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「はぁ....これからめんどくさくなりそうだ。」
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「ん・・・」
麗子は目を覚ますと、昨日の出来事を思い出した。
希美にあの怪しい男の特徴などを聞き出していて、作戦を練っていたのだ。
そして、思いついて寝てしまったのである。
麗子はふあ、と欠伸をすると、めんどくさいと思いながらも一旦家に帰ることにした。
ソファから起き上がると、その向いのソファに希美は寝ていた。
「(なんだ....ベットで寝ればいいものを...)」
そう思いながら、自分が羽織っていたタオルを希美に被せた。
今は3時だ。家に帰って早速支度をしなければ。
メモを残して部屋を出ると、合鍵で希美の家の鍵を掛けた。
一切音を出さずに階段を下りていく。
気配を完全に消し去り、空気と同化してしまっている麗子は、自分の家に向かった。
「はぁ....これからめんどくさくなりそうだ。」
そんな麗子の言葉は、誰にも拾われずに消えていった。






