ダイナミックお邪魔します
この小説もどきを書こうとした当初は一週間に一回投稿しようと
息まいてたあの頃が懐かしいなあ(遠い目
それが今はどうよ、この体たらく
デマンド王国にて警備をする王国騎士団。そのうちの一人のアナは、『死還者』の観察を任されている。だが、別に四六時中やる必要はない。例えば店が閉店で、店の中にいるというのならばそれ以上展開のしようがない。わざわざ開けてもらい、店内に入ってまで調査をするのは非効率的というか、仲良しか!って話である
「…今日も見かけないな」
ギルド周辺を警備しながら、そう呟いた。別に好き好んで『死還者』に会いたいわけではない。むしろ、いないほうが国内の雰囲気はよい。だが、3日ほど姿を見せていない。『死還者』の経営している『ZUKON/BAKON』も閉店中だ
「あ、アナさん!こんにちは」
「ん?ああ、リンカか。ギルドに依頼を受けるのか?」
「まあ、何というか、素材やらの採取依頼があるかなって。『死還者』にあんなふざけられたんだし、見返してやるんだから」
「そんなムキにならなくていいんじゃないか…」
「いやですよ!なんもしないだなんて、そんなの私が許せない!しかもここ最近また姿を見せないし、あてつけかしら!アナさん、最近見ました?」
「いや…見てないんだ私も。どうしたのやら…」
別にこの間隔で姿を現さないのは珍しくない。いなきゃいないで良いのだが、リンカと揉めたばかりなのだ。気になっているようだ
「採取とか?それともダンジョンですかね」
「うーん、あいつはそんなところに赴くタイプなのかわからないが…。まあ、調査と見回りも兼ねて聞いてみよう」
アナとリンカは、ギルドの受付に足を運ぶ。何か依頼などをお願いするときは、ここが窓口みたいなものだから、目撃情報もあるかもしれない
「あい次の人」
「ちょっといいか?聞きたいことがある」
「お?騎士の人が何か用か?」
受付の男が、アナの姿を見て少し驚いた。遠くから見かけることはよくあるが、こうやって話しかけてくるのは少ないのだ
「『死還者』の姿を最近見てないか?」
「え?そんな勘弁してくれよ、ここ最近見てないから気分良かったんだぜ?聞きたくもない名前出されちゃ困るよ」
「そうか…」
「うーん、こういうこともあるのね…」
「特に依頼とかも受注していないんだな?まあ、一応動向は知っておかないと、知らないところで厄介なことがあっても困るからな」
「ああ、そういうことか。だがなあ、特に何かやってはないが…」
受付にも特に顔を出していないようだ。受付の男は、見なきゃ見ないで気分がよかった。そんなやつに対して心当たりのあることを思い出そうとする
「ああ、そういえば、ダンジョンの情報を知りたがっていたな」
「何?」
「そうなんですか?」
「ああ。ここから馬なら1日ほどあれば着く所だ。確か聖跡ヒヨード・リーゴエだ」
「え、そこはまた厄介な…」
「言っとくが、行ってるかは知らないからな」
「…ふむ」
「アナさん。そのダンジョンって大変なところですか?」
「ああ、まずダンジョンの位置する場所が悪い。崖を降りなければならないんだ。とてもでかいクレーターの中央にあるような場所だ。おまけに生物は住み着きにくいせいか、魔力で動く無機物が多いらしい。倒すのも厄介だ。明確な『心臓』がないのだから」
「なるほど…。じゃああいつ、そこに行ったってことですか?」
「確証はない。もし行ったとしても、付いていくのは得策ではないだろう」
「…うーん」
「…」
溜池語呂之介は、断崖絶壁の淵に立っていた。切り立った崖の下には、聖跡ヒヨード・リーゴエが見える。この崖は、きちんとした道具を用いて慎重に降りて、ダンジョンの入り口に向かうことが定石なのだが
「…アーメンソーメンラーメン○ーメン」
崖から迷うことなくジャンプして、頭から急降下した。その表情は、気怠そうに疲れたものである。語呂之介は地面に激突し、骨は粉々に砕け、音は叩きつけられた破裂音と、人体が砕ける鈍い音。人体は妙に丈夫に出来ているとはよく言った物で、少しだけ血液などの体組織がぶちまけられる程度で済んだ。ピクリともせず倒れた語呂之介は、30秒後…
「…ぐああ、はあ。じゃ、おじゃましまーす」
気怠そうに立ち上がり、ダンジョンへと足を踏み入れたのだった。いつの間にか、飛び散った血液などは無くなっており、後を濁さなかった