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盗賊団?いいえ、紳士集団です

んえっ?

って相槌うつ男とか気持ち悪くないか?




「お散歩とおち◯ぽって似てるよな(世紀の大発見)」




『死還者』こと、溜池語呂之介はデマンド王国を飛び出して外を歩いていた。昼間の明るい自然が心地よい感じだ。歩みを進めていく先は、ある森である。それは鬱蒼としており、虫や動物が住み、薬草も群生している。




「痛いもんは痛い」




語呂之介が歩いた後には、獰猛なオークリーオオカミの首が激しく噛まれた跡が目立つ死体が転がっていた。語呂之介自身の服は首部分が破れている。どうも、動物たちに喧嘩を売られるようで、動物に会うたびに襲われ、そのままの形で動物が死んでいく。歩みを進めたその森の先には、人目に付きにくい建物がある。




「…こちらかなあ?」




建物の入り口には、2人の男が立っていた。見張りをしているようだ。ここはト・ヨータの森の奥に位置する、『ハイエーサー』たちの根城であるアジトがあった。













「うう…お姉ちゃん…」




アジトの最深部の牢屋に、一人の少女がうなだれていた。長い髪は、透き通った綺麗な青。年齢は16歳くらいだろうか。今にも泣きそうな非常に悲しい顔をしている。名前はアオカ。現在、姉のリンカが必死になって探している妹である。




「おいおいおい、笑えよお~?まるで俺たちが悪いことしてるみたいじゃんかあ~?」


「何言ってるんすかボス、俺たちは悪いやつでっせ?」


「そうだったかなあ~?ぐふふ」




牢屋の前に男が2人やってきた。一人は戦闘員であり、もう一人はボスと呼ばれたワーゴンという男。大柄で、いくつもの武器、縄、薬品を携帯している様子。それを見て、アオカはおびえた顔をする




「ひっ…た、助けて…。助けて…お姉ちゃん…」


「あれえ~?俺のこと見てくれないんだあ~?悲しいなあ~?なら寂しくないように、俺がそばで暖めてやろうかあ~?」




ワーゴンはそう言って、おもむろに服を脱ぎだそうとする。それを見て、アオカは顔が青ざめる




「い!?いや!やめて!やめて…ください…」


「やっぱ傷つくなあ~。まあいいやあ~、お前のお姉ちゃんが来てくれるまで、楽しみはとっておこうかあ~。来なかったら、みんなと遊ぼうなあ~?ぐふふ」


「や…やだあ…いやあ…」




想像したくはないが、アオカは性的な暴行を受けるのだろうと感じていた。それを匂わせる態度が露骨に出ているのだ。ワーゴンはニヤリとして、階段を下りて行った。




「しかしボス、律義に待たなくてもいいんでは?あの小娘、一発くらいヤッてもいいっしょ!」


「この大馬鹿野郎があ!こういうのは過程が大事なんだよお!ギリギリまで焦らし、崩れた時の悲痛な叫び!苦悶の表情!それが俺の心をギンギンにしてくれるのさあ!」


「はあ…。しかし、金を耳揃えられたらどうするんスか?」


「その時はアジトの軍資金にして、姉の方も頂きよお!2人向かい合わせで、同時にブチ犯したときには…。ああ、たまんねえ!たまんねえぜえ!」


「うわあ、悪いっスねえ」




階段を下りながら、ワーゴンは実に楽しそうに独特の持論を高らかと口にしていった。もう一人の戦闘員は、まあボスの言うことに合わせとこ、といった雰囲気だった




「何を言ってるんだあ?俺たちは女の子たちを保護して、性の喜びを教えてあげてるんじゃないのお!だから、今は絶対に手を出すなよお?舞台を温めて、一気に散らすのがいいんだからなあ?」


「じゃあ、俺たちは?」


「後で来るであろう姉の方はお前たちの自由にしなあ!」


「さっすがボス!話が分かるう!」


「欲を言えば、もう少し幼い方が拉致と犯し甲斐があるんだがなあ。まあ許容範囲だあ」


「(相変わらず、ボスのロリコンっぷりパねえな…俺らはノーマルだけど)」




どうやら、幼いであろう少女を捕まえては、非人道的な行為を裏で繰り返しているようだ。人目に付きにくい環境のせいか、地の利があるせいか、なかなかこの『ハイエーサー』たちは捕まってくれない。ボスであるワーゴンは賞金首だ。そいつを筆頭に、そこそこの手練れである戦闘員が3人いる。あまり大所帯では、練度が高くなければまとまりにくく、捕まりやすい。少数精鋭だ。




「さあて、来る時に備え、滋養強壮の薬草でも見繕ってくるかあ。万全の体制じゃないと、女の子たちも喜ばないからねえ」


「なら、見張りの奴らを呼んで来るっス。ボスはそこにいるっス」


「おう」




戦闘員は、外で見張りをしている2人のもとへ行き声をかけることにした。ワーゴンはその間、準備などを行うようだ。階段を降りていき




「おいお前ら、お楽しみのために森に行くぞ!」




姿を見る前に大きな声で伝えた。いつもはそれで返事が返ってくるからだ。しかし、今回は聞こえてこない




「ん?寝てんのか?」




疑問に思ったのか、とりあえず外に出てみる。居眠りしてたらそれこそ怠慢で良くない。すると




「ん!!?は!?おい!!」




見張りをしていた2人は倒れていた。血がぶちまけられており、とても穏やかな状況ではなかった。その様子を見て大変驚き、急いで走る




「なんだ!?お前ら…いや、こいつは誰だ!?」




しかし、見慣れない人物も倒れていた。仲間の間に、もう一人倒れていた。仲間が倒れている様子を見なければいけないのだが、不審な人物にも気を取られる。




「ん?あ、ども」


「うわあ!!?て、てめえは!?」




その不審な人物は、顔だけあげて起き上がった。ケロっとした顔で見ていたのは語呂之介だった。戦闘員の男は、何食わぬ顔で自然と起き上がった語呂之介に面食らった。しかも、どうやら語呂之介を知っているようだ




「俺の仲間をやりやがったな!?」


「いや、道を聞こうとしただけなのに襲ってくるとか、怖くないですか?」


「何を言ってやがる!!この野郎があ!!くたばれえええ!!!」




気づけば、本能が体を動かしていた。やばいと思ったとき、仲間の敵を討つ、その動機で思わず剣を抜いて斬りかかろうとしていた。語呂之介はその様子を見て、疲れた顔をしていた




「はあ…楽なタイプですけど、楽に死ねるかなあ」




そう呟いていた






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