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9、七瀬奏の告白

当たり前だが相当に怒られた。

やはりサボりは良くない。

そう思いながら俺は苦笑いで智和を見る。

智和は聞いているのか聞いてないかの様な聞き方で聞いていた。

サボる事に慣れすぎだろ。


「いやー。うるさいね。あのハゲ」

「まあ当たり前なんだけどな。...非があるのは俺達だしな」

「体罰論っていうの知らんのかね」

「俺達が言える立場じゃねーだろ」


そんな感じで会話をしながら俺は欠伸をしていた。

それから俺は智和を見る。

そして智和に「なあ。智和」と聞いた。

智和は「何だ」と聞いてくる。


「俺はどうしたら良いと思う」

「お前の事か...そうだな。...取り敢えず一宮は地獄に落とすべきだな。あの若僧調子に乗っている気がするしな」

「いや。お前も若いけどな?」

「俺より1個下だろ。...調子に乗ってんぞあのクソガキ。しばき倒した方が良い」

「そうだなぁ...」


俺は頷いてから腕を組む。

それから「取り敢えずお前の事を悪く言わせない」と言う。

智和は教科書を用意しながら苦笑していた。


「お前本当に優しいよな。俺を信頼しているっていうか」

「当たり前だ。お前は大切な友人だ」

「...まあな。...感謝してる」


そして俺も教科書を出してから「移動教室だったな」と言う。

智和は頷きながら後頭部を掻いた。


「行くか。音楽室」

「面倒だな」

「音痴且つ音痴の俺に歌わせるのが凄いわ」

「いや。俺も音痴だし問題ねぇ」


それから俺達は移動を開始する。

そして俺達は音楽室に行ってから授業を受ける。

まあなんつうか退屈な感じを見せながらも授業を受けきった。



「先輩」

「...おう。どした?」

「次、音楽室だと思って待っていました」

「?...何で?」

「これ。作ったので」

「...?!」


俺に青色の包みを渡してくる七瀬。

何の包みだ?、と思いながら開けてみると弁当だった。

驚きながら俺は七瀬を見る。

七瀬は「頑張りました」と笑顔になる。


「愛妻弁当か?殺すぞハゲ」


背後から嫉妬の声がした。

見ると智和が目を見開いて目に血管を浮かび上がらせていた。

きも!

そう思いながら俺は智和を無視してから七瀬を見る。


「七瀬...サンキューな」

「はい。...でも味は期待しないでほしいです。私...あまり料理が上手じゃ無いです」

「俺にとっちゃどんな形でも嬉しいよ」


そして背後から「アイツぶっ殺す」とか。

「マジかよアイツ」とかそんな声が聞こえてきた。

背後の男子達は眉を顰めており...暴走モードに入っていた。

人造人間か?...巨人かよ。


「先輩。もし良かったら一緒に食べませんか」

「...あ...ああ」

「ありがとうございます。じゃあ屋上に...」


屋上の鍵は確かかかっている筈なんだが。

そう思いながら智和を見る七瀬。

俺は「?...智和。お前何した」と言う。

するとニヤッとした智和。


「さっき怒られていた時に屋上の鍵を拝借した。...職員室から」

「...お前は...ったく」

「だってお前。腹立つしな」

「...」


俺は「やれやれ。小さい復讐だな」と苦笑いで智和を見る。

智和は肩をすくめた。

そのまま七瀬に引き連れられて屋上にやって来る俺。

それからドアを開けると無機質なコンクリートが見えた。


「七瀬は弁当持っているのか」

「はい。持っています」

「...じゃあ食べ...」


そこまで言うと七瀬がドアに鍵をかけた。

そして俺に向いてくる七瀬。

ニヤッとしている。

え?


「...な、七瀬?」

「せっかく2人きりになれましたしね」

「な、何をする気だ」

「...先輩。...せっかくなんでエッチな事をしませんか」


その言葉に俺は「は!?」とギョッとする。

すると七瀬は俺の胸ぐらを掴んだ。

そしてそのまま俺を押し倒す。

俺は「な、七瀬!?」となりながら七瀬を見る。

七瀬はニヤニヤしながら俺を見てくる。


「ば、馬鹿野郎が!好きでもない野郎に...」

「...そうですね。でも私、先輩なら良いって思っています」

「何も良くねぇよ!話をすり替えるな!?」

「私は構いません」


そして俺の首筋を舐める七瀬。

俺は初めての感覚にゾクゾクしてから慌てて立ち上がろうとしたが。

七瀬はそれを抑え込む。

それどころか俺の大切な部分を撫で始めた。

この野郎!


「こ、コラ...止めろ...七瀬...」

「というか先輩。好きでもない相手にこんな事するって思います?」

「...は?...は?」

「私は先輩が好きですよ」

「...へ?」


俺はビクッとしながら七瀬を見る。

七瀬はニコニコしながら俺を見下ろしてくる。

そのままゆっくり横に倒れてきた。

俺は慌てて「待て...どういう事だ」と聞く。

すると七瀬は返事をした。


「言葉通りです。...私は貴方を幸せにします。あの女と違って。絶対に貴方を幸せにします」

「...じゃ、じゃあ...ずっとお前は俺が好きだったのか!?」

「そうですよ?...実際、盗られた時は相当...悲しかったんですから」


そして七瀬は俺の胸板を撫で始める。

こ、コイツ...。

そう思いながら俺は跨ってきた七瀬を見る。

俺は汗を吹き出す。


「好きでもない相手に女の子はこんな事しません。...それは世界の共通常識ですから。まあ例外もあるかもですけど」

「...」

「...先輩。...私は先輩が好きです。...返事は要りませんが...その代わりに私に付き合って下さい。今から」

「な、七瀬...ここは学校なんだ...」

「うふふ」


肉食獣は俺を襲う。

そして首筋を舐めてくる。

マズイこれ。

ヤバいんですけど!?

いきなりこんな事になるとは!

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