は矢印の方向へ進む。


 深い森の中は少し霧がかかっている、先程安定した防御力を見せたギレンを先頭に、俺達はギレンから離れない距離で進む。


【DANGER】


 【ホブゴブリンレベル4 ▽2体】

 【ゴブリンレベル2 ▽4体】


 ブーと警告音が聞こえ敵が現れる、先程より数も多ければホブゴブリンというデカい奴もいる。


「アンネ出来る限り足止めをしてくれ!」

「わかったわ!」


 俺はホブを無視して手前のゴブリンを斬る、向かって来る他のゴブリンをアンネが矢で牽制してくれている、剣を返しながらもう1体の足を斬るとゴブリンが転がって喚いている、そいつの顎を蹴飛ばしながら向かってくるホブの棍棒を躱す。


 もう1体のホブはギレンが盾で受け流していた。残った2体のゴブリンはマークの元へ走っている、アンネが矢を撃つが躱されてマークの手首を切り落としていた。


「あががががっ」


 マークが悲痛な声を出して手首と一緒に斧を落とした、手首からプシューっと血が弾けている、俺は駆け寄りゴブリンの後ろから蹴りを入れた、もう1体はアンネが矢で射止めていた。


 蹴りを入れ転がったゴブリンをジャンプしながら突き殺し、ギレンが相手しているホブの元へ走った。マークを気にする暇がない、重騎士であるギレンには攻撃手段がないのだ。ホブの攻撃を受け流し、躱し、弾き、様々な技で耐えている。


 盾に弾かれてバランスを崩したホブを俺は横から斬り上げた、厚い肉に阻まれて血が垂れた剣が途中で止まってしまう、ホブの棍棒が俺の頭に振り降ろされる前にアンネの矢がホブの目に刺さった。


「ウゴォォォ」


 矢が刺さった目を抑えながら絶叫するホブの膝裏を蹴り飛ばし横転させ、刺さった剣を抜いて首を斬り落とす。


 もう1体のホブはマークの頭を潰していた。


【★マーク・ランチュートがホブゴブリンに頭を潰され死亡しました。】


「クソッ!」


 嫌なアナウンスがマークの死亡を報せる、ニヤッと笑ってるように見えるホブに走り寄り足を浅く斬る、ガクッと棍棒を杖代わりにしたホブの胴体をアンネが射るとギレンがガシャガシャと音をたてながら盾ごと体当たりした。


 ドゴッ


 鈍い音が響きホブが倒れ込む、その隙を逃さず首に剣を突き立てた。プシューッと血が飛び散り俺の顔や身体を赤く染めた。


【チュートリアルダンジョンレベル1CLEAR】


 キラキラとしたエフェクトが舞いステージをクリアした事を報せている。


 俺達は誰も喜べない、マークは死んだ。


 頭がカエルみたいに潰されたマークの死体が光の粒子と共に消えていくのを横目に、代わりに現れた移動ポータルに足取り重く乗った。


 ★★ジュリオ・ロイスター

 レベル1→3 Skill[斬り落とし]獲得

 ★★アンネ・リュース

 レベル1→3 Skill[偵察]獲得

 ★★ギレン・エドガー

 レベル1→2 Skill[シールドバッシュ]獲得

 ★★ベラ・ハイネルン

 レベル1→1 レベル変動、Skill獲得無し



【報酬獲得1,000金】




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