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イン〇ィジョーンズ派?クラッ〇ュバンディクー派?

動画のコメントで、「そのコメ、誰かがやってた」とか

「パクコメじゃん」っていうの、マジでどうでもよくない?

「ふむ、道が分岐しているね」




聖跡ヒヨード・リーゴエのダンジョン内部は、入り組んだ構造である。何度も道が分かれており、探索者を迷わせていく




「これで何度目だい、まったく。まあ、こっちに進んでみるか。ほら!前を歩きな!」


「へ、へい…」




溜池語呂之介とは別の2人は探索を続けている。奴隷の男はしぶしぶ前を歩き、後ろにいる魔法使いの女性は安全に進む。探索魔法は意味を成さない。目的のものに反応はしないようだ。なので、お宝があるかどうかがわからない。目的地を探そうにも、そんな都合よく魔法でもわからない




「お、運がいいじゃないか。何も罠はなさそうだね」


「はあ…いつになったら着くんだ?それに宝ってなんなんだ?」


「お前が知ったところで意味はないが、教えてやる。まあ、『呪いを断ち切る剣』と言われているな。それは魔王に対して有効打になる武器さ」


「…それで魔王を倒すってのか?そういうのは勇者がやるんじゃ」


「別に勇者以外がやったって構わないだろう?たしか、グロー=リーク=エスト王国の者が、あと少しで魔王討伐を成しえると言われていたが失敗したと聞いているな。まったく、何をやってるんだか」




RPGではお決まりの魔王という存在がおり、それらを討伐しようと奮起する者はそれなりにいるようだ。世界に平和をもたらすため、名声を勝ち取るため、動機は様々だ




「…そいつがどんな奴か分からないが、それだけ手に負えないってことか」


「まあ、準備が足りなかったんだろうねえ。だがあたしはそうはいかないよ!こうして手駒を増やし、着実に進め、名声を手に入れてやるよ!」


「…はあ、大変なんだな。早く宝を見つけておさらばしたいぜ…」


「ん?おかしなことを言うね。お前にはこれからも来て貰うんだからね」


「…え?」




奴隷の男は、てっきり宝を見つければ解放される。そう思っていた




「お、おい…。ここの宝を見つけるのが目的じゃ…」


「ああ、目的だよ?そして魔王討伐に向けての駒として働いて貰うわけさ」


「…はああ!?ここで終わりじゃないのかよ!?」


「誰がそんなこと言った?あたしはお前以外にも奴隷をそろえ、出来るだけ手を下さず魔王を討つ!そのための準備さ。お前も討伐に貢献できるんだ、嬉しいだろう?」


「くそっ…そんなもんいらねえってのに…」


「お前、奴隷として弁えられるよねえ?何度も首輪で理解されてるんだ。反抗しようものならしてみるかい?」


「!!?…い、いや」


「そうそう、それでいいんだよ。あたしは心優しいから、殺しとか出来ればしたくないからね。こうやって献身的な回復魔法をかけてやってるんだから、感謝して欲しいくらいさ」


「…へえへえ、感謝してますよ(畜生…!)」




奴隷には人権も、選択肢もない。言われたことに対して、ただ従うしか出来ない。奴隷の男は歯を食いしばり、耐えるしかないのだ。魔法使いの女は、それはそれは愉悦の表情を浮かべ楽しんでいた




「む?」




楽しそうな顔から、少し怪訝な表情に変わった。何かに聞き耳を立てているのだろうか




「振動がするねえ。何かが動いているのか?」




ダンジョン内部が少し振動していた。さらに、何かが動いているような音も少しだけ聞こえた。























「こんなところにいられるか!私は一人で帰るぞ!!」


「いやあああああああ!!死ぬ!!死ぬううううううう!!!」




溜池語呂之介とロエが、ダンジョン内を必死で走っていた。これまた映画でよく見るでかい岩が転がってきて迫っている




「なんとかしてよゴロノスケ!!適当に押したからこんなことに!!」


「そこにボタンがあれば押したくなるのが人道!!」


「最低だあああああ!!」


「あ、上が吹き抜けになってますよ?飛んで下さい」


「え?え!?ゴロノスケは!?今は力出なくて抱えて飛べないよ!?」


「早く!!私はいいですから!!」


「は、はい!!」




脇道やら窪みやら、そんなものが見当たらない余りに綺麗に整った白い通路である。その天井に吹き抜けになっている部分を見つけ、語呂之介は大声で訴えかけ、強制的にロエを避難させた形になる




「うひゃ!!」




ロエは力を振り絞って飛翔し、間一髪で猛スピードで転がる岩をやり過ごした。そして




「見てママー!これからおせんべいにな




語呂之介が何かを言い切る前に、転がる岩が壁に衝突し、それに伴う轟音にかき消されてしまった。またしても、尊い無駄な犠牲を出した




「ゴロノスケーーーーー!!!」




ロエはその音を聞いて悲痛な叫びを轟かせたのだが、1分後くらいに、普通にまた語呂之介は出てきたのであった




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