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奴隷解放RTA 記録第七位(当社比)

『この実況者さんのセリフから優しさがにじみでてる』

という、素晴らしいコメントに対して


『優しさと感じる科学的根拠は?』という

クソつまらないコメントに思わずひっくり返りました


ほんと、荒らしコメのバリエーション、やばい






「ど、どどどどうしよう!ゴロノスケが捕まっちゃった…!」




溜池語呂之介は、女魔法使いの拘束魔法で首輪を嵌められてしまった。とっさに隠れたロエは、その様子を見守るしかなかった。助けにいこうにも、相手の力量がわからない。自分自身も空腹により力を発揮できない




「ついに理想的な人材が来たものさね!これは間違いなくあたしに運が向いている!さあ、このままダンジョンを踏破してやろうじゃないか!」


「あんた…気の毒に…」


「…」




奴隷の男は、同情の目を向ける。同じく首輪を取り付けられており、女魔法使いに従うしかなかった。そんな語呂之介は、特に絶望する様子もなく黙って自分に取り付けられている首輪をいじっていた




「さあお前!不死の人間、アンデッドなんだろう!?目の前で蘇ったのだからな!噂にしか聞かない、死を拒絶された呪われた人間!」


「マジか…あんたがそうなのか…初めて見たぜ…」


「うーん、このわざとらしいファンタジー風味の呼ばれ方、なるほど」


「来な!このあたしがこき使ってやるからな!一番前を歩いてあたしを楽させるんだね!」


「まあ、私も目的は前に行くしかないですからね。それで、この首輪外してもらえません?」


「あ?」




語呂之介は、勝手につけられたから外してほしいと当たり前のように要求した。女魔法使いは、立場が下の相手が意見をしてくるとは思わなかった。予想していなかった意見に一瞬呆気にとられたが、気を取り直す




「ダメに決まってるだろ?お前はあたしのものなんだから。黙って歩きな」


「首輪ってね、痒いし苦しいから嫌なんですよ。それに、私はあなたのものにはなったつもりはありませんよ」


「おい、聞こえてないのかい?黙って歩きなと言ってるんだ」


「あなたこそ聞こえてるんですか?お耳が遠いんでいらっしゃる?それか自分だけで進めない腰抜け独裁女さんということで?」


「お、おいおいおいおい!!あんた何言いだすんだ!!従わねえとやべえぞ!!」




こういう絶望的な状況は空気を読んで従うのが吉である。DQNのように空気が読めないやつはいれど、語呂之介は明らかにズケズケと臆せず喋る。その様子を見て、奴隷の男はハラハラと慌てる。女魔法使いは、それを聞いて、声を荒げずとも顔に明らかに青筋を立てる




「…『ワーカー・ラセル』」


「ぐばばばばばばばば!!」


「うわ…言わんこっちゃねえ…首輪の電撃呪文だ…」




女魔法使いが静かに、怒りを込めた語気の強い呪文を唱えた。語呂之介の首輪から黄色い閃光を発し、体中に電撃が走った。高出力なのか、立っていられず体中が痙攣し、のたうち回る。




「お前、あたしに向かって何て言ったんだ?もうお前は奴隷なんだよ。不死の特性を活かしてやるんだからありがたく思いな」


「くはあ………はあ………はあ………」


「死なないのを良いことに大きく出たようだが、それは悪手だね。痛みがないというわけではないだろう?従いたくなるように苦痛を与え続けてやろうか?」


「おい…あんた大丈夫か…?」


「お前は黙ってな!さあ立ちな!もう一度言うよ?私に従いな!」




語呂之介の体中から少し焦げた匂いがする。髪は跳ね散らかし、もともとボロボロだった服装もさらに乱れた。女魔法使いは、倒れている語呂之介を文字通り見下して、再度通告した。そんな語呂之介は仰向けになりながら、女魔法使いの方へ顔を向けて




「わかりました、クソババア。あ、うそうそ、お嬢さん」


「な…!!?」




色の良い返事をしたのだった(なお、汚い色な模様)




「ってこの人が言ってました」


「バ!バカ野郎!!俺は言ってねえよ!!ってかあんた!!なんで




ついでにおふざけも込めて




「『ボウ・ジャック・ブージン』!!」




女魔法使いは反射的に手が動き、呪文を唱えていた。青白い無数の真空刃が、語呂之介の体を襲い、斬り刻んだ。派手に鮮血が飛び散り、白いダンジョンの壁や床を綺麗に染めたのだった





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