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【第2巻発売中】ツンな女神様と、誰にも言えない秘密の関係。  作者: 赤金武蔵
初めてのイベントはトキメキと共に
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第78話 実はいい子?

 この子が何を言っているのかわからず、とりあえず観察することに。


 さっきも言った通り、身長は低い。俺の胸までしかなく、制服の上からでもわかるくらいには華奢だ。

 金髪は、恐らく地毛だろう。瞳の色も青いから、多分外国人……もしくはミックスなのかも。

 胸のリボンの色が、緑色だ。確か学年で変わるらしく、この色は1年生だったはず。

 なんで見知らぬ1年が、俺に絡んでくるんだろう。わからない。


 訳がわからず首を傾げていると、女の子はまるで天敵に出くわしたチワワのようにがるるるると威嚇してきた。



「聞こえませんでしたか。雪宮お姉様を解放しなさいと言ったんです」

「それは聞こえてた。言っている意味がわからなかっただけで」

「……もしや外国の方でしたか? 英語ならわかります?」

「純正日本人だわ」



 ぼけてるのか、それとも天然なのか。

 少しだけため息をついて、ジト目で女の子を見る。

 俺の視線が怖かったのか、女の子は少し涙目になって後ずさった。



「な、なんですかっ。なんでそんなに睨むんですか……!」

「いや、睨んでるつもりはないんだが……あと、初対面相手にいきなり雪宮を解放しろとか言われてもな」

「おっと。これは失礼いたしました」



 女の子はない胸に手を当て、少しだけ胸をそびやかしてドヤ顔を見せて来た。



「私の名前は薔薇園(ばらぞの)エレン。由緒正しき、薔薇園家の一人娘ですわ!」



 …………。



「へえ」

「んがっ……!? へ、へえって……あの薔薇園家ですわよ!? 日本有数の造園家の! 海外の要人の庭をも手がけたことのある、あの!」

「マニアックな」



 造園家だけでもマニアックなのに、海外の要人の庭とか言われても。



「くぅっ……! 由緒正しき薔薇園家を知らないなんて……! あなた、それでも日本人ですか!?」

「む、人種差別か?」

「あ、いや、違っ。そ、そうじゃなくてですね……?」

「冗談だよ。気にしてない」

「……やっぱりあなた、嫌いです。ぷいっ」



 ええ、なんで俺嫌われてんの? そこまで嫌われるようなことしてないと思うんだけど。



「それより、雪宮を解放しろとかなんとか……どういう意味だ? まったくわからないんだが」

「……わからない? 本当に言ってるんですか、それ」

「心当たりなんてないし」

「心! 当たり! しか! ないでしょう!」



 ガチ地団駄踏み始めたぞ、このキッズ。

 薔薇園は顔を真っ赤にして激怒し、俺を指さした。



「私は、雪宮お姉様に憧れてこの白峰高校に入学したのですわ! あの清廉で純粋で美しく、規律という言葉そのものの身のこなし! 全ての淑女の手本となるべきお方……なのに! ここ最近のお姉様はあなたのせいで変わってしまった! それはもう洗脳と言っても過言ではないほどに!」

「過言が過ぎるんだが」



 けど……なるほど。これが伝統派といわれる派閥か。

 伝統派というか、理想を押し付けてる過激派って感じだが。

 薔薇園のことを観察している間も、ペラペラペラペラと雪宮のいいところを羅列している。


 すると、不意に薔薇園は言葉を止め、不思議そうに首を傾げた。



「ところであなた、お名前は?」

「知ってて絡んだんじゃないのか」

「知るはずないじゃないですか。お姉様を誑かすくっ殿方という認識です」

「誑かしてなんてないけどな。でもお嬢様なら、おじゃま虫の名前くらい金で調べられると思ったけど」

「……はぁあああ〜……」



 え、何。なんでそんな深々とため息ついたの。

 薔薇園はやれやれと首を振ると、白けたような目で俺を睨んできた。



「あのですね、いくらお姉様にくっ付いてる金魚のフンであろうと、相手のことを勝手に調べたりするはずないじゃないですか。常識ないんですか?」



 そう言われるとぐうの音も出ない。

 もしやこの子、実はいい子なのでは?



「……八ツ橋葉月だ」

「よろしくお願いします、八ツ橋さん」



 ……いい子なのかも。

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