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三十九首目から四十一首目
三十九首目、参議等
『浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき』
『浅茅』はまばらに生えている茅の事で、仲間の事を指している。
そしてそれを隠している、隠れた小規模の集まりが出来ていると言う事になる。
そして『人の恋しき』は女性の君主を恋しく思うだと思われる。
『人』を選んで使ったのは粛清対象から外れる為か、それとも『ひと』に複数の使われ方があるのか。
四十首目、平兼盛
『忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで』
隠していたが『乞い』が表情に出ていたようだ、『ひと』に悩み事があるのかと問われるほどに。
四十一首目、壬生忠見
『恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか』
『恋』から乞いに変え、『てふ』を朝廷、『人』を男性君主と捉える。
今の治世に不満があると噂が立っているようだ。まだ、昔の世に想いを馳せたばかりだと言うのに。