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#6 ギフテッドの思考回路

頭があれな上野の思考回路を見てみましょう。

休み時間になって田中に話しかけようと思った私(上野)は、田中に近づくなんかいけ好かないクラスメイトにそれを阻まれた。確か...彼女は江野畑と言ったか?う~~ん、私あの人のこと好きじゃないんだよねぇ。なんかいつも気取ってる感じだし、私のこと見下してくるし...第一、人のことを尊重しようとか大切にしようとかそういうのが全く見られないのが一番の問題なんだよね。そういう人じゃないと話す気にならないし。なんで彼女が田中に話しかけようとしてるんだろう?授業でわからないことでもあったのかな?ま~、確かに彼女は頭悪いから田中みたいに優しい人に教えてもらうってこともありそうだけど、そうだとしたら放課後かLINEとかで聞きそうだよね~。プライド高くて人前で聞くとかできなそう。っていうことは、個人的に聞きたいことでもあるのかな?仕事の話はなさそうだし、趣味嗜好でも聞くつもりなのかな?それも少し怪しいな。なんてったって、プライドが高くて人と話すのがうまくないうえに、人への興味がほとんどないように見えるからね~。自分のことで頭いっぱいいっぱいなんじゃないの?その小さいスマホばっかり見て目の前のことも見えてないだろうし、個人的な会話はもっと可能性低そうだな...あ!もしかして、なんか重要なことを聞き忘れてそれを聞く感じかな?それならすぐに聞かなきゃいけないし、田中ぐらいしか教えてくれる人がいなそうな彼女が話しかける中で一番可能性が高そうな理由だな~。そう予測した私は、江野畑が話しかける前に田中に話しかけようとしたが、その瞬間に江野畑が田中に話しかけてしまった。

「田中さぁ、あんたってインスタとかやってないわけ?」

いきなり何を聞き出すんだこいつ?もう少し礼儀とかあるんじゃないか?それにしても、インスタか...そういえば、江野畑はインスタに毎日、飲み物だとか公園だとかを映していたが、とうとう自分一人だと寂しくなってきたか。まあ、気持ちはわかる。一人でずっと過ごしていると寂しいよな...ああいうのは友達ととるからこそいいのであって、一人で自慢ばかりしていたら空しいよな...

「そういうのはやってないかな...うちの親が厳しくて、友達に写真撮られてもそれをネットに挙げるなってうるさいから」

ああ~、田中はまじめだし、親もそうなのか。最近はネットに何でもかんでもあげる節操のない人たちが多いし、いいと思うな。

「え~、ちょっとぐらいダメなの?」

なんでそこまでこだわるんだ。田中が美人だからか?とりあえず、田中と仲良くしたいわけではなく、田中を利用したい可能性が高くなったな。本当に仲良くなりたいならインスタの写真はいらない。

「ダメだって。私も親が言ったように、ネットに写真を挙げるのはリスクに対してリターンがないと思うし」

やっぱり田中は、脳みそいっぱい詰まってるな~。確かに、ネットだと特定とかのリスクに対して、承認欲求が満たされるだけのリターンは割に合わなすぎるよな。

「頭硬いね~。あんたも、あんたの親も。そんなんじゃ、時代においてかれ続けるよ?私みたいに、うまいこと使いこなさなきゃ」

鼻で笑いながら江野畑がそういうが若干眉間にしわが寄っているように見える。やっぱり、田中をダシにつかって「いいね」が欲しかったんだな。にしても、そんな捨て台詞言ったら本格的に負けてるだろ。

「あ~あ、私がせっかく、あんたをプロデュースしてあげようと思ったのに。後悔しても知らないからね」

ここまで行くと本当にスマホなんてないほうがこの人は幸せなんじゃなかろうかとも思える。そんなに振り回されてどれだけ自分を失うつもりなのか。それはともかく、やっぱり田中はすごいなぁ。

「田中はすごいねぇ。さすがだよ!」

田中にそういうと、なぜかすごく驚いた顔で、

「え?上野さんいつから聞いてたの?」

と聞いてきた。???何を言ってるのかよくわからない...あ!私これまで会話聞いてただけで一言も発してなかった!もうちょい話せばよかったかなぁ。

「まあまあ、そこはいいでしょ!それより、あなたやっぱりすごいねぇ。大好きだよ!」

田中は相変わらず驚いた顔をしているが、私が背中を軽くたたくとちょっとだけ嬉しそうな顔になった。

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