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第17話 にゃんこ

「あぁ……しんど」



 結局今日一日、ずっと男子たちに追い掛けられまくった気がする。

 いや気がするじゃなくて、ガチで。

 授業もついて行くのがやっとだし、その上男子たちからの嫉妬の視線がつらい。精神的に削れた一日だった。



「ちょっと、大丈夫なの? 平気?」

「ん……まあ、なんとか」



 ソファーでだれてると、家に来ていた雪宮が心配してくれた。

 まさか雪宮が心配してくれるとは……ちょっと感激。



「今日の私の夕飯と明日のお弁当、作れるの?」

「そっちかよ」



 俺の感激を返して。

 時計を見ると、もう十八時を回っていた。

 確かにそろそろ作り始めないといけない時間だ。



「じゃ、作るか。今日はオムライスにするから」

「オム……!?」

「好きか、オムライス?」

「!(こくこくこく)」



 雪宮は目を輝かせて何度も頷く。

 よっぽど好きなんだな……結構子供っぽいものが好きとみた。

 となると、明日のお昼はもっと喜んで貰えるかな。



「作り方は見せるから、今日のところは見学な」

「ええ。勉強させてもらうわ」



 エプロンを身につけ、メモ帳を片手にやる気満々だ。

 オムライスって結構難しいんたよな。ふわとろに巻いて、中まで火を通しすぎないようにしないといけないし。

 今日はあれやこれやを指示する前に、まずは一通りやって見ることにした。

 ケチャップで味付けしたチキンライスに、ふわとろに仕上げたオムレツを乗せ、真ん中を切って広げる。

 まさに、お店のようなオムライスの完成だ。



「すごい……たまごがキラキラしてる。宝石みたい……」

「そう言ってくれると嬉しいな。それ食べていいぞ」

「ほんと? ならちょっと待って」

「え?」



 雪宮は爪楊枝を取り出すと、メモ帳に何かを書いて……何やってんだ?

 それをテープで爪楊枝に貼り付け……あ、まさか。



「はい、完成よ」

「旗か。オムライスに刺す」

「ええ。ほら見て、にゃんこよ」

「……にゃんこ?」



 いや……これ、にゃんこか?

 デフォルメされてるみたいだけど、お世辞にもにゃんことは言えない。

 まあ百歩譲って……ギリギリ……見えなくも、ない。

 雪宮って絵が下手なんだな。授業中もマシに授業受けてたんだろう……当たり前だけど。

 俺はどっちかって言うと、結構落書きする方だ。だから無駄に絵は上手かったりする。



「にゃんこでしょ。どう見ても」

「……はよ食え。冷めちまうから」

「ねえ。にゃんこよね、これ。ねえったら」

「食わないなら俺が食うぞ」

「だめ!」



 雪宮はいそいそとオムライスをリビングに持っていくと、お手製の旗を立ててから手を合わせた。



「いただきます。ぱくっ。……!」

「美味いか?」

「……及第点ね」



 とか言いながら、いつもより鼻息荒いぞ。

 素直じゃないんだから、全く。

 さて、俺の分も作って……あ。



「そうだ、忘れてた。雪宮、お前ストーカー被害とか遭ってないか?」

「え、あなたのこと?」

「ちげーよ」

「冗談よ。……って言いたいけど、隣に越してきたつて言われたらそう思うのが普通でしょ?」

「ぐうの音も出ねぇな」



 雪宮の言うこともわかる。俺も逆の立場だったらそんな風に考えてたと思うし。



「じゃなくて、リアルに」

「ないけど……何かあったの?」

「今朝、雪宮のことを見てたおっさんがいてさ。話しかけたらどっか行った」

「なんでそんな大事なこと忘れてたの!?」

「学校で馬鹿どもに追いかけられてて話す暇がなかったんだよ……!」



 俺だってあんな事がなければ普通に報告したわ。



「でもストーカー……全然心当たりはないわ」

「そうか……明日放課後、これ食ったら警察行ってくる。念のためにな」

「わ、私も行くわ」

「いや、一人で大丈夫だけど……」

「だめ、私も行く。その方が信ぴょう性も高まるでしょ。そうね、それがいいわ」



 ……あ、そうか。そうだよな。一人で留守番することになるだろうし、雪宮だって怖いはずだ。



「そうだな、一緒に行くか」

「ええ、そうしましょ。……何よその温かい目は。べ、別に怖くないわよ。怖くないけど、むしろあなたが不審者に間違われるかもしれないでしょ。私はあなたのためについていくの。……ね、聞いてる? 本当よ? 本当だからね?」

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