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三十首目から三十二首目
三十首目、壬生忠岑
『有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし』
恋歌とされる作品ですが、他の解釈も二通りが真逆の解釈に出来るようです。
一つ目は、月と別れるのが嫌だから暁を憂いている。
そして本筋はこちらで、有明の月に女性と離れ離れにされているので、暁が来るのを憂いてしまう。
月にどちらにでも取れるような歌を作る事で、粛清を逃れているようにも見えます。
三十一首目、坂上是則
『朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪』
『有明の月』のせいで、『吉野の里』に雪が降っていると言う歌です。
問題は『吉野の里』が龍神信仰の側かどうかなのですが、百人一首のコンセプトからすると、『吉野の里』やその後の『吉野朝廷』も仲間とみなしていいようです。
三十二首目、春道列樹
『山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり』
『紅葉』は血として使われてきました、そして流れる事が出来ない。
『風』は変革として使われてきた言葉です。
この事から『男系天皇の柵で戦って血を流す事も出来ない』と言った訳になります。