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幕間って、『まくあい』って読むの知ってた?

この前書きの部分のコメントを書くのが一番時間かかっていて一番楽しい






「アオカ!!」


「お姉ちゃん!!」




盗賊団『ハイエーサー』に捕らわれていたアオカは、無事に自分の家に帰ってくることができた。姉のリンカは待ちきれなかったのか、すぐに駆け寄って妹のアオカをぎゅっと抱きしめた




「ふふ、よかった」




それを安心したような目で見守る、王国騎士団のアナ。ここまで、馬にアオカを乗せて連れてきたのだった




「ごめんね!!もう大丈夫!!もう危険な目には遭わせないんだから!!」


「うん!うん…!」




この姉妹の間に見知らぬおじさんが入り込もうとしたら、銃殺刑って知ってた?許されざる大罪なので覚えておきましょう




「騎士さん!本当にありがとうございました!このお礼は必ずします!少しずつですが、必ずお金を稼いできますので!」


「いや、あー、その、報酬は本当にいいんだ…。それにだなあ、私は…」


「ん?ねえアオカ、その袋は何?」


「え?あ、これは…」




リンカは、アナを潤んだ目で見ながら感謝を述べた。本当にもうだめだと思っていた状況で、アナが声を掛けてくれたのが大変うれしかったそうだ。アナも放っておけないと思ったのか、ほぼロハで動いてくれた。現在、アナは気まずそうな顔をしている。アナは、ただ単にアオカをここまで連れて来ただけだというのに。本当のことを言おうとしたのだが、それはそっちのけで、アオカが先ほどから持っている袋が気になったようだ




「その、私の落とし物って、『死還者』さんがくれたの…」


「………は?なんですって?」


「だから、『死還…」




アオカがもう一度名前を言い切る前に、リンカはすぐに袋をひったくって投げ捨てた




「この馬鹿!!何考えてるの!!『死還者』には近づいちゃダメって言ってるじゃない!!そんなヤツからなんで物なんて貰おうとするの!!すぐに捨てなきゃダメでしょ!!」


「ううっ…その…ごめんなさい…でも!強引に持たされちゃって…それに…」


「もし危ないものだったらどうするの!!あんな不気味なヤツに関わったってロクなことないんだから!!」




リンカは、『死還者』に対して一般的に見れば『正しい』反応を見せた。『死還者』本人に関わってはいけないことはもちろん、『死還者』から物を貰うということでも怒りを見せた。それはそうだろう、気味悪いやつから貰うなんて厄ネタに決まっている。




「ま、まあ落ち着くんだ…。ちょっとな、これに関しては私も言わなくてはいけないことがあってだな…」


「なんですか!?騎士さんも知っているでしょう!?あいつは得体が知れなくて、話も通じなくて、不死身で、気づいたら周りで誰かが死んだりしている!」


「いや、同感なんだがな…ただ…」


「お姉ちゃん!」


「あいつになんて話さなきゃよかった!なぜか顔も急に叩かれた痛みが走って!あいつが何かしたんだわ!馬鹿にした態度まで取って!!」


「お!お姉ちゃんってば!!」




リンカは忌々しい出来事を思い出してきたのか、次々と発言が熱くなる。話を聞かないリンカに、アオカはありったけの思い切った声を出して姉を止めた




「な、なによアオカ…」


「聞いて!私は『死還者』さんに助けてもらったの!!悪い盗賊を倒して!」


「………え?」


「本当だ…。私も驚いたのだが、『死還者』が森の中でその子と歩いているのを見つけて保護したんだ。あいつが引く荷台には、盗賊団の頭領のワーゴンが寝転がっていた。なかなか苛烈な状態だったがな」


「うそ…」


「だから、私は礼を言われる資格なんてないんだ…」


「…信じられない。あんな人を食ったような態度をしていたのに…嘘を」


「つく意味なんてないだろう。それに、アジトで何があったかわからないが、その子が『死還者』に物を貰ったと言っただろう?そこには居たということになる。あいつは賞金稼ぎで来たらしい。ワーゴンには、賞金がかかっているからな」


「…」


「だから私は助けていないんだ…すまない…」




騎士として、アナは正直に状況を説明した。手柄を横取りしないのは、彼女のまじめな性格からか。それを聞いて、リンカは非常に複雑な顔になる




「じゃあ、あれは何なわけ?」


「まだ見ていないの」


「私が見てみよう。危険なものである可能性はあるのだから。君たちは下がってくれ」




アナはそう言って、アオカとリンカは距離をとった。中身を検めるために袋を拾おうとしたとき




「わ!しまった!」




どうやら紐が緩んでいたらしい。持ち上げようとしたとき、袋の口が開き、中身がこぼれだす。それは




「え!?」


「な…なあにこれえ!?」


「すごおい!」




ジャラジャラと音を立てて零れ落ちた、銀貨や宝石たちだったのだ














ギルドにて




「こいつがワーゴンか」


「にしても、いい趣味してるじゃん?」


「皮肉だな」




語呂之介が持ち込んできたワーゴンを、2人のギルド職員が見ていた。いつも語呂之介が持ってきた賞金首は、裏で死因などを調査される。今回は手足首から、上がない状態だ




「刃物か?あいつの殺し方の関連性がわからん…」


「…………ごほっ…刃物じゃ………ねえよお」


「…は!!?」




血の気が引いて、もう死んでいるものかと思っていたが、ワーゴンが非常に弱弱しい声でしゃべり始めた




「お、お前!?生きてたのか!?生憎だが、どの道盗賊団として悪行を起こしすぎだ。生かされることはないぞ」


「………ああ………そうだろうなあ………だが………」




「………………『死還者』の情報………知りたくねえ………かあ?」




















雑貨屋『ZUKON/BAKON』




「ぶえええええっくしょおおおん!!はーーーっくしょおん!!えっくし!!はあああっしょん!!にっっっっっきし!!ずびっ、はあ。服破けたまんま歩きすぎたな。ここで誰かの噂って思うほど、あたしゃナルシストじゃないからね!」



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