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勇者様シリーズ

勇者様は今日も愛を囁く

作者:ちゃとら
目に留めて頂き、ありがとうございます。
ちょっとでも気に入って頂けたら嬉しいです。
勇者様が話しかけたそうにこっちを見てます
声をかけますか?
はい
いいえ ←

視界に勇者様を捉えた私は、まだ貴方の存在には気付いていませんよ~
私は、とても忙しいので、早くお店に戻らなくてはいけないのですよ~
という雰囲気を醸し出しつつ、ダッシュで、その場を離れた。
脱兎の如く。
その言葉は今の私にはぴったりだと思う。
肉食動物(勇者)に狙われた草食動物(庶民)は逃げるしかない。
見つかったら、絶対王者には逆らうすべは持っていないのだから。
命(貞操)は逃げて守るしかない。

「リリアーナ嬢、これ落としましたよ。はい、どうぞ。」
「…ありがとうございます。勇者様。」

遥か後方の壁からこちらを伺っていた筈なのに、
屋敷の扉を開けた途端に目の前に居る勇者様。
何故か私の髪に挿していた花が、勇者様の手の中にある。

あぁ、今日も捕まった…。

***************************

はじめまして、私は王都から少し離れた町で花屋を営んでおります、リリアーナといいます。
本当は両親が花屋を経営していたのですが、先の魔王軍の襲撃で、命を落とし、私が後を
継いだのです。
魔王軍は勇者様とそのご一行様達が殲滅させてくださいました。
両親は、かえってはきませんが…、こうして父や母が愛していた、国も、町も、お店も復活できたのです。
勇者様には、感謝しております。
えぇ、とても感謝はしているのです。
でも、それとこれとは、話が別だと思うのですよ。

世界を救った勇者様が一介の花屋の娘に一目ぼれしたとか、意味がわからない。


私と勇者様との出会いは、1か月前のある暑い夏の日でした。
その日は、叔母がお店をみてくれるというので、久々にお休みを取ることが出来たのです。
私は、町から少し離れた森へ行きました。
その森は、私が幼い頃からよく遊びに行っていた大好きな場所です。
そこには素敵なお友達もいるのですよ。

森に入り少し進むと、開けた場所に出て、目の前にはとても綺麗な湖が現れます。
そこが、私の大好きな場所なのです。
私は暫く湖をながめながら、ぼんやりとしていたら、悪戯好きの精霊様が
遊びに誘ってきました。
あ、この精霊様たちが私の素敵なお友達なのです。
精霊様ってどこにでもいらっしゃると思っていましたが、
王都には滅多にいないらしいのですよ。
どうしてでしょうかね?自然が少ないからかしら?

『リリーあそぼー』
『リリ、おみず、つめたくてきもちいいよーあそぼー』
『りりーこっちきてー、あそぼー』

精霊様は、とっても小さい、優しいお友達です。
両親が亡くなったときも、ここで、精霊様がいっぱい慰めてくださいました。
精霊様たちがいてくれたからこそ、私は早く立ち直れたのです。
本当に優しいのです。
…ほんの少し、強引で悪戯好きですが。

実際その日も、精霊様にスカートやら、髪やらを引っ張られて
湖に引きずり込まれたのです。
まぁ、浅い場所で溺れる心配もないのですが、服のまま入ったので
ずぶ濡れですよ。


その時の姿を勇者様がみていたそうで…

ずぶ濡れになってしまい、開き直って、散々、精霊様に
水をかけられたり、かけかえしたりとを繰り返し、遊び倒して
やっと湖からあがった途端、目の前に現れた勇者様。

勇者様の姿は知っていました。
魔王軍を討ったのです。それは、それは有名人ですよ。
王都だけでなく、私が住んでいる町にも絵姿が出回っていましたし。
お日様のような、金色の髪。
何処までも透きとおっている、空の様な蒼い瞳。
しなやかで、たくましいバランスの取れた体躯。
まるで絵本に出てくる王子さまのような、そのお姿は町の娘にとって憧れの存在でした。
そんな有名人が、いきなり目の前に現れたのです。

ぽかーんですよ、ぽかーん
ずいぶんと間抜けな顔していたと思います。
その時の私。

町の花屋からみれば、雲の上の人ですよ。
それが、目の前に居るんですよ。
キラキラのエフェクト付きで。
かたや、ずぶ濡れの町娘。
かたや、キラキラ爽やか有名人。
なんの罰ゲームですか。これ。
精霊様の悪戯ですか?

『りり、ふく、すけすけー、せくしー?』
ちょっ、精霊様!そこで、笑ってないで、私を隠してー!!
焦る私は、周りでケラケラ笑っている、精霊様に涙目で助けを求めていたら、
いきなり目の前の有名人が
跪き、私の手を取り、口づけを落としたのです。

「湖の乙女、貴女の名を教えてください。そして、私に求婚する権利を与えてください。」

ぽかーん、再びですよ。

『りり、よかったねー もてもてー』
と、盛り上がっている精霊様。
何故かうっとりとした瞳で私を見上げる勇者様。
ずぶ濡れで、間抜けな顔で立っている私。
今思えば、カオスです。

その日、どうやって帰ったか、覚えていません。
そして、次の日からです。
勇者様が、この町に引っ越してきて、毎日花の配送を頼んでくるようになったのは。
毎日熱い視線を送ってくるようになったのは。
隙あらば、口説いてくるようになったのは。


***************************

勇者様が愛を囁こうとしています
受けますか?

はい
いいえ
逃げる ←

「リリアーナ嬢、今日飾ってくれた花たちも綺麗ですが、貴女もとても甘い香りがして
とても綺麗です。このまま手折ってしまいたくなるくらいに。」

落とした花を私の髪に飾り付けながら、勇者様は、私に愛を囁く。
さりげなく、髪に触れそのまま耳元で甘くかすれた声で囁くのは、やめてください。
うっかりクラクラきてしまいますが、持ちこたえます。
だって、有名人が、私に本気になるわけがないのですから。
ただの遊びに決まってます…。

「まぁ勇者様ったら、お戯れを…。勘違いしてしまいますから、それくらになさってくださいませ。」

そう、ただの戯れなのでしょう。
甘いささやきに溺れるバカな娘にはなりたくないのです。
だから、捕食される前に…。

私は全力で逃げさせていただきます。


最後までお付き合いいただきありがとうございました。
あとで、勇者様視点からのリリアーナちゃん、書きたいです。

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