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第207話 後輩乙女の最強伝説#4

―――陽神沙由良 視点―――


「はぁ、学兄さん......そこは......うっ、ダメですよ♡ 嫌♡」


「......」


「あ、このままじゃ落ちちゃう! ダメ、ダメ! 死んじゃう~♡」


『YOU LOSE! WINER RED!』


 あ~、負けちゃいましたか。

 現在、学兄さんとちゃん沙夜とで一緒にス〇ブラをやってました。


 学兄さんの部屋で大見栄切った沙由良んでしたが、ぶっちゃけ沙由良んの知識というのはエッチな方面に傾いているのですぐに行動できることが無かったんですよね。


 なので、これからの事を考えるついでにゲームに誘いました。

 ふ~む、これから学兄さんをどう調理して美味しくいただきましょうか?


「なぁ、戦ってる最中に妙な声出さないでくれる?」


 学兄さんがなんとも言えない顔でそう言ってきました。

 妙な声とはなんのことでしょう? あれは沙由良んの甘美なるボイスですよ?

 一片の曇りもなく自信満々に言えます。


「学兄さんに送る最高級オプションです」


「是非ともやめてくれ。早々に固まった妹がいるから」


 学兄さんは隣に座るちゃん沙夜へと目を向けました。位置的に丁度反対側ですね。

 学兄さん越しにちゃん沙夜の様子を見ると顔を真っ赤にしたまま固まっていました。


 どうやらちゃん沙夜のエロ許容量を超えてしまったらしいですね。

 まだ魔改造の余地がありそうです。

 それにしても真っ赤なちゃん沙夜は何度見てもこう......情欲をそそりますね。


「大丈夫ですよ、いずれ聞くことになる声です」


「やめて。これ以上俺の妹をいじめないで。この子のライフはもうゼロなのよ!」


「沙由良んSモードはゼロになったところを沙由良ん自らが回復させて再びゼロに持っていきますので。以後ループ」


「Sっていうかただの鬼畜」


 快楽堕ちした表情って非常に支配欲満たされません?

 まぁ、そりゃ自分の好き勝手にやれてるからってのは分かってるんですけど。


 ふと時計を見ると時刻は12時近くになっていました。

 ふむ、沙由良んのお腹はあまり減ってません。性欲で満たされてるので。

 とはいえ、学兄さん達がお腹空いてる可能性もありますね。ここは人肌脱ぎましょう!


「学兄さんは沙由良んどうします?」


「え、なんで急に? 別に何もしないけど」


 あ、間違えた。


「学兄さんはお昼どうします?」


「その質問でどうやったら自分の名前と間違えるんだよ」


 そりゃ溢れんばかりの性欲によるものですが?

 学兄さんは呆れたため息を吐きながら「そうだな。お腹も減ってるし何か作るか」と動き出しました。

 待たれよ、学兄さん!


「ど、どうした?」


「お昼は沙由良んが作ってもいいですか? こう見えても沙由良んは花嫁修業の免許皆伝者なので」


「花嫁修業に免許皆伝なんてあったのか......まぁなんでもいいや、沙由良が作ってくれるならその言葉に甘えさせてもらうよ」


「はい、存分に甘えてください。身も心も全て! さぁ、存分に沙由良ん流バブみを味合わせてあげます!」


「早速脱線してんじゃねぇか」


 おっと、学兄さんが甘える姿を一瞬でも想像してしまったのがいけませんでしたね。

 やはり学兄さんは恐ろしいほどの脳内麻薬を沙由良んに分泌させますね。

 それを欲してしまう沙由良んもまた卑しい子ですね。いえ、むしろ誇らしいです。


 さて、学兄さんの口に合うような昼食といえばどんな感じでしょう。

 これがもし沙由良んという一人のヒロインが学兄さんを落とすためのラブコメなら第一話から裏ルートで買ってきた惚れ薬を盛ってやりますが、少なからずここでは沙由良んは数多のヒロインの一人でしかありません。


 沙由良んもさすがにフェアで行きたいので悲しいですがそういう行動は取れないんですよね。

 となると、純粋に愛情というスパイスを加えて学兄さんの胃袋&ハートキャッチプリ〇ュアしないといけないわけで。


「学兄さん、お昼で―――」


「言っておくが女体盛りとか突拍子もないこと言うのなしだからな」


「いえ、純粋に何が食べたいか聞きたかっただけですが......」


 確かに頭に過らなかったと言えば嘘になりますが、さすがにそれは沙由良んでも恥ずかしいですよ。お望みならやりますが。


 沙由良んの純粋な瞳を見た学兄さんは「そうだよな......さすがに」と顔を手で覆っていきました。

 お? おぉ? これはまさか自爆したやつですか!?

 いつも突拍子もないことを言う沙由良んの思考を先読みしてみせたら見事に外れて赤面パターン。


 沙由良ん、このシャッターチャンスを逃すような準備不足をしていません!

 スカートのポケットからさっとカメラを取り出すと様々な角度から学兄さんの顔をパシャパシャ撮っていきました。


 気分はさながらゴシップ記者。はー! 良い表情してますね、学兄さん! もっと! もっと頂戴!


 自爆したのは学兄さん自身なので何も言われることなく写真を撮ること数分。

 沙由良んの興奮もようやく落ち着きを見せてきましたのでここいらにしておきましょう。


 一度冷蔵庫の中身を確認しに移動しパッと見でどんなのが作れるか考えました。

 無難ですが焼きそばあたりがいいでしょう。


 冷蔵庫の扉を閉め、後ろを振り向くと可愛らしくテレビの前で固まっている妹とソファで縮こまってる兄の姿がありました。

 ふむ、この兄妹が可愛すぎますね。まとめて食べたいぐらいです。どちらかというと食べられる側ですが。


 それにしても、沙由良んの前で自爆したことがよほどショックだったんですね。

 あの調子じゃ何聞いても答えてくれなさそうです。


 沙由良んは「焼きそば作ります。後、エプロン借りますね」と一声かけていくと早速行動に移しました。

 さて、ここで沙由良んの絶技を見せる前にお着替えをっと。


―――十数分後


「......」


「どうしました? 口に合わなかったでしょうか?」


「いや、焼きそばは美味いよ。めっちゃ美味い。そうじゃなくて、お前なんで―――スク水?」


 学兄さんが沙由良んの今の格好について聞いてきました。

 確かに学兄さんにとっては気になることかもしれませんね。

 これにはとても深い理由があるのです。


「最初、沙由良んは裸エプロンで挑もうかと思っていました。

 ですが、見つけたエプロンが腰のみのタイプでしたので、さすがの沙由良んでも恥じらいはあるというもの。

 仕方なく、ちゃん沙夜のスク水を借りたという次第です。こう見えてもちゃん沙夜より少し背が高いくらいなので」


「別にスク水の心配はしてねぇ」


 学兄さんは「大惨事にならなかったことを喜ぶべきか、それでもこうなってる事実に悲しむべきか」と悩むような態度でため息を吐きました。

 ふむ、不評というよりは沙由良んの行動にいちいちツッコんでもキリがないという感じでしょうか。


「ともあれ、学兄さんはスク水沙由良んをおかずに焼きそばを食べれるんですよ?」


「そんな焼き肉の写真を見ながら白米食ってるみたいなこと言われても。普通に食いてぇよ」


 その言葉に思わず沙由良んもガタッと立ち上がりテーブルに身を乗り出しました。


「今沙由良んをおかずではなくメインで食べたいと言いましたか!?」


「違う。言ってない」


 なるほど、そうですか......メインではないと。

 沙由良んは座り直すと学兄さんにわかったような顔で言いました。


「つまりデザートですね?」


「どこからそんな自信満々の顔が出来るんだ。

 というか、いつの間にか表情が一枚絵のお前の感情が手に取るようにわかってしまっている」


 それは学兄さんが沙由良んのことをちゃんと知っている証拠ですね。学兄さんに隅々まで見られてる。

 そう考えると......ハッ、またまたビビッと言いネタが思い浮かびました! M気沙由良ん発動です!


「ちょっと一発メモってきます!」


「ど、どうぞ......」


 沙由良んは急いで荷物の置いてある学兄さんの部屋へ。

 黙々とメモっていたらいつの間にか夕方頃までトリップしてました。ハッ、沙由良んてば興奮しすぎ!


 リビングに戻ってみれば兄妹二人してソファで寝てました。仲良すぎかこの兄妹。

 さすがの沙由良んも仲良く寝てる二人を起こすのは野暮というもの。

 なので、大人しく写真(連射モード)で撮影しましょう。


―――パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ

読んでくださりありがとうございます(*'▽')

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