十二首目から十四首目
十二首目、僧正遍昭
『天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ』
『天つ風』は『新しい風が吹く』から変革の事であると解釈してください。
つまり、『朝廷の変革』が『天つ風』です。
『雲のかよひ路 吹きとぢよ』は『雲』に止まって欲しい、つまり『変革の風』に待って欲しいと言う意味です。
『乙女の姿 しばしとどめむ』はそのままで、女性が君主の時代が続いて欲しいと言う意味です。
『聖徳太子』の時代の天皇『欽明天皇』の和風諡号『天国排開広庭天皇』や、『天智天皇』の和風諡号『天命開別尊』、『天武天皇』の和風諡号『天渟中原瀛真人天皇』や『浄御原天皇』からこの歌を読み解くと、それ以外の意味には解釈できないでしょう。
十三首目、陽成院
『筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる』
作者に院号が有るので、天皇が歌った歌です。
『恋』が『水』である事が分かります。
『みなの川』の水は恋でつまり、『皆の恋』になります。
でも、『皆の恋』なんてありませんよね、ですので漢字が間違っているのです。
『皆の乞い』とすれば意味が解りますね。
『皆の乞う声が淵となるほどに聞こえてくる』これが陽成院が歌った歌の本当の意味でしょう。
十四首目、河原左大臣
『陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに』
嵯峨天皇の十二男、源融。公家から武官の源氏になったかたの作品です。
恋歌とされる作品ですが、十三首目との並びを考えれば『乞い歌』である事が分かるかと思います。
『陸奥』が『奥宮』を表している可能性が高いですし、『しのぶ』は隠すと言う意味であると思われます。
染物と掛けて乱れた心を表していて、誰のせいで心が乱れているのか、誰のせいでこのような世になったのかと言う作品です。