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殴りに行こうか~!

スローライフとタイトルに書いているならスローライフ以外するなと俺は思う。タイトル詐欺のような一貫性が無いのはどうなんやろか





「う~人ん家人ん家。今、人ん家を求めて普通歩きしている私はギルドにたまに通っているごく一般的なおじさん。強いて違うところをあげるとすれば、呪い持ちってことかナ。そんなわけで、デマンド王国にある人の家にやって来たのだ」


「何を言っているんだ貴様は」


「急に喋り出しちゃって、怖いわね」


「急に殴りかかってくる怖い人が何か言ってますね。鏡見たことあるんですかね」


「あんたねえ!!」


「だああ!!もうやめろ!!」




アナとリンカの案内により、溜池語呂之介はリンカの家にやってきた。絶えず口げんか、煽り合いが絶えない中、アナがいちいち仲裁しているのだ。しれっと言った『呪い持ち』は見事に流された




「フー…!あんた、ほんっと覚えてなさいよ…?」


「落ち着くんだ…いいな?さて、着いたわけだが」


「あ、お姉ちゃん?おかえり!」


「ええ、ただいま…」




姉のリンカの声が聞こえたのか、妹のアオカが家の中から出てきた。リンカは語呂之介とのやりとりに無駄な疲労感を覚える




「どうしたの?疲れてる?」


「こいつのせいよ…疲れてるのは…」


「あ!あなたは確か!」


「どうも」




アオカは共にやってきたアナと語呂之介が目に入る。アナには以前会っておりお礼の言葉も告げている。今は語呂之介の方をしっかりと見る




「あの、この間は助けてくれてありがとうございます!『死還者』さん、探してもいなくて」


「お気になさらず。自分の力で助かっただけですよ、お嬢ちゃん」


「いえ、私ひとりじゃどうにもならなかったですよ…。アジトからも出られなかったんですから。それに、報酬のことを言ってたから、やはり助けるつもりだったんですよね?」


「…さあ」


「それで、報酬はどうしたらいいですか…?あ、あまり高いものとかは無理ですけど…」




オークリーオオカミに襲われそうになったとき、語呂之介は助けるつもりなんて無かったが、もし助ける事が出来たら報酬を頼んでいた。本当に報酬がほしいのか分からないし、どこまで欲しているのか分からない。オオカミたちは結局撃退され、アオカは助かった。なので、その報酬のことをずっと考えていた




「私が聞きたかったのはこれもあったわ。何をふんだくってくるか分かったもんじゃないわ。本当はあまりそういうこと約束しちゃダメなんだから」


「しょうがないじゃない!ほかに選択できる余地がなくて…」


「弱みに付け込んで、その、言いたくないけど、性的な事だったりするかもしれないじゃない…」


「ちょ!そ、そんなことないはずだよ!」


「(私はロリコンじゃないけど)」




語呂之介は口に出して言いたかったが、面倒くさくなりそうなので黙っていた。それから、語呂之介は相手が気になっていたであろう報酬の内容を告げる




「あー、お嬢ちゃんはしっかりしてますねえ。まあ、ラーメン一杯奢ってくれたらいいですよ」


「らーめん?」


「…もとい、一回昼飯奢ってください」


「え?そんなのでいいんですか?」


「はい」


「思ったよりまともでびっくりしたわ…」


「(私をなんだと思っているのか…残当だけど)」




現金5000兆円ほしいとか、そういうぶっ飛んだモノではなくて、非常にシンプルなモノだった。『死還者』という、周りからしたら得体の知れない存在が、まともなお礼を要求してきたことに拍子抜けした




「それでしたら、お店に行きますか?」


「いや、それは無理でしょうね」


「何故ですか?」


「出禁の店がほとんどですからね。入ってくんなと言われてます」


「あ…。すみません…」


「まあ、それは後で考えましょ。それじゃあ、私も聞きたいことがある。この大量の宝石と銀貨は何?」




アオカの次はリンカ。袋の中にたくさん詰まった宝石や銀貨たち。語呂之介が『お礼』としてあげたものである。だが、こんな高価な物をポンともらったところで誰でも警戒はする。その真相を知りたかったのだ




「アオカに持たせたみたいね。これは何?なにか裏があるわけ?」


「お嬢ちゃんがオオカミ撃退をしてくれたそのお礼ですけど」


「…それにしては多すぎるでしょ。何?貧乏だから同情してるわけ?」


「貧乏なんですか?」


「とぼけないで!ギルドにも、あんたにも言ったじゃない!この家の具合を見ても分かるでしょうが!」




お世辞にも、家は裕福ではない。身代金を要求されても、用意できなかった。依頼の報酬を出す余裕もなかった。それはギルドにも語呂之介にも伝わっている。急にこのような利益を得るのは一種のプライドが許せないのか




「あんたに助けられるほど落ちぶれてないわ!バカにしないでよね!?家のことぐらい自分でなんとかするわよ!」


「じゃあ妹さんが拉致られたとき、自分でアジトに単身乗り込んで盗賊ぶっ殺して助けに行けばよかったでしょうが」


「え…いや、そんなの出来ないわよ!」


「ほーら、なんとか出来てないじゃないですか」


「ち、違うわよ!経済的な事よ!人の手を使わないでも!自分の力で稼ぐからこそ意味があるんでしょうが!」


「捨てちまえそんな価値観」


「な!?」




人の手を借りずとも、自分のことは自分でやる。そう思うのは立派なことである。だが、別にそうじゃなくても良いんじゃないかと考える人もいる。




「あんたに借りを作るわけ!?なに!?優越感に浸ろうっていうわけ!?」


「いや、アジトにあったお宝が重くて妹さんにあげたんですけど。ラッキーでしたね」


「何がラッキーよ!そんな軽い気持ちであげれるわけ!?見返りを求めてるようにしか見えないわよ!」


「求めたことありました?」


「え…いや、ない…ないけど!でも!」




ものをもらえば、それは何か別なものを要求してくると考えるのが普通である。高価なものであればあるほど、その分見返りのようなものが大きくなっていくはずである。だが、語呂之介はそれも求めていない




「私はお礼と言ったんです。そこのお嬢ちゃんは怖い中、オオカミを退かせる手伝いをしてくれたんです。その努力を踏みにじるつもりですか?」


「そ、そんなこと!」


「あと小さい子は暖かい寝床と飯が必要でしょうが。つべこべ言わず、その金でそこら辺整えたらいいでしょうが。貰ったことがそんなに気になることですかね」


「…え…あんた」


「プライドで腹は膨れないでしょ。身勝手な価値観で振り回さすなんてクソ野郎…もとい暴力娘…あ、うそうそ。おてんばお嬢さんですね」


「何よやっぱりあんた!!!」


「ああもう!!薄々そうなるような気がした!!」




そばで控えていたアナがそれ見たことかと言わんばかりに飛び出して、リンカを止める。ちょっと良いこと言ってくれたと思った矢先の出来事である




「いちいち煽るのはやめろ!!ったく!とにかく『死還者』。何か無茶な要求だったり、厄物を押し付けたわけではないんだな?」


「お疑いでしたらどうぞ鑑定してください。そもそも人のアジトのですし、今は私のでもないですから捨てても構いません。もったいないと思いますけど」


「そんなことしませんよ!ね、お姉ちゃん」


「…あんた、店を持ってるんだっけ?仕入れのことは知らないけど、何か素材を集めたりすることあるんじゃない?」


「まあ、それはありますね。武器とか素材やらを『拾い』に行ったりです」




リンカは、とりあえず妹のアオカによる報酬という風にしてとりあえず受け入れることにした。それから、語呂之介の店について尋ねる




「やっぱり貰いっぱなしは嫌よ。だから、何かそういう仕入れの手伝いとかするわよ。あまりにも強い相手には敵わないけど、動物くらいは仕留めれるわ。手を貸すぐらいしないと気が済まないわ」


「いえ、大丈夫です」


「何よその即答!迷惑だって言いたいの!?」


「はい、足手まといですね」


「…!!」




今度は無言で語呂之介に殴りかかろうとした。アナはもちろん、これにはアオカも飛び出して止めにかかる




「お姉ちゃん!やめて!!」


「どいてアオカ!!そいつ殴れない!!」


「殴るなあ!!」


「お話は終わりですね?それじゃあさいなら」


「勝手に帰るなあ!!見てなさいよ!?出来るところ見せてあげるわよ!!」


「(関りなんか持ちたくないのになあ)」




報酬に対するお礼を何らかの形で返そうと思っているリンカは、最後は意地を張ってきた。干渉したがらない語呂之介は、そそくさと帰る。結局、語呂之介からの宝石や銀貨はもらうことになったが、いつかその対価は支払うということで終わったのであった



やだ…私の更新頻度遅すぎ…!?

こんなもの待ってる人いないと思いますが、いつも遅くてすみません


更新速度は…期待しないでください…

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